狩猟ヒヤリハット体験その1 子供は神出鬼没

公開日: : 最終更新日:2017/06/10 狩猟ヒヤリハット・事故

子供は神出鬼没

銃猟ハンターであれば、公道(発射した弾丸が公道上を通過する場合も含む)での発砲は禁止である。ということはご存じのはず。

狩猟読本なんかではその理由までは書いてないですが、獲物に集中するとそれ以外への注意が散漫になって道路上を往来する車両や人間の接近に気づかず発砲する恐れがある。とかそういうことでしょう、おそらく。

しかし、それを遵守していてもなおヒヤッとしたことがあります。それはこういう場面でした。

スポンサーリンク

林の中の木立から左手レストで、隣接する池にいるカルガモを狙っていた時。池のふちギリギリまで出ると気づかれそうだったので、池の端から20mほど離れたところから狙撃の体勢を取っていました。

その場所は里山の中ではあるものの銃禁ではなく周囲には民家もなく公道上でもなく、法律的にももちろんオールクリアな場所。カモはこちらに気づいていなかったので、じっくりと時間をかけて集中して狙いをつけていた、その時。

左手をレストさせている木の向こう側から、かすかな子供の声が聞こえてきました。

反射的にスコープから視線を外して声の主を確認します。が、姿は見えません。左手をレストさせている木、そしてさらにその先の茂みのせいで、視界左側の広範囲が死角になっているからです。

そこで左手レストも解除して射撃体勢を解き、身を乗り出して発声源を探すことにします。この時点でカモには気づかれて飛ばれましたが、そんなのは後です。

結局この時は風に乗ってかなり遠くで遊んでいる子供達の声が運ばれてきたことがわかってホッとしましたが、よくよく考えてみると手放しで安堵できる状況でもありませんでした。

今回、子供は遠くにいたわけですが、仮にすぐそばにかくれんぼでもしている子供がいて、足音を忍ばせて声も出さず死角から現れて、トリガーを引く直前に射線に入られていたりしたら、獲物に集中しきっていたあの状況で、はたして気づくことができただろうか―。

子供にかかればどこでも遊び場です。僕も心当たりがありますが、小さいころには裏山に秘密基地なんか作ったりして遊んでました。これがもし山里だったなら、そういった場所は高い確率で銃猟OKになっているはずです。公道でなくても、子供は前ぶれなく銃口の前を横切るかもしれないのです。

それ以来、僕はトリガーを引く直前に必ず耳を澄ませて声や足音に気を配り、再度周囲を確認してから撃つようにしています。

立射&左手レストで撃った場合、場合にもよりますが銃口の高さは小学生ぐらいの子供の頭らへんになります。空気銃といえど、至近距離で子供の頭に当たってしまったら・・・考えるだけでぞっとします。

そうそうあることではないでしょうが、猟場で子供達の遊ぶ姿を見かけた場合は、そういった可能性を念頭に置いて安全に重々気を配るようにしたいものです。

副産物として、ハトを撃つ直前に耳を澄ませているとキジの声が聞こえてきて、そっちに向かったこともありました。猟果upにも有意義なので、ぜひ! ^ ^

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

餌

狩猟ヒヤリハット体験その6 ハンターと餌付け民

以前にも言った記憶がありますが、たいていの場合、ハンターというものは動物が好きな人種です。動

記事を読む

タイーホ

狩猟ヒヤリハットその11 絶対にしてはいけない忘れ物

僕はどっちかというとおっちょこちょいの方なようです。いろんなところでいろんな忘れ物をしてきた

記事を読む

スペランカー

狩猟ヒヤリハットその10 飛び降り注意。なんとなく折れた背骨

今年の1月20日の狩りバカ日誌、書き出しで「正月休みの出猟で高いところから飛び降りた際、背中

記事を読む

拒絶

鳥猟ハンターがシギ類を捕獲するときに注意するべきこと

うまくいった体験、会心の出来事というのは自分以外の人と共有、あるいは自慢をしたくなることがあ

記事を読む

吉作落とし

怪談より怖い実話。昔話「吉作落とし」で単独猟の危険を再認識する

テクノロジーが進んでも、先人の知恵というものには、ゴミ箱に突っ込んでふたをするのはもったいな

記事を読む

スズガモ

鳥猟ハンターがカモ類のメスを捕獲するときに注意するべきこと

ハンターが猟をするにあたって留意する点はいろいろありますが、特に銃猟ハンターには気をつけるべ

記事を読む

川流れ

狩猟ヒヤリハット体験その3  猟師の川流れ

空気銃でのカモ猟をメインに狩猟をやっていると回収に手間がかかるのが普通になって、たまにキジや

記事を読む

耳

安全確認→発砲、の前に挟んでもらいたい工程はこちら。

北海道でまた狩猟事故が発生した模様。今度はどうやら流れ弾が原因であるとか。矢先の安全不確認で

記事を読む

脳

誤射事故防止のために。ハンターが知っておくべき目の錯覚と脳の話。

またしても発生してしまった、猟銃による事故。  10日朝、島根県出雲市の山林で、猟

記事を読む

高圧電線

狩猟ヒヤリハット体験その4  体験と西伊豆の事故から学ぶ電気柵

先月19日に西伊豆町で違法に設置された電気柵で2名が死亡した事故から1ヶ月あまり。その後、今

記事を読む

Comment

  1. 学生A より:

     中学の頃の友人が、小学生時代に山で猪用の罠に掛かって警察のお世話になったことがありました。そこは中学校の裏なので銃禁ですが、山に子供がいることについては他人事とは思えませんね。

     

    • spinicker より:

      小学生だと自力では脱出できないかもしれませんね。危険なのは銃だけじゃないということですね…(; ・`д・´)

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

もうかりまっかPC01

PAGE TOP ↑