マムシやハブ以上の毒性。日本の無名陸生毒蛇「ヒャン」はこちら。

公開日: : 最終更新日:2019/07/16 暮らしよもやま話

どくろ

近年は温暖化が進んでいるということもあって、ヘビ類も猟期の最初の方にはまだ冬眠していないことも少なくないようで、僕もカモ猟中に何度か、野池のそばでヘビに出くわしたことがあります。

関西ではシマヘビが多いということでその時見かけたのもシマヘビでした。が、

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これは去年の6月に奈良県の二上山で撮影したマムシ。本土のハンターが一番に警戒すべきヘビがこいつでしょう。水場近くの草むらでよく見かける印象。ハンターがよく近づく場所でもあります。

余談ですが、僕はマムシの見分け方をこう教わりました。

マムシ見分け方

横っ腹におっぱい模様のあるのがマムシである! (゚∀゚)

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少々脱線しました。

日本における代表的な毒ヘビといえばこのマムシ、あるいはハブということになるかと思います。ウミヘビ類は陸では遭遇することがないのでほっとくとして、次点でヤマカガシでしょうか。

しかし、あまり知られていませんが、実は日本の陸ヘビには、マムシやハブの4~5倍とも言われる強力な毒を持つ、恐怖の毒ヘビがいるのです!

そのヘビがこちら!

ヒャン

画像は原ハブ屋奄美より

奄美諸島に住む毒ヘビ、ヒャンです!

沖縄地方には「ハイ」「クメジマハイ」という亜種のヘビもいるようで、これらも猛毒。

これらの3種はすべてコブラ科なので、注入する毒は苦痛が少ないとされる神経毒。少し前にはインドネシアの女性歌手がステージの上で演出用のコブラに咬まれて死亡、というニュースがありました。おそるべし神経毒。

それではなぜ、このおそるべき日本のコブラ、ヒャンがあまりメジャーなヘビではないのかというと!

実はあまりおそろしくないからなのでした。(´・ω・`)

まずこのヘビ、大変におとなしく臆病な性質。シマヘビは触ったりすると反撃してきますが、温和なヒャンはただひたすら逃げ惑うんだとか。ものすごい毒持ってるくせに!

そして体格は成体でも50㎝前後と小柄で、体型も細身。威圧感ゼロ。しかも細身だけあって口も小さく、どれぐらい小さいかというと毒牙で人間の肌を突き通すことができないレベルだとのこと。ものすごい毒持ってるくせに!!

そのため大きな敵に捕らえられた場合、しっぽの先の硬いところでぺちぺち叩いたり、つんつんつついたりすることで抵抗するそうです。なにそれかわいい。ものすごい毒持ってるくせに!!!

オレンジ色に黒い横帯が入る鮮やかなヘビ。奄美大島と加計呂麻島・与路島・請島に生息し、徳之島以南には別亜種のハイが生息しています。コブラ科に属し、毒の種類は神経毒ですが、性質が温和な上に、口が小さ過ぎて人体に牙を刺すことができず、被害報告は無いようです。全長は30~60㎝、夜行性で常緑広葉樹林の森林などの湿潤な環境に棲んでいます。尾の先にとがった硬い部分があって、掴むと刺してきますが、毒はありません。

環境相 奄美野生生物保護センターより

生息域が奄美地方に限られているというのもメジャーではない要因のひとつなんでしょう。日本全国に生息していて身近に見かけることがあれば、まちがいなく萌え蛇として人気沸騰していたことでしょう。

とはいっても、なんだかんだで超毒ヘビ。あなどるわけにはいきません。もし奄美地方へ旅行に行って発見したとしても、うかつに触ったりしない方がよさそう。

遠くからみて萌えるだけにしておきましょう。 ( *´∀`)

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Comment

  1. ltchughes より:

     日本に生息する毒ヘビは、基本3種だけだと思っていました。奄美の固有種がいるのですね。驚きです!

     蛛も日本には命に関わるような毒蜘蛛はいませんでしたが、材木の輸入に伴ってセアカゴケグモのような毒蜘蛛が増えてしまいましたね。

     もしかしたら、どこか知らないところに、外国から入り込んだ恐ろしい毒ヘビが。。。
     ( ゚∀゚)o彡゚ オッパイ オッパイ

    • spinicker より:

      ( ゚∀゚)o彡゜おっぱい!おっぱい!

      日本のヘビは36種、そのうち本土にいるのは8種だけで、その他28種が南西諸島にいるそうです。あったかいところの方が快適なんだろうなぁ。
      なんかの間違いでブラックマンバが日本に帰化したら・・・狩猟やめます。orz

  2. monndou_n より:

    世界には、いろいろな生き物がいるのですね。
    僕は、マムシの頭は三角になってると父から教えてもらいましたが、実際よくわかってなかったです。
    とても、ためになりました。
    一度、蛇を草刈機ではねた事があります。凄い勢いで飛んでいったので、結局何かが分からなかったのですが、気を付けたいと思います。
    すごく小さい時に、田舎でおじいちゃんが捕まえたマムシがトイレの中に放置されていて、腰を抜かした事がありました。どうも、マムシは売れるらしいです。

    • spinicker より:

      僕も「毒ヘビは頭が三角」だと聞いたことがあります。確かにマムシだとその通りですが、かなりアバウトな分け方ですねw
      田舎のトイレでマムシはないですが、アシダカグモなら何度かあります。どっちも遭遇したくないです。orz

  3. 藤屋 より:

    突然、足元に現れるとどんな蛇でもビックリする程度ですが、マムシは足がすくみます。夢に出て
    私を追いかけて来ます。終の住処は沖縄も候補なのですが躊躇してます。

    • spinicker より:

      なんかヘビって一瞬ビクッってなりますよね。クモみたいな苦手意識はないんだけどなぁ。触ろうと思ったら触れるし・・・
      沖縄だとハブがこわいですね。サイズもマムシよりかなり大きいみたいだし。

      僕は沖縄だとオオジョロウグモが無理です。触られたらたぶん正気を保てないと思います。(´;ω;`)

  4. himebouzu より:

    日本の陸生有毒ヘビで最も毒性が高いのはヤマカガシです。

    • spinicker より:

      現在ヒャンの皮下LD50の数字を探しています。しばらくお待ちください。(´・ω・`)

  5. HANAYA より:

    日本に生息する陸生毒ヘビで最も毒性が強いのはヤマカガシですが。きちんとしたエビデンスを示さず適当なことを言うのはよくないですよ。

    • spinicker より:

      現在ヒャンの皮下LD50の数字を探しています。しばらくお待ちください。(´・ω・`)

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