狩りバカ日誌 2015年12月6日(散弾銃・シカ巻き狩り+α)

公開日: : 最終更新日:2016/10/24 狩りバカ日誌2015

曇り 9℃2℃

サンバーと猟場

今日は鹿師匠と僕、そして鹿師匠の犬、二人と一頭によるミニ巻き狩り。午後からは地元の人から箱罠にかかったシカの止めを依頼されているので、午前のみのこじんまりとした猟のみにとどめておく予定。

罠のオーナーさんは肉はいらないということなので、今日は猟がうまくいかなくてもある程度のシカ肉はゲットできることがもう決定しているのだ。いいような悪いような。(^∇^;)

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生きているシカをじっくりと見れる機会はそうないので、ミニ巻き狩りの開始前に自分だけで箱罠の様子を見に行くことにした。

場所は車を止められるところからそう遠くない。歩いて1分あるなしだ。しかし猟場のこと、何があるかわからない。いちおう銃は持っていこう。これで準備は万端だ。

箱罠にかかったシカ

遠目からでもシカが入っているのがわかる。そう大きくない、50キロないぐらいのメス鹿。これはいい肉が取れそうだ!

もうちょっと近くで見ようと足を踏み出したところで、目の前の藪が大きく揺れた。人がいたのか、気づかなかった。罠のオーナーさんかな。

藪から元気よく飛び出してきたその生き物はシカだった。

・・・マジか。足音なんかもまったく気にせずに歩いてたってのに、こんな20mほどの距離で鉢合わせするとは! (;・`д・´)

シカはその場に立ち止まり、じっとこっちを凝視している。千載一遇の大チャンス!

だが銃は背中に背負った状態ですぐには撃てない。車を降りた時点では、銃というハードの準備は確かに万端だったが、心構えというソフトの準備がダメダメだった。実は心中では「まぁ出ないだろう」と思っていた、そのツケがこのザマだ!

5秒、10秒。シカとにらみ合ったまま時間が流れる。罠の中にいるのと同じぐらいの大きさのメス。そーーーっと手を動かして銃に触れる。

と、シカが動いた! 逃げる寸前だ! ええいもう仕方ない!

一気に背中から下ろしつつ、ジャキン! と薬室に弾を装填しながら構えた・・・その先にはもうシカの影も形もなかった。orz

あーあ、あの距離で立ち止まっているシカならいくらなんでも当てられただろうに。でもいい経験になった。昔の人はいいことを言っている。これがまさに絵に描いたような「油断大敵」というやつだ。

その後のミニ巻き狩りも残念ながら低調。犬は確かにシカを追っていたようだが、こちらへは来そうにないと判断して待ちを変えた僕のところへ後になって追ってきていた。くそったれ、あのまま最初の待ちで待機していれば・・・orz

でもこればっかりは仕方ない、なんといってもこの広い猟場で待ちが二人だけ。効率よく動きたくなってしまうのはいかんともしがたい。今日はデータを取れたことでよしとしよう。

解体前のシカ

午後からは助っ人を交えて罠にかかったシカの処理。

逃げられなくなっているシカに止めが入る瞬間はちょっと気が重くなった。矢を掛ける時にはこんな気持ちにはならないのに、我ながら勝手なものだ。

ハンターでさえこうなのだから、ハンターでない人が「狩猟は残酷だ」と言うのもわからなくはないが、もっと言えば「屠殺は残酷だ」が正解だろう。そして屠殺は肉食をする人であれば全員が加害者だ。

シカ解体中

あとはみんなで解体タイム。助っ人外科医さんのあざやかな手際で、さっきまで生きていたシカがどんどんブロック肉になっていく。

動物の体というのはこうして見ると見事なものだ。シカにはうっす~~~いシートのような筋肉なんかもあって、このペラペラの筋肉はどこを動かすためのものなのかと気になってくる。ここは靱帯、ここが骨だから・・・なるほど、わからん。orz

シカ埋設

解体後のホネや残滓は、このシカが生きていた森を見下ろせる丘に穴を掘って埋めた。

安らかに眠れ・・・ないだろうけどな。今晩にもタヌキやらイノシシやらが掘り返しにくるだろうから。(´・ω・`)

見事なベニソン

壮絶な争奪戦を黄金のチョキで制し、背ロースの一番大きいところと後ろモモのブロック肉をゲットしてきた! 若いメスジカの肉だ、これは期待できる!

今日は解体に参加した5人のハンター全員がこばんざめハンターだな。(´・ω・`)

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曇りのち晴れ 6℃/-3℃ 画像はwikipediaより[/caption]

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Comment

  1. ltchughes より:

     おめでとうございます。おいしい肉をゲットですね。

     ところで、箱罠にかかった獲物の止め差しって、箱罠に入ったままするんですか?エアーならともかく装薬だと金網に当たったら壊してしまいそうですね。

     とすると、箱罠から出して撃つんですか?それはそれで、逃げられそうで難しそうですが。

     教えて頂ければ幸いです。よろしくお願いします。

    • spinicker より:

      シカ肉の入手はひさしぶりでした。うまそう。( ̄∇ ̄ )

      箱罠の止め刺しは難しいですね。箱から出してから、というのはあまりないと思います。(´・ω・`)

      過去には12番スラッグで撃ってみたものの、外れた弾が枠に当たって跳弾になって、近くで見物していた人が死亡した。というケースがあったと聞いています。装薬銃での止め刺しなら410番が良さそうです。

  2. monndou_n より:

    お疲れ様でした。せっかくのチャンス、残念でしたね。でも、安全第一ですよね。
    私は、まだ、登録証が来てないので、罠は仕掛けていませんが、実際に罠にかかってたら、今の所、止め刺し出来る自信はありません。田舎では、頼る人もいてませんし。
    和歌山県の講習会で、電気ショックや、剣スコ、ナイフで止め刺ししてるシーンを見せてもらいましたが、出来るかな?と。今の所、YouTubeとかを見てイメージトレーニングしています。

    • spinicker より:

      3発目を装填していればよかったとも思いますが、そうすると暴発の危険が出てくるので頭の痛いところです。

      罠の止め刺しは銃のない場合は難しいでしょうね。ホームセンターとかで売ってる、1mぐらいの柄のついたハンマーでやる、という人もいました。いろんな方法を試してみて、自分にあったものを見つけるのがベストですね。

  3. 槍のナガサKI より:

    鹿肉ゲット、お見事でした!
    残滓の件なんですが個人的には猪や狸等に喰われ他の山の獣達の腹を満たす事で、残った鹿の体も無駄にならずに「御山に還る」事がいわゆる一つの命の流れなのかな?と思ったりしてます。(^_^)

    当方も先週40Kg雄を一頭得てクリスマス用ステーキ&腰布用(?)毛皮を手にできました。
    のんびり毛皮鞣して、肉を喰う日々…狩人生活を満喫。(笑)
    ちなみに当方の鹿肉レシピはパイナップルソースでのステーキが今のところベストなんですが…spinickerさんのおすすめの鹿レシピはなんでしょうか?
    その辺りの記事も良かったら楽しみにしてます。(^_^)

    • spinicker より:

      残滓は、確かにただ単に捨てるよりは他の動物の糧になった方が気分的にも楽ですね。命の流れ、という言葉に何やら温かいものを感じます。

      あますところなく活用されているようで何よりです。パイナップルソースのステーキ、うまそうですね。(・∀・)
      僕的に鹿レシピのベストはこれでしょうか。すっぱいのは苦手ですが、このレシピで使うバルサミコ酢は香り豊かで好きです。

  4. 藤屋 より:

    肉食全員加害者。だヨネ~。グリーンピースの連中はグリーンピースしか食ってないんだろうな。初年度の5,6頭目に師匠から「お前もスッカリ猟師の顔じゃな」と言われました。直腸周りのウンコは靴でチョッチョッと搔き出して食道から直腸まで一気に抜きます。残滓は去年から猟友会員のみ無料で市の処理場で引き取ってくれるので、穴掘りが無く楽です。

    • spinicker より:

      食肉をスーパーで買ってる人は肉は最初っから切り身で存在してるとでも思ってるんでしょうかね。まさかそんなはずはないだろうけど、自分の目の前で動物が死ぬわけじゃないし、自分の手を汚すこともないから自分には責任がない、と考えてるんでしょうね。無理もないですが、そうじゃないことも覚えておいてもらいたいものです。(´・ω・`)

      一頭分の残滓を埋めようと思ったらけっこうでかい穴が必要だし、あの穴掘りは案外大変ですよね。その労力が必要ないのはうらやましい。地面が固かったり草の根っこだらけだったりするとなかなか掘れなくてイーッとなってきますwww

  5. まさみち より:

    鹿おめでとうございます、背ロースの燻製とか美味しいですよね、うらやましいです。
    うちのグループは犬に鹿癖が付くと言う理由で鹿を撃つな命令が出てます、鹿猟に出来れば参加させて下さいね。

    • spinicker より:

      もらいものなのでおめでとうございますと言われるとなんとなく立つ瀬がないですが、まぁ、結果オーライということで。(^∇^;)ゞ

      やはり肉としてはシシの方が評価高いみたいですね、どこでも。僕はシシもシカもどっちも好きなんですが。

      この鹿猟グループは鹿猟をメインでやってるわけではなく別の団体が母体なので、まずそちらへ入ってもらうことになりますが、それでよろしければ。(・∀・)

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