狩りバカ日誌 2018年1月2日(散弾銃・忍び猟&巻き狩り)

公開日: : 最終更新日:2018/01/09 狩りバカ日誌2017

晴れ 6℃0℃

今日はひさびさに巻き狩り参加。…の前に忍びで山に入る。

このあたりでは、日の出前後であれば、山に戻っていないシカはまだそこそこいる。そういったのを探しつつ、入山ポイントまで村内をドライブ。…今日はいないようだ。(´・ω・`)

入山ポイントは集落から少し山の方へ車で入ったあたり。

車から降りてドアを元気よく閉めたところで、背後から

「ピッ!」

…いきなりのお出迎え、痛み入るぜ。声の様子からするとかなり近い。すぐにこっちもスラッグ弾で新年のご挨拶をするからな、動くなよ!

さりげなく数歩移動しながら、ゆっくりと振り向く。

30mほど先に、こちらを見つめている二頭のメスジカをらしきシルエットを認めた。後ろでガサガサ聞こえるところをみると、まだ数頭いるようだ。

狩りバカ日誌2018年1月2日

挙銃してSD33の赤いドットをシカに重ね…ようにも、少し体勢を変えたようで、輪郭がはっきりしない。日の出の時間を過ぎてはいても、深い森の底に届く光は十分とは言えないのだ。どこだ、どこを狙えばいい…?

3秒、4秒、5秒、6秒…。致命的とも思える時間が過ぎていく。走るな、逃げるなよ…。見えた、これか!

バーン!

引き金を引く直前に走られた。見に行くまでもない、ハズレだ。さすがに時間をかけすぎたか。orz

その後はしきりにピーピー鳴きながら、群れは山手へ登っていく。あまりにしつこいので、どのへんにいるかまるわかりだ。

ダメ元で声の発声源を追っていったところ、10分ほど歩いたところで群れまで80mぐらいのところまで近づくことができた。腕はともかく、ハーフライフルの射程距離だ。

しかし妙なことに、群れの中にイノシシが混じっているように見える…。シカではないのはわかるが、シシかあるいはカモシカか。まだ薄暗いせいで判別できない。こんな時に限って双眼鏡を忘れてきた。いや、さっきもそうだったけど、この銃にのっているのがドットサイトじゃなく、倍率つきのスコープであったなら…!

そうこうしているうちに、シカの一頭がこちらに気づき、群れは今度こそ尾根の向へ姿を消した。

最後の最後、警戒鳴きを発した一頭とそれ以外の動きを見ていると、シカの群れはどうやら見張り役とそれ以外に分かれてるんじゃないかという気がする。そして、見張り役は鋭いけど、それ以外はわりとのんびりしてるんじゃないかと。

今までのイメージでは、警戒鳴き発令→全頭がそれを受けて一斉に逃走というイメージだったが、今回じっくり見ていると、警戒鳴きの後も草を食ってるやつがいた。そういうのんびりした個体は、他のメンバーが走り出してはじめて警戒→逃走という流れであるように見える。

以前、シカの群れ(といっても二頭だが)を射獲前に観察していた時も、前の一頭はよく周囲を警戒していて手強かったけど、後続の一頭はほとんど周囲を気にしていなくて、マイペースで雪を掘って食べ物を探していたっけ。

などということを思い出していると、携帯が鳴った。巻き狩り前の流しに出ていた猟隊の隊長と猟友が一頭獲ったらしい。どんなシチュエーションだったのか、様子を聞きに行こう。

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狩りバカ日誌2018年1月2日

現場は林道の先、さらに細い作業道を5分ほど走ったところ。里から離れていてここ数年はあまりシカの姿を見なかったエリアだ。真ん中あたりからむこうはわりと険しいガタガタ道だが、パートタイム四駆のサンバーならなんとかなる。

狩りバカ日誌2018年1月2日

到着してみると、大バラシは7割方済んでいた。手頃なサイズのメス。このあたりのこの時期のシカにはめずらしく、ちょっと脂が残っていた。ちなみにこのメンバーが使っているのもモーラナイフ。うちの猟隊ではモーラは大人気だ。

残滓の埋設を手伝い、雑談しながらアジトへ戻る。

今回の巻き狩りでは今までにない経験ができた。

このすばしこいシカは犬をあちこち引きずり回し、それにつられてこちらも先回りしようと東奔西走。勢子の隊長を入れてもメンバーは三人だけなのだ。

狩りバカ日誌2018年1月2日

借り物のドッグナビの画面を見ながら、犬のいる方角から走って来るであろうシカを待ち構える。犬はオレンジの矢印の方角の250m先にいる。

この犬はシカから200mほど遅れて走ることが多い、そろそろ来る頃か…

オレンジの方に目をこらしている最中、右目の端に動く影が。タツマの本能で視線だけを向ける。

影の正体は、こちらへ疾走している若いオスジカだった! 予想していた方角とかなりちがう!

犬が獲物の匂いを取る方法は大別して二つある。

まずは地面に鼻をつけて(地鼻を使うという)地表に残った擦過臭を追う方法。こちらの場合は獲物が通った後をほぼ正しくトレースできるが、この犬のように、地鼻を使わず大気中に残る匂いを追う(高鼻を使うという)タイプの犬の場合、トレースの精度は地鼻を使う犬よりはあいまいになり、思っていたのと違う方向から来ることがある。それが頭に入っていなかった。

両者ともほぼ同時に相手に気づく。この時点で距離は10mあるかないか。枝を踏まないとシカの移動はとても静かだ。

そのままだとぶつかりそうな進路で走ってきたシカは進行方向を変え、僕の脇を通り過ぎようとする。おかげでこちらは構えた銃を180度近い角度でスイング! 再接近時の距離は5mもなかったはずだ。手を伸ばせば触れそうだった。

相手は若いオス、しかも傾斜はやや下りということで、一瞬で通り過ぎていく。撃つ暇なんかまったくない、しかも通り過ぎた後はジグザグに跳ねていく! 銃で狙われていることなど知らないだろうが、あっぱれなシカだった。

犬を回収後、さっき起こった出来事を興奮気味にメンバーに話す。この猟隊は獲れても獲れなくても楽しい。(・∀・)

狩りバカ日誌2018年1月2日

昼食後、朝のシカを精肉にかかる。

僕はシカのモモを精肉するのが好きだ。いろんなブロックに分かれているシカのモモは切る作業が3割、はがす作業が7割ぐらい。うまくいけばいくほどナイフの出番が減る。いかにうまくブロックの境目を発見してきれいにばらせるか。これがとても楽しい。

なんせ3人だけだし、2頭獲れたら山から出すのもばらすのも面倒だったし、これでよかったかもね。などと負け惜しみをこぼしながら談笑。今日来れなかったメンバーとその犬のために分け前を持っていき、帰路につく。

…獲れなくても楽しいけど、今年まだ大物は一頭だけだし、ぼちぼち二頭目獲りたいなぁ。朝のことを考えると、スコープの導入も考えた方がいいかもな。(´・ω・`)


【本日の猟果(忍び猟)】
発砲 1
半矢 0
捕獲 0


【本日の猟果(グループ)】
発砲 0(うちspinicker 0)
捕獲 0(うちspinicker 0)

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