災害vs銃刀法。避難時には猟銃をどうすればいいのか?
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暮らしよもやま話
夏の終わり~秋の初めは台風のシーズン。今年もいくつかの台風が上陸、各地に爪痕を残しています。(-_-)
僕がタイトルにある疑問を抱いたのは、去年の鬼怒川決壊による大水害の映像を見た日でした。
何軒もの、なんて言葉では言い表せないほどの、地域丸ごと水没してしまったような映像を渋面で眺めつつ、これだけの範囲であればハンターも一人や二人は被災してるんだろうなぁ、と。
これと同じようなことが自身に降りかかったらどうすればいいんだろう。
どこかに避難はするとして、銃は? 持っていっていいの?
銃刀法の規定では・・・
銃刀法(銃砲刀剣類所持等取締法)第十条にはこうあります。
第十条
第四条又は第六条の規定による許可を受けた者は、それぞれ当該許可に係る用途に供する場合その他正当な理由がある場合を除いては、当該許可を受けた銃砲又は刀剣類を携帯し、又は運搬してはならない。
ということですが、法律の書き方って真四角でわかりにくいですねー。
なので初心者講習受講用に所轄からもらう「猟銃等取扱読本」を見てみましょう。こう書いてあります。
(1)携帯、運搬の制限
所持許可を受けた銃は、所持許可証に記載された用途に使用する場合又は正当な理由がある場合でなければ携帯、運搬することはできません。
「正当な理由がある場合」とは、修理、売買のため等、猟銃・空気銃を携帯又は運搬することが一般に正当な理由があると認められる場合をいいます。
(後略)
やや書き方がマイルドになってちょっとわかったような気になりました。
この表現であれば避難時の携帯は「一般に正当な理由」にあたりそうなのでOKかな、となんとなく思ったりしますが、これはあくまで僕の感想でしかありません。
また、このことを調べているうちに行き着いたYahoo!知恵袋のこちらのページには、こう書き込まれていました。
去年、うちの所轄署の担当者に聞いた時は、
津波警報など1秒を争う緊急避難時は、
普段の保管状態のままで避難しても仕方ない。
それ以外の時は、安全な地域まで全て持ち出し、
銃砲店に保管委託をしてください。
避難所や避難中の車内での保管は出来ない。という事でした。
お住まいの地域によって、災害想定が違いますので、
所轄署で確認されたほうが良いと思います。
まぁこんなところなんだろうな、という答えです。
しかし、これとてもこの方の所轄署担当官の考え。猟銃にまつわる庶務に関しては、現場の意向が強く反映される。というのは銃猟ハンターであればほとんどが知識として知っていることでもあります。
となると、
「避難先の所轄ではどうなんだ、そもそもどこに避難することになるかわからないというのに、事前の問い合わせも難しいじゃないか! ヽ(`Д´)ノ 」
という不安は拭えません。
警察庁に問い合わせてみた!
全国津々浦々で通る共通の答えが欲しかったので、去年の今ごろに警察庁ウェブサイトの「意見箱」のページから、避難時の猟銃の扱いについて問い合わせてみました。
(電話でもよかったのですが、形として残しておきたかったのでメールにしました)
結論から言うと、1年たっても答えはありません。orz
該当のページには「御質問に関しては、回答しかねる場合もございます」とも明記してあったので仕方ないといえば仕方ないのですが、残念。(´・ω・`)
またいずれ近いうちに再度問い合わせてみて、回答が得られ次第その内容をここに追記したいと思います。
水害もそうですが、地震なんかもいつ発生するか、いつ被災するかわからないもの。そういった時の銃の扱いについてお墨付きな行動を知っておきたいところです。
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いやはや、ちょっと肝が冷えましたね。もうちょっとで山中で立ち往生するところでしたぜ。orz
Comment
東日本大震災の時は、銃砲店ごと津波で流されたと聞きました。
ググって出てきた記事では、114丁が行方不明と。多分、これより多くの銃が行方不明になってるのではないでしょうか。
私も、そんな時はどうすればいいのか、弾の申請に警察に行った時にでも聞いてみようと思います。
その情報は知りませんでした。でもそりゃそうだよなぁ、あれだけの大災害だったんだし。114丁では済んでないでしょうね。自分がかの地に住んでたらどうしてただろう。もう立ち直れなかったかもしれない。
僕はずっと南河内住まいで今のところ天災とは無縁ですが、いつ何があってもいいように備えておきたいものです。警察庁に問い合わせたのもそういった理由だったんですけどね・・・(´・ω・`)
mondou様が記載されたように、東日本の震災で問題になりましたね。特にライフルを所持されている方や所持予定だった方は、銃が紛失したことによって「連続して」10年以上の猟銃の所持がなくなったため、ライフルを所持できないという事態。その後、特例が認められたとか。
そもそも避難指示は一刻を争う状態なので、銃を安全地帯の銃砲店に預けて、、、とか不可能ですね。そんな銃砲店が夜中に店を開けているのか?って。
流出して第3者に銃がわたってしまうことを考えたら、避難所に持ち込むことは妥当で正当な理由だと思うのですが。。。駄目なのですね。変な話です。
特例が出たんですか、お役所仕事にしてはGJじゃないですか。でも、それも知りませんでした。皆さんアンテナ高いっすね・・・orz
条文の正当な理由に「災害時の避難行動」を含めてもらいたいところですね。明記してもらわないとどうしても不安が残ります。(´;ω;`)
阪神淡路震災では不明銃はゼロと聞いています。
あれだけの規模の地震で行方知れずの銃がないというのはすごい!
けど、災害自体はいつ来るかわからないものだし、正解は知っておきたいところです。(´・ω・`)
そんな、こんなを、含めて銃の所持許可を出来るだけ制限したいのが、公安だと思います。付き詰めれば大災害時の動物園のライオンは?
法解釈に幅を持たせているのも、ちょっとした差違でしょっぴいて来れるようにわざとそうしてあるのだ、と聞いたことがあります。狩猟がもっとメジャーになるにはそのへんの法整備も課題になってくるでしょうね。
はじめまして。
いつも楽しく拝読させていただいております。
私はまだ所持できていないのですが「避難所」は「保管設備のない宿泊施設」と同じだろうと勝手に解釈していました。
僕もまぁそんな感じでいいんじゃないかなとは思いますが、こればっかりは自分で判断すると危ない場合があるので、統一見解を発表してもらいたいところです。
取扱読本はその後受け取れましたでしょうか? まだ先は長いかとは思いますが、がんばってください!(・∀・)