狩猟中の事故紹介その2 自損事故事例
公開日:
:
狩猟ヒヤリハット・事故
狩猟中の事故紹介、その2は「自損事故」。自分で自分をケガさせたり死なせてしまったりした事故のことです。ソースは前回同様『日猟会報 第40号』です。
この項目では、銃の事故は傷害も死亡も掲載されていますが、銃以外は死亡のケース以外書かれていません。
会報の方では獲物の攻撃によるものを自損傷害事故としてあつかっていますが、あれを自損とするのはなんか変な感じがしたので前回に「獲物の反撃による事故」として紹介しました。
まぁ、普通の自損傷害事故ってなんぞや、といえば要は
「狩りの最中にケガした!(>_<)」
ってことですからね。そんなもん珍しくも何ともないw ねんざに打撲にすり傷切り傷。狩猟をやってたらそんなのある意味当たり前。いちいち取り上げてられんし、こっちも報告なんかしません。(^^;
前置きが長くなりましたが、それでは始めましょう。
銃器関連による自損死亡事故
銃による自損死亡事故は2件。最初のケースでは原因はハッキリしませんが、経験年数が40年、年齢が70才の方なので、もしかすると2番目のケースと同じように、持病の発作等があったのかもしれません(2番目の方は経験年数40年、年齢65)。
ある意味年齢からくる不可抗力的なものもありますが、だからといって若年であれば問題ないということにはなりません。僕も脱砲を忘れかけたことがあります。
たいていの場合、ひとつではなく複数の不注意が折り重なった結果として事故が発生するもの。脱砲を忘れたら1アウトです。まず最初の不注意から除外していきましょう。
銃器関連による自損傷害事故
銃による自損傷害事故は11件。ほとんどの原因が暴発です!
年齢は37~72才。特筆すべきは経験年数で、1年目の方が2人います。1年目の人が事故事例に挙がっているのはこの項目、銃器関連による自損傷害事故のところだけです。やはり銃の扱いそのものに慣れることが大切なようです。
しかも、自分の銃が暴発して自分に当たるとなると、ほぼゼロ距離での被弾になるはず。どんな弾を使っていても大ダメージは免れません。よほど運がよくてかすった程度で済んだ、とかでない限り、命は助かったとしても、ほとんどは一生治らないケガになってるんじゃないでしょうか・・・ (´・ω・`)
空気銃でも今のプレチャージ式でしかもゼロ距離であれば、人間の指ぐらいなら数本まとめて飛ばします。死には至らなくても悲惨なことになるし、首から上だと命に関わります。たとえ空気銃でもぞんざいに扱ってはいけません! ←自分への戒めを多めに含む
銃器以外の自損死亡事故
銃器以外の自損死亡事故は12件発生しています。
こちらは年齢層が高めで、57~84才。病死が多いですね。ハンター高齢化の影響がもろに出ています。先日紹介したマダニ感染症(SFTS)も1件報告されています。
あと目を引くのがその二つ下、猪逆襲による死亡。大きなオスの牙は本当に刃物のようです、ヘタレな僕はわりと真剣に太ももから下腹部を防護する耐刃服のようなものの導入を考えています。
標準的~やや大きめのシシの牙は、男性的に「頼むからそこだけはやめてくれ!」というところにヒットすることも少なくないようです、おそろしいです。(´;ω;`)
もちろん自損事故も悲惨なものですが、まだこれが自分のことならなんとかなります。というかなんとかします。僕なんかは体の頑丈さが数少ないとりえの一つなんで。(^ ^ )ゞ
その自損事故よりも悲惨というかやるせないというか、申し訳ないのが他損事故。自分の銃で誰かをケガさせたり死なせたりしてしまったら・・・と考えただけでなんかもう、どう言えばいいか。体の力が抜けます。どうしていいかわかりません。orz
次回はそういった、最も避けるべき事故。人様をケガさせてしまった、死なせてしまったという他損事故を紹介します。
関連記事
-
鳥猟ハンターがカモ類のメスを捕獲するときに注意するべきこと
ハンターが猟をするにあたって留意する点はいろいろありますが、特に銃猟ハンターには気をつけるべ
-
誤射事故防止のために。ハンターが知っておくべき目の錯覚と脳の話。
またしても発生してしまった、猟銃による事故。 10日朝、島根県出雲市の山林で、猟
-
新しい狩猟読本が猟銃事故防止にいい感じな件。
僕が初めて狩猟免許を取得したのは2011年か2012年か、まぁそのへんです(適当)。 2種
-
脱砲でも矢先確認でも防げない狩猟事故。猟犬のトラブルを考える。
猟期前イベントのひとつ、日猟会報の配布。僕も先日、支部の班長さんから受け取りました。
-
安全確認→発砲、の前に挟んでもらいたい工程はこちら。
北海道でまた狩猟事故が発生した模様。今度はどうやら流れ弾が原因であるとか。矢先の安全不確認で
-
狩猟ヒヤリハットその7 猟銃紛失・見失いはこうして起こる!
猟銃に関するトラブルといえば誤射などの他損事故を思い起こしがちですが、地味に「紛失」というの
-
気持ちを新たに昨年度の狩猟事故を振り返る。狩猟事故2014
明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。m(_ _)m 年が明
-
恵庭市盤尻の誤射事故が不可解な点だらけなのでまとめてみる
今年も猟銃の死亡事故が起こってしまいました。 誤射被害で職員死亡、森林管理局の悲痛
-
狩猟中の事故紹介その3 他損事故事例
狩猟事故紹介シリーズ、最終回は自分以外の人間に危害を加えてしまう「他損事故」の事例、日猟会報
-
狩猟ヒヤリハット体験その4 体験と西伊豆の事故から学ぶ電気柵
先月19日に西伊豆町で違法に設置された電気柵で2名が死亡した事故から1ヶ月あまり。その後、今
- PREV
- 狩猟中の事故紹介その1 獲物の反撃による事故
- NEXT
- 狩猟中の事故紹介その3 他損事故事例
Comment
いやぁ、怖いですね。。。
でも、降車の際の暴発が2件もあるのにはオドロキです。痛い目に遭うだけで無く、銃刀法違反で許可の取り消しにもなる訳ですね。。。
いやいや。僕のにらんだところ、降車の際の暴発も2件どころじゃないとふんでいます。
暴発してもケガがなかったり軽症だったりしたら通院も何もしないでしょうから。そういう記録に残らない暴発がもっともっとあるはずです。(`・ω・´)
マダニの恐ろしさを意識したことはありませんでした。
刈払機で草刈り中にスズメバチに刺されて診療所へ駆け込んだことは数えきれず、免疫が出来たような、次回は危ないような…(笑)
テレビ和歌山のニュース記事ですが、畑仕事で刺されたのかもしれませんね、長袖長ズボンは常識ですね。
http://wbs.co.jp/news/2014/06/20/44349.html
スズメバチも恐いですね。あれは見てくれからしてもうすでにおそろしいw 特にオオスズメバチのサイズはもう空飛ぶシャウエッセン。
アナフィラキシーショックにも要注意ですね。お気をつけて。。。(´・ω・`)