狩猟にもOK?山中の歩行を支援する”林業用アシストスーツ”実用化へ
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狩猟よもやま話
狩猟のなかでも、銃猟といえば空気銃猟と装薬銃猟に分けることができます。どっちが上だとか下だとかいうこともなく、それぞれの楽しみ方があって、僕はどちらも大好きです。(・∀・)
また、空気銃猟でも装薬銃猟でも、これをさらに分けることもできます。
一例を挙げれば、車やバイクで有望なポイントを数多く回る「流し猟」と、自らの足で道なき道を踏み越えて獲物の姿を追い求める「渉猟」なんかがそう。ハイブリッド型もありますけどね!
猟師にあこがれている人、これからハンターになろうという人がまず頭に思い浮かべるのは渉猟の一種の「銃を背負って野山を歩く」スタイル、いわゆる単独忍び猟なんじゃないかと思います。僕はそうでした。雪が舞ってたりするとさらにかっこいい! (・∀・)
が、しかし。
そういうスタイルの猟は今でもあこがれだし年に何度かはやってもいますが、グループ猟はまたちょっと違うのでおいとくとしても、単独猟だとやっぱりだんだん流し猟にシフトしていくものなんですよねぇ。(-_-)
なぜかというと、一番はやはりその方が効率がいいから。車で入れない場所は歩くしかないとしても、近くまで車で行けるのならそりゃ車であちこち回った方が効率的なわけです。僕がずぼらなせいもあるんでしょうが。
で、二番目の理由。山を歩くと疲れるから。元も子もないですね! そんなことを言うぐらいならハンターやめろよ、と言われそうな。(;≧▽≦)
現実は「じゃあやめます」を選択する人も。
でもこれ、案外見過ごせないと思います。
僕などはまだ30代ということで(錆びさえ落とせば)体はまだまだ余裕で動きますが、先輩ハンターの話を聞いていると、60歳を過ぎたあたりからだんだんと山行きがしんどくなってくるのだとか。
それで、さっきちょっと触れたように「疲れるから、体が動かんからハンターやめる」となるわけです。
永遠に続けることができないのはわかっていても、僕はこれが残念で仕方ない。ひいきのスポーツ選手が引退していくのと似てますが、それがより切実になったような感じ。もっといろいろ教えてもらいたかった。(´;ω;`)ブワッ
林業用アシストスーツへの期待
そんな悲しい思いは、住友林業が開発中の「林業用アシストスーツ」によって何年か先延ばしにできるかもしれません。
住友林業は林業従事者の歩行を支援する「林業用アシストスーツ」を、2017年度末をめどに実用化する。造林は山中の急斜面を登ったり下ったりしながら歩き回る作業が大半を占める。肉体的な負担が大きく、従事者の高齢化対策や、新しい就労者の定着のためにも負担軽減は大きな課題となっている。15年度末までに斜面を直登する技術を確立し、段階的に複雑な歩行を可能にする。
(中略)
林業の現場では斜面を横切るような移動が多く、倒木などの障害物も多い。平地の歩行に比べてバランスの維持が難しく、複雑な制御が要求されるが、「難しい条件で動作できれば良い成果になる。究極的には道なき道を歩けるようにしたい」(同)。早期に実用化し、量産化への道筋をつける考えだ。
林業用ということですが、林業での実用に耐えうるものであれば狩猟の山歩きでも大活躍なはず。これが実用化されれば「猟欲は若い者には負けんが体がもう・・・」というベテランハンターの引退が何年か先になるかもしれませんね! (・∀・)
狩猟の活性化には若い人の新規参入が第一なのはもちろんですが、ベテランが長くがんばれる環境を作るのも大事なこと。
安くていいものを完成させてください、住友林業さん。僕もいずれお世話になります! (≧▽≦)
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Comment
こんばんは。アシストスーツが実用されれば、介護等も楽になりますね。ただ、バッテリーが切れると、大リーグボール養成ギプスの様になるのかなと。
もっと急勾配で、安全に使用出来る物が開発されればいいなと思います。
介護用パワードスーツみたいなのも開発中だとかいう記事をどこかで見たような気がします。介護も肉体的負担が大きいようですね。腰を痛めるとか。
個人的には機械文明の発展にはちょっと脅威を感じている(仕事とられる・・・orz)のですが、こういう「人の仕事をアシストする」機械の発展は歓迎です。
昨日も、罠の見回りをしましたが(異常無し)私の四駆は普通車なので、かなり下に置いて歩いて行かねばなりません。(獲れた時は上から下なので引きずり落とします)5m登って休憩、また休憩です。5年以内に安くて良い物が出るかナ~。
究極的には道なき道を歩けるようにしたい、ということですが、それが実現するのはいつでしょうかね。( ̄∇ ̄;)
やっぱり林道は軽ですよ。び、貧乏だからじゃないんだからね!
住友林業がどういった内容の【造林】の用途に開発しているかはわかりませんが、この格好で山を登るシーンが造林にあるのか?と思いました。
山って言ったって、一般的には登山とは違って道無き道、いやただ単に藪や草の中をチェンソーを担いで混合持ってリュック背負って行くんですよ。
歩くところに道が出来ていくわけです。
確かにそれで身体への負担は軽減されても、この写真のような平坦で整備された道を歩くのは、伐倒して架線集材したものを土場で玉切したり、グラップルで積み込みしたりするくらいでしかありません。
山を皆伐した後、国土保全・水資源の確保・山の崩壊の防止・将来への投資で、苗木を植林したり若木を鹿に食べられないようにネットを巻いたり、下草刈りなどの維持管理をするのが【造林】ですが、それは伐倒関連の仕事に比べれば年間で数えても遥かに少ないです。
補助金が出ればそれに便乗しても、常日頃から植林をするほどの山がない。(ただ、体力的な負担が比較的少ないのもあって高齢者や女性の活躍しやすい仕事ではあります)
植林の時に、何も持たずにただ上がっていけば現場に苗木や穴掘りの道具があるとも思えず、基本道具は余程のことがないかぎり毎日持ち帰ることの方が多いはずですから、その補助的な器具がかえってじゃまになるのではとわたしは思ってしまいます。
狩猟をする高齢の人が果たして体力的に劣っているのかは知りませんが、少なくても現時点で70代の山仕事をしている人は、20代の小僧よりも足腰が達者であり、その方々が狩猟(和歌山では銃によるイノシシ猟を「シシやま」と言います)をしているとしたら、それこそ猿のように木に登り、はるか向こうの山の谷を超えることが容易にできて、猟には重要な獣道をも熟知しているはずです。
和歌山の山奥でも無線&軽トラは常識なので、まあそんなマタギのような人は単独猟以外はまず見かけませんけどね。
林業関係のお仕事をしている、もしくはしていたトキハさんからするとイマイチに見えるということですね。しかし今やコンタクトレンズに付着させた電子回路と無線回線で涙の成分を測定して血糖値をモニターする技術がかなりいい線まで行っているという世の中。まさに日進月歩です。林業用アシストスーツもゆくゆくはいいものができるかもしれませんよ!(・∀・)
今日、流し猟で間伐のおじさんに会いましたが、すごい急斜面でチェーンソーを扱ってました!!(゜ロ゜ノ)ノ
先日、岩手では間伐作業中に倒木の下敷きになって亡くなった方がいました
我々もですが、事故には十分気を付けて【造林】して頂きたいものです(^-^)/
はじめまして! (・∀・)
狩猟やってると林業の人にもよくお会いしますが、あれは確かにすごいですね。銃を背負って歩くだけでもきびしいような場所にもチェーンソーで切った材木の切り株があったりするし・・・。どんな道でもプロってすごい。(;・`д・´)…ゴクリ