使わなくなった猟具たち その2―レミントン マルチツール ウイングマスター
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使わなくなった猟具たち

実猟の経験を経るほどに考え方が変わり、考え方が変われば猟具も変わる。
以前は重宝していたけど今は使わなくなった猟具シリーズ、第二弾。今回は「レミントン マルチツール ウイングマスター」です。
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https://www.no1shop.jp/annai/knife/omosiro/18368.htmlより
「マルチ」の名のとおり、この道具の売りはいろんなツールが詰め込まれているところ。はさみ、のこぎり、ナイフ、散弾銃用チョークレンチ、鳥の腸抜き用フック、LEDライトが収納されています。

こいつを買う決め手になったのは、この針金のような腸抜き用フック。しとめたカモは総排泄口からこういうものを突っ込んで腸を抜いておく。という、どこかで拾ってきた知識の後押しが作用した結果です。
理由:マルチ ≒ 器用貧乏
小さなボディにいろんな機能を持ったツールが内蔵されているのが売りなんですけど、これはやはり「各々が中途半端」ということにもなりがちなんですよね。
しかも、暖かい室内でなんのストレスもなく使えるような性質のものじゃありません、実猟ツールというのは。
僕はこれをおもにカモ猟に使うつもりで買いました。
で、カモの銃猟というのは冬場の水辺。寒いです。水から引き上げたカモは当然ボトボトに濡れています。冷たいです。手がかじかみます。水場の周りはぬかるんでて下草も生えていて、足元が悪いのもほぼデフォルト。狩猟に理解のない人に目撃されると面倒なことになりかねないので、狙撃~撤収までの間は常に急ぎ気味です。
要するに、悪い条件があれこれ揃ってるのです。使い勝手のいい専門ツールが本来持ってる能力を100点満点の100とすると、悪条件の重なるカモ猟場で発揮できる能力は、使い手にもよるけどまぁ7割として、70ぐらいに目減りするものです。
で、このマルチではあるけど性能は中途半端なツールの各々の能力を仮に100点満点の60としましょう。その7割の能力となると42。40点そこそこになります。
寒くて足元悪くて急いでいる中での使い勝手、70点と40点ではかなり差が出ますよ。(´・ω・`)
その最たるものが腸抜きフックでした。使いにくいのなんの!
あまりにも時間がかかったので、何度目からか、腸抜きに関しては総排泄口近くを内蔵を傷つけないようメス刃カッターで薄く切開、そこから手を突っ込んで腸をつまみ、内容物が漏れないようにして、つまんだ場所からちぎり取って体外に排出。という形にしています。
このマルチツール、散弾銃で鳥猟をやる人、あるいは移動方法が徒歩とかバイクとかで荷物を少なくしたい人にはいいかもしれません(その場合でも、のこぎりの目立てとナイフの研ぎ直しは必要になってくると思います)。
けど僕のカモ猟スタイルは車で水場を回る流し猟。道具はそこそこ車に積載できるので、それほどコンパクトさが魅力というわけでもなく、逆に小ささからくる各個ツールの性能の低さが気になって使わなくなっていきました。
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ハンターが使うツールのなかで刃物といえば、光学機器(スコープやドットサイト、ホロサイト等)と並んで1,2を争うほど、用途やこだわり次第で入れ替わっていくもの。
最初っからいきなりベストな一本を持つのは難しいので、手頃な値段のものをあれこれと試して自分のスタイルを確立していくのが王道であり、またそれが狩猟の楽しみのひとつでもあるのです!(・∀・)
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Comment
いやぁ、便利そうなツールではありませんか。確かに使い勝手の点で専用品にはかなわないと思いますが、何かあったときのためのスペアと考えますと、「使わなくなったけど、持っていると安心できるツール」 ですね。
僕は車から離れる距離が短い事が多いので、何でもかんでも車の中に!ですが、たま~に、「ポケットにそういったツールがあれば、わざわざ車まで引き返さなくても良いのに、、、」ってな事も。とりあえず1本、欲しいところです!
はさみは普通に使えるしチョークも散弾銃で鳥猟をやるならいいんだろうけど、僕は鳥撃ちは空気銃オンリーなのでイマイチありがたみがなかったですね…
あと個体差かもしれないけど、僕のところにあったのはとくにのこぎりとナイフが超なまくらで手直し必須でした。それもあって印象よくないです。(´・ω・`)
今年から猟初年度となるハンターです。
いろいろ参考にさせてもらってます。
特に現在、猟のお供のナイフに思案中です。
ナイフは男のロマン的な部分もあるので、なかなか選ぶのが難しいのですが、実用的な部分だけそぎ落とすと「メス刃カッター」と「剪定ばさみ」のみっていうのもありかな?って今は考えてます。
まあ決定事項なのは、「メス刃カッター」を採用した時点で、腸抜きフックはいらないってことですね。
はじめまして!(・∀・)
カモキジ撃ちでいうなら、あとは「斬れ味よくてそこそこ刃厚のあるナイフ」があればよいかと。回収後すぐに頸動脈を切断、逆さ吊りにして血抜きするためのものです。
うまく頸動脈だけ切れるのならメス刃カッターでもいいんだけど(頸動脈は皮のすぐ下にあります)、頸動脈下の頸椎は頑丈なので、勢いあまってメス刃カッターをまともに突き立ててしまうと刃こぼれします。
なので僕は放血用にはブローニングのコンビナイフ(一本折ってしまいましたが)を使っています。
腸抜きフックで腸を抜いたこともありますが、慣れないので時間かかるうえに、棒を介しているために細かい手応えが伝わってこず、よく途中で腸をぶち切ってしまって、残りの腸が腹腔内に戻っていって難儀することが続いたので、今の形になりました。自分の手だとそのへんの力具合が調整しやすいのです。(・∀・)