狩猟時にも注意。触るだけで危険な毒キノコ、大量発生中!
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最終更新日:2015/10/31
狩猟よもやま話

秋まっさかり。気温もここ数日は順調に下がってきて、山開きを控えた我々ハンターが一年でもっともウキウキする時期にさしかかってきました。(≧▽≦)
僕は食用のものを見分ける自信がないので基本スルーですが、今の時期は秋の味覚のひとつ、キノコ狩りの時期でもあります。
温暖化の影響で動植物の生育時期が以前より長くなってきている。と言われる昨今、猟期の初め頃にはまだ野山でキノコ狩りに興じる愛好家の姿を見ることもあり、ハンターとしては誤射には重々気をつける必要があります。
が、産経新聞のこの記事によると、それ以外にも、キノコ関連でハンターが気をつけるべきことがこの秋、特に奈良県で発生しているようです。
【関西の議論】猛毒キノコ「カエンタケ」の恐怖…食べると死、触れても危険 奈良で大量発生の謎
最凶クラスの毒キノコ、カエンタケとは

画像はwikipediaより
これがカエンタケ。もっと成長したものでは、
щ(゚Д゚щ) カモーン
のような、指を立てて手のひらを上に向けたような形状のものもあるようですが、特徴はこの炎が燃えているような色合い。カエンタケの名にふさわしいシルエットです。
誤って食べてしまった場合の致死量はわずか3gと言われるほど強力な毒キノコで、その症状のキツさと多彩さから「数え厄満」なんて言われてるんだとか。
wikipediaによると、カエンタケの摂取による症状には以下のようなものがあるそうです。
摂取後10分前後の短時間で症状が現れる。初期には消化器系の症状が強く、腹痛・嘔吐・水様性下痢を呈する。その後、めまい・手足のしびれ・呼吸困難・言語障害・白血球と血小板の減少および造血機能障害・全身の皮膚のびらん・肝不全・腎不全・呼吸器不全といった多彩な症状が現れ、致死率も高い。
また回復しても、小脳の萎縮・言語障害・運動障害、あるいは脱毛や皮膚の剥落などの後遺症が残ることがある[5]。
しかし、確かに毒性の強さはわかったものの、この点だけではカエンタケの真のおそろしさはくみ取れません。これだけなら食べなければいいわけですし、独特な形だから見間違えもないだろうし。(´・ω・`)
それでもなおこのキノコが危険な理由。それは、触るだけでアウトになる可能性も少なくないという点なのです!
構成成分に「トリコテセン系マイコトキシン」という物質を含有していて、それが皮膚につくとただれてしまうそう。皮膚についただけでそれなのに、まかりまちがって目にでも入ってしまったら・・・ああああああ! 考えただけでおそろしい! (((( ;゚Д゚)))
カエンタケについては何年かごとに関西ではニュースで取り上げられていて、数年前には滋賀県で大量発生があっただとか、去年かおととしあたりには奈良県の生駒山系でも発見されたとかいう報道があったのを記憶していますが、今年は奈良県で「大量発生」だとのこと。
こういったニュースから考えると、どうやら関西一帯でカエンタケの発生が盛んになっているように思われます。
僕もそうですが、関西、特に奈良県で狩猟者登録している方は、猟期前半にはキノコ狩りの人とカエンタケに注意した方がよさそうです。
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Comment
知らなかったです。「何と恐ろしい!」当地では報道されないと言う事は、関西特有な物でしょうか。直ぐ隣ですから気を付けます。私、顔はモンゴル系ですが見かけに依らず「敏感肌」で笹のゴソに突っ込んで行っただけで首が痒く成りますから、カエンタケに5m近付いただけでも失神するでしょう。
ちょっと調べてみると奈良、滋賀、仙台なんて地名が出てきます。このへんで多いってことですかね。でも江戸時代の文献に「大毒ありといへり」という記述があるとかで、昔から存在してるみたいです。
笹はダニがよく待ち伏せしてるらしいので、その点でも注意ですね。(´・ω・`)
キノコの時期ですね。私の田舎では、今年、松茸が鹿によって食べ荒らされたらしいです。鹿の被害にあってるものとしては、こんなん食べて・・・と思うのですが。自然界の生き物は、食べれない物と、食べれる物が、本能でわかるのでしょうか。
松茸ですか、なんてぜいたくな鹿。なんでも食いよるなぁ。いっそジョロウグモをぜんぶ食いつくしてくれんかな。←クモ苦手
進化論によると、食べてはまずいものを食べるような個体は命を落としやすいので子孫を残すことに失敗する確率が高い→遺伝子が残らない→淘汰される
ということらしいですね。理にかなってるような。(・ω・)