狩りバカ日誌 2015年1月31日(カモ猟)
公開日:
:
最終更新日:2015/02/02
狩りバカ日誌2014
雪のち晴れ 3℃/-2℃ 日出 06:56 日没 17:24
日の出5分前に最初の池に着いた。加えて降りしきる雪のおかげで可視光線にとぼしく、視界がとてもよろしくない。
この池にはヌートリアが生息しているという耳寄り情報を、数週間前にとある情報通から仕入れていた。それ以来注意して観察しているが、未だ姿を確認できていない。
河川で接続されていないこの池にヌートリアがいるということは、どこかの誰かがここへ運んできたか、あるいは自力でたどり着いたかのどちらかだ。まさか台風で飛ばされてきたわけでもあるまい。
ヌートリアは河川沿いに移動することで生息域を増やしているが、その際に小規模なダム程度なら陸上を移動して迂回、上流側に到達することが知られている。この池へも陸上を歩いてきたのだろう。
などということを考えながら水面を眺めていると、葦の茂みの中から黒い物体が現れた。出たっ、ヌートリア!
銃をつかんで車から出ようとしたが、iphoneのモニターが告げる時間は日の出3分前。ぐぬぬ、手出しできん!
その間にヌートリアは悠々と対岸に泳ぎ着き、姿を消してしまった。あのあたりに巣穴があるのだろう。待っていてもいいが、すぐに出てくるとは限らない。なにか獲ってボウズを回避したら戻ってきて張り込みすることにしよう!
幸運なことに、ボウズ脱出の機会はその数分後、2番目の池でおとずれた。
発見したカルの脇を車でいったんやり過ごしておいて見えないところに停車、スニーキング開始!
Googlemap上では理想的な狙撃位置理に見える木立ちがあるが、ここは足場が悪くて距離が近すぎる。この距離で大きな音を立ててしまったら即飛ばれるのは必至。ここは大事を取って大きく迂回、池の対角から撃つことにする。
警戒されないよう大きく回り込んで接近。したつもりだったが、カルペアはこっちをガン見している! スーパー警戒モードだ! 雪が降っててよかった、晴れの日だったらたぶん飛ばれていただろう。
なんとかかんとか茂みの後ろにたどりついた。この灌木に委託して撃つ。が、枝ぶりがやわでなかなかブレが止まってくれない。カルの警戒は頂点に達した!
パコーン!
飛ぼうとしていったん身をかがめたのとトリガーを引いたのはほぼ同時だった。当たったかどうかわからない。が、相方はまっすぐ上に飛んだのに対し、ターゲットは海ガモのように水面を走るような動作をした。なんらかのダメージはあるようだ!
そして少し飛んだもののすぐに失速、直後葦の藪にハードランディング。あたりは静まりかえった。何の動きもない、姿も見えない。どうなったんだ・・・?
状況がわからないので、止め用の銃と回収用の超ロングタモ網を持って墜落地点に移動する。銃は背負い、手には網。飛ぶ余力があるようならまず網をかぶせてつかまえてやる・・・!
そろそろと忍び足で接近したが、その必要はなかった。すでに息絶えていた。
この色とサイズはオスだな。カルの雌雄は遠目ではなかなかわかりづらい。
驚いたことに、ペレットは胴体に当たっていた。右側面を見せていたので、胴体右から左へ貫通したことになる。これでよく落とせたものだ。ボディショットで大ガモをしとめたのは初めてだ。
いつものように手近な林でワタ抜きにとりかかる。総排泄口近くを切開して直腸を内側から保持、そのまま引き出す。腸の先にあるのはズリだ。
ズリの反対側は頑丈な食道とつながっていてなかなか取り出せないのだが、今回は不思議なことにズリが勝手にこぼれるように出てきた。??? なんでだ?
ついでに指先にさわった心臓を取り出すと、ようやく理由がわかった。心臓の上半分が著しく損壊している。ペレットが体を貫通した際、食道と心臓上部を破壊して出て行ったのだろう。
それで横からのボディショットにもかかわらず仕留めることができて、食道ももろくなっていたのだ。運がよかったな。
ボウズを回避したのでさっきのヌートリア池に戻る。池を見下ろせる理想的な狙撃ポイントに陣取ってアンブッシュする。
ちょっと距離があるので鳥より骨の頑丈なほ乳類に効くかどうか不安だが、ウサギは矢に弱いらしいので同じげっ歯類のヌートリアも似たようなもんだろたぶん。さてさて、うまいと噂のヌートリア。どんな味がするのか。
獲らぬヌートリアの肉算用で頭の中をいっぱいにして、ただひたすらに待ち続ける。
10分後。雪が激しくなってきた。
20分後。雪がさらに激しくなってきた。
30分後。吹雪になった。帽子に積もった雪がどさっと落ちた。
笠地蔵か俺は! やめさしてもらうわ! ヽ(`Д´)ノ
まるで試される大地の様相を呈してきたので、今日はこれで打ち切ることにする。雲の切れ間から光が差し、天気は回復傾向ではあるが。。。大ガモ一羽獲ったし、まぁいいか!
・・・と、ぼろアパートへ帰るべく車を走らせている最中、視界のすみで冬田を歩く黒緑の物体を捉えた。特に探していたわけでもないのに我ながら発見がうまくなったものだ。
もう帰るつもりではあったが、据え膳食わぬはなんとやら。キジはどんな味付けにもあう、何羽あっても飽きることがない。
防水ブーツの利を活かして水路に降り立ち、くるぶしまで水に浸かった状態で接近を試みる。しかしほんの数メートル進んだところで土手が高くなってきた。射線が通せない。ちょっと遠いがここから撃つしかない。幸い気づかれていないのでじっくり時間をかけて狙える。
パコーン!
ペレットはきれいに外れ、すぐ後ろのススキが揺れる。キジに変化はない。相変わらず落ち穂をついばんでいる。この距離なら音もまったく聞こえていないだろうな、レインストーム様々だ。
パコーン!
一瞬バランスを崩したがすぐに立ち直り、左の翼を広げた状態で少し走ってから姿が消えた。
手羽に当たったのは間違いないようだが・・・姿が消えたのは倒れたからだろうな。手羽→首元貫通といったところか。ふっ、自分の才能がおそろしい。将来が楽しみだ。意気揚々と回収に向かう。
今から思えば、田んぼを突っ切って向かったのが間違いだった。倒れたところを見ていない以上、水路の中を歩いて慎重に接近するべきだった!
はたして、キジは田んぼのあぜ道のすぐ下、一段低いところでうずくまっていた。倒れたわけではなかったのだ。こちらの姿を確認すると同時に立ち上がり、猛スピードで走り去った! はええ!
見つけられてから姿を消すまで5秒あるなし。キジってあんなに俊足だったのか!
するとキジの消えた方から水音が聞こえ、我に返った。水路の中のバシャバシャという音が遠ざかっていく。
・・・なるほど。水路を越えたところの藪に逃げ込もうとしたけど翼が折れてるから距離が足りずに水路に落ちた、ってとこか。で、走って遠ざかってる最中であると。まだチャンスはある、こっちも水路におりて追跡だ!
水路は場所によって高さがちがい、このあたりでは胸ほどまである。これなら翼の折れたキジには越えられないだろう。じっくりと追えばいい。
ところどころ目の前に垂れ下がった草をかきわけかきわけ前進する。そんなことを3回ほどくり返し、ひょいっと顔を上げるとすぐそこにキジが座っていた。再度アホみたいなスピードで走り去り、一瞬で30mほど離される。だからなんでそんな無駄に速いんだおまえは! ヽ(`Д´)ノ
構造上は飛べるくせにまるでダチョウみたいなやつだ。たぶんカモが飛ぶよりキジが本気で走った方が速いんじゃないか。
あきれて見ていたが、悪いことに30m先のあたりから壁がぐんと低くなっている。あっ!
そのことに気づいたキジは楽々と跳び越え、藪の奥へ走っていった。痛恨の半矢・・・!
ああ、今期はここまでカモキジの半矢はなかったのになぁ。こないだのカラスとこれで2回目の半矢か・・・orz 元気だったので直接の致命傷にはならないだろうが、飛べないとなると生き延びれないんだろうな、自然界では。これからは絶命確認するまではもっと慎重に近づこう。
キジをロストし、代わりに大量のひっつきむしをゲットしてぼろアパートに戻りましたとさ。
【本日の猟果】
発砲 3
失中 1(キジ)
命中 2(キジ1,カルガモ1)
半矢 1(キジ)
捕獲 カルガモ1(44m前レスト・胴体貫通)
回収不能 0
【本日の経費】
ガソリン代 約900円
弾代 21円(5.5ミリペレット×3)
合計 921円
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Comment
狩猟って、ガソリン代(移動代)が半端ないんですね。私の車は1リットルで7キロ程度しか走れない四駆なので、狩猟を始めたらとんでもないことになりそうです。
「無駄に早い」キジの走りには笑えました。まぁ、命がかかってますから、文字通り必死なんですね。
僕の鳥猟スタイルは基本的に流し猟なんで、特にガソリン代はかかりますね。でもターゲットを決めてまわるエリアを絞り込むとガソリン代はかなり節約できるようになりますよ。僕は去年の猟期だけで1万㎞ほど走りましたが、今期は有望なエリアだけまわるようにして、現状5千㎞ぐらいで済んでいます。
本気出したキジはびっくりするぐらい素早いです。桃太郎に登場するのがうなずけるぐらい行動に迷いがありません。反応するヒマがありません、天晴れな鳥です。(`・ω・´)