狩りバカ日誌 2015年2月1日(鹿グループ猟)

公開日: : 最終更新日:2015/02/05 狩りバカ日誌2014

曇り時々雪 -1℃-6℃

狩りバカ日誌2015年2月1日

二度目のグループ猟参加の日。前シーズンまでは見学するだけだったグループ猟。今日はなんか獲れそうな気がする!

ブリーフィングでそれぞれの持ち場が決まり、三々五々散っていく。僕はといえば待ち場はだいたいわかったが、そこへの道は遠回りルートしか知らなかったので、先輩ハンターに途中まで案内してもらうことになった。

地図上で見れば近畿のまんなかあたりだが、真冬、しかも早朝の大和高原はなかなかに寒い。これから待ちを張るところも5~10cmの積雪があるはずだ。足元に気をつけないと。

積雪の山中を歩くこと15分あまり。待ちについた。前回のグループ猟の時にも来た場所だ。先輩ハンターに「このあたりもよく走るよ」と教えてもらった場所でもある。

あたりの地形を確認し、踊り場というか、少し平らになっている場所の先端で待つことにした。ここで谷側を向いて待ち伏せる。ここなら、

狩りバカ日誌2015年2月1日

背後の山側を走られても

狩りバカ日誌2015年2月1日

前の谷側を走られても、どっちにしてもバックストップが確保できる。鹿がここへ来るかどうかはわからないが、来た場合は(当たる当たらないは別にして)確実に撃てる。もうそろそろ犬を放した頃かな。熱いコーヒーを飲みながら鹿が通るのを待つ。

しかし最近の魔法瓶はたいしたものだ。こんなにコンパクトなのにコーヒーはこの寒さのなか、まだアッツアツだ。魔法瓶といえば一昔前のバズーカみたいなどでかいやつをイメージしていたので、今日に備えて通販サイトでぽちった時にはびっくりした。

あらためて周囲を見回してみる。後ろ側は少しましだが、杉の木が密に植えられていて全体的に見通しは悪い。鹿の接近はやはり音で気づくことになるはず。視力は弱いが、幸い耳と鼻は利く方だ。なんとかなるだろう。

耳を澄ませながら待っていると、静かな時間と騒々しい時間が交代にやってくる。

静けさの合間を縫って、カラス、カケスの声に加えてヒヨの鳴き声も聞こえてくる。他にも名前のわからない鳥。

頭上を飛ぶ飛行機の轟音はかなり邪魔だ。他の音がかき消されてしまう。谷風にあおられた杉のこずえが揺れる音もかなり大きい。そして不意におとずれる静寂。耳に届く音はこれらのくり返しだ。

杉の枝が鳴る音を聞きながら、3杯目のコーヒーを飲んでいた時。

ガサササ・・・ガサッ。パキパキッ。ガサガサ。バキパキ。ダダダッ。

枝鳴りにしては変な音が混じる。しかも妙に低いところから・・・! まさか!

急いで音の方を見る。茶色い大きな固まりが5つほど、一列になってこちらへ走ってくる。鹿だ!

狩りバカ日誌2015年2月1日

慌ててのぞきこんだのが悪かったか、こちらに気づいたようだ。方向転換して遠ざかっていく。くそっ、早く撃たないと!

待ちについた時点で薬室にももう一発装填してある。しっかり狙って引き金を・・・引けない! セーフティーがかけてある! お約束だなチクショウ!

もっと早くに気づいて姿もしっかり隠せていたら、もしかしたら40m以内で撃てたかもしれない。が、初めての経験にあたふたしているうちにチャンスはどんどん遠ざかっていく。1発目を撃てる体勢になったときには距離は50~60mぐらいに広がっていた。

バァン!

鹿にはなんの変化もない。すぐに2発目! ・・・を撃ちたかったが排莢に手間取り、距離はさらに開く。70mはありそう。当たらんだろうがいいところに当たれば倒れる距離だ。まぐれってこともある、後ろは安全、いけっ!

バァン!

・・・何も起きない。3発目、はもうさすがに無理だ。次々と走り去る鹿をただ目で追うのみ。

100m以上先のところで鹿の群れはいったん立ち止まる。こちらを一瞥すると、何事もなかったかのように立ち去った。ムキー! 馬鹿にしやがって! ヽ(`Д´)ノ

もしどっかに当たってたら血痕があるはず。と、足跡を探してみたが、5頭ほどの群れが無遠慮に雪の上を走り回ったにもかかわらず発見できなかった。鹿が走った場所を大体でしか覚えていないからだ。これからは動き始める前にちゃんと位置関係を把握しておかないとな・・・。orz

その後待ち位置を変えてしばらく待ってみたものの鹿は現れず、午前の部は終了となった。

集合場所に皆が集まり始め、先に装備を解いた者同士が雑談しながらくつろいでいると、すぐ近くで発砲音が鳴り響いた! うおっ、マジか! まだ近くにいるのか・・・って、あれか!

あわてて弾倉に1発だけを込めて見え隠れしながら逃げる鹿を走って追う。が、鹿の足は速くデブの足は遅い。あっという間に振り切られた。orz

・・・と思いきや、なぜか少し先でUターン、再度すぐ近くまで来た! 距離は15mほど、近い! よっしゃ今度こそ! と挙銃するも、鹿の先は空だった。ぬああちくしょうバックストップがない!

至近距離を走りながら逃走する鹿。時折サバンナのスプリングボックのように大きく飛び跳ねながら遠ざかっていく。・・・かっこいい。思わずみとれてしまう。

そして、鹿は完全に姿を消した。「撤収するまで油断してはいけない」という教訓を残して。

初の猟場での発砲、足跡追跡失敗、装備を解いてからの鹿出没、そして至近距離での目撃。中身の濃い一日となった。が、課題が山積みだ。

いろいろあるが最初、鹿の足音に気づき遅れたのが一番痛い。聞こえていたのに足音だと認識できていなかった。もっと早く気づいていれば少なくともあと10mは近い場所で射掛けられたはずだ。

そしてテンパっていたせいで、照準を鹿の体どまんなかに合わせていた。おそらく弾は後ろに着弾したはずだ。距離や移動スピードにもよるが、走る鹿を撃つ場合は進行方向の少し前をめがけて撃たないと当たらない。

冷静に考えればすぐにわかることすら頭に浮かばないほど浮き足立っていたが、これもいい経験だ。厳冬期の待ちがどれだけ寒いかも身にしみた。今度は熱いコーヒーに加えてカイロも持っていこう。移動してる時は暑いから貼らないタイプがよさそうだな!

【本日の猟果】
発砲 2
失中 2(シカ)
捕獲 0

【本日の経費】
ガソリン代 約1100円
弾代 460円(12gaスラッグ弾×2)
インスタントコーヒー 20円ぐらい
合計 1580円

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Comment

  1. やんま より:

    どんまいです。
    又、鳥猟とは違った難しさがあるんでしょうね(^O^)

    • spinicker より:

      別物ですねアレは。でもどっちも楽しいです! ^ ^
      2月15日過ぎたら大物オンリーになるので、なんとか一頭は仕留めたい・・・

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