狩りバカ日誌 2019年1月21日(散弾銃・単独忍び猟)
公開日:
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最終更新日:2019/02/19
狩りバカ日誌2018
雪のち晴れ 5℃/-2℃
シシの単独猟がマイブーム。今日も過走行サンバーに鞭を入れ、隣の隣の県まで遠征。
本当なら土曜に乗り入れて車中泊キャンプで一泊したかったところだけど、昨日の降水確率が高かったので家でゴロゴロして英気を養っていた。今日は休養十分である!
この猟場は勾配きつくて見通しの悪い前半のエリアを過ぎてしまうと、ぬかるみが多い点をのぞけば後はそう険しい場所もなく助かっている。
シシの多いエリアはまだ先なのでのんきに歩いていると、前触れなく複数の大きな足音が! 聞きなれた四つ足の走る音だ、近くにいたのか!
反射的に体が固まる。眼球と耳を総動員して音源の把握にかかる。
…何かがおかしい。獣はどうやらダッシュでこちらへ近づいてきているようだ??? 僕の存在に気づいて逃げていったんじゃないのか?
枝を踏み折る音は右手の谷方面から届いている。注視していると、はたして、先の方から四頭のシカの群れが走ってきて、僕の30mほど横まで来たところで止まった。
おそらくこの群れは数十m先で何かに驚かされて、こっちへ逃げてきたんだろう。その先に870を携えたハンターがいることなど露ほども知らずに。
その「何か」が何であるかが少しだけ気にはかかったが、まずは目の前の獲物に意識を向けた。
しかしこれ、どうしたものか。シシを獲りたいがために遠征してきているのだ。シカなら奈良にいくらでもいる。ここまで来てシカを撃つのはなぁ…。この距離なら外さないだろうが、どうしよう。おいちょかぶで6ができたような感じだ。
とはいえ、今日必ずシシとの出会いがあるとは限らない。獲物を確定させておくか。
そーっと、ナマケモノの動きよりゆっくりと銃を構える。気付かれはしなかったが、悪いことに全頭胴体しか見えない。後ろを気にしているようで時々歩いては立ち止まるのだが、どういうわけか頭も首も常に木の陰だ。ちょっとしたハードラック。
腕が疲れてきた、もう待てない。できるだけ胴体の前の方を狙って…!
バァーン!
場所が場所だけに走られるかと思ったが、数mほどよろよろと歩いたところでバッタリと倒れた。
入山からまだ1時間もたっていない。時間的には早朝といって差し支えない時刻だが、解体・埋設まで考えるとそうゆっくりもしてられない。とりあえず背中だけ取ることにした。
まだ肉の温度が下がり切っていないうえに、メスとはいえかなり大きな個体だったので身も大ぶりでなかなかの重量。この状態で持ち歩くのは肉質的にも機動力的にもよろしくない。
ビニール袋に入れて木にかけ、帰り道にデポジットしておくことにした。カラスやイタチにやられる可能性も0ではないが、まぁ大丈夫だろう。先を急ごう。
標高が上がるにつれて梢の雪が目立ってきた。ぼちぼちシシの多いエリアである。
このあたりでは、シシは標高の低いところにはあまりいない。シカは上にも下にもいるが、シシの痕跡は下では少ない。
シカもシシも生息している場所だとシシの方が山裾、低いところに多いという話を聞いたことがあるが、そのへんは地勢や他の要因によっても変わるらしい。
そして頭に直撃する、梢からの雪解け水。正直いってかなりうっとおしいw
足音を忍ばせ忍ばせ、シシの姿を求め歩くことしばらく。シカを倒してから1時間ほど経った頃。左目のさらに左、斜面の上あたりに違和感を感じた。今何か、空気が動いたような…?
木の陰から目を凝らすと、複数の影法師が浮かび上がってきた。シシだ!
一頭が先に歩いて行ったような気もするが、視界にいるのは現在四頭。地面を嗅ぎまわるのに忙しくこちらには無警戒だ。前回シシをしとめた時よりはやや近いか。40mちょっととみた、補正はいらない!
バカーン!
我先に逃げだす若シシたちの姿がスコープに投影される。マジか、外したのか? ヘッドショットのはずだぞ!? いい感じだったぞ!? (; ・`д・´)
結果が信じられず、再度挙銃してレティクルの中心を確認してみる…と、その場に倒れて動かない一頭のシシ。保護色のうえに今回はブーもキーもいわず崩れ落ちたもんだから、動きのある方が目立ったってことか。
意気揚々と斜面をのぼる。と、シシにはまだ息があった。頭に当てたはずだから、と下から無警戒に近づいてしまった。これはいかん。orz
とはいってももう虫の息。というか、大きく深いいびきのような呼吸を周期的に吐いている。目は半開きで動きはない。脳挫傷の症状としていびきをかくというのがあるらしいが、それに似ているような気がした。
このままでも動けはしないだろうが、つい昨日、ハンターがイノシシに咬まれて亡くなったニュースがあったばかり。念のために止め矢を入れ、御用となった。
前回よりちょっとだけ大きい、40キロあるなしのメスだった。
9000円のスコープが思った以上に使えているので助かる。他に欲しいスコープもあるけど、当面はこいつを運用することになるだろう。(´・ω・`)
さて、単独でのシシ猟はむしろこれからが本番。どこまでやるかだが、山中でシシの解体を丁寧にやろうとすれば、シカみたいに1時間やそこらでは終わらない。
前回は当たりどころがいまいち良くなかったこともあって放棄した部位もあった。ヘッドショットの今回は全身が無事だ。肉質も脂乗りも良好。
時間に余裕があったので可能な限り多くの肉を取ろうと奮闘していると、3時間半もかかってしまった。
IKEAのブルーシートバッグで運搬する。
かさばらないので二枚携帯して肉量によってMとトロリー(Lより大きい)を使い分けているが、でかいシカの背身+若シシ一頭分を持って下山する必要のある今回は文句なしでトロリーの出番。背負うことができるのもありがたい。
装備まで含めたら40キロぐらいありそうな荷物をしょって慎重に山を下りる。ヒーコラ言いながらブーツを前へ進め進め、遠くに自分の車が見えてきた時は思わずガッツポーズが出た!
その日のうちにちょっとだけぼたん鍋にしてみたが、ただの味噌汁みたいになってしまった…。今後もうちっとましなレシピを考えなければならない。(´・ω・`)
【本日の猟果(忍び猟)】
- 発砲 3
- 捕獲 2(シカ♀ 30mぐらい立射・横隔膜のかろうじて前らへん→イノシシ♀ 40mぐらい立射・ヘッドショット)
- 時間 シカ8:30ごろ シシ9:30ごろ
- 地勢 ともに南向き雑木林
- 装弾 ウィンチェスターサボットスラッグ(#12)
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