狩りバカ日誌 2019年11月2日(散弾銃・単独忍び猟)
公開日:
:
狩りバカ日誌2019
晴れ 20℃/8℃
今年で八度目となる初日の夜明け。八年目ともなるともう慣れたといえば慣れた。しかし何年目であっても心の芯の熱くたぎるのはどうしようもない。
今年も山へ入れるんだ。動物たちとのあの駆け引き。手を伸ばせば触れられるぐらいの距離での鉢合わせることだってある。楽しいけど、楽しいだけじゃない。
いくらかの不安を大いなる期待で丸め込み、しかし恐れを抱きながらも楽しみにしている自分がどこかおかしくて、矛盾だらけの自分にニヤつきながら装備を車に積み込んだ。

しかし自然はそんなに甘くなかった。例年の山開き、11月15日であればそれほど気にならなかった、大の苦手であるジョロウグモが11月上旬にはまだまだ健在なのであった。
周囲の風景に溶け込む高いステルス性を持つ網が進路のあちこちに張り巡らされ、その中央におぞましい姿の主が鎮座している。もしこいつに素肌の上を歩かれたりしたら平静を保ってなどいられない。
なぜ僕はこいつが苦手なんだろうか。なんの因果で。ハンターなのに。orz

そのへんの棒切れを拾って目の前の空間をぐるぐるしながらの進軍を余儀なくされる。いつもの倍以上の時間がかかる。
この時点で悟った。まともな狩りにはなりゃしねえ。(´・ω・`)
スポンサーリンク
難儀しながらも、牛の歩みのようなスピードで猟友との合流地点になんとかたどり着いた。猟友は今日は待ち伏せ猟をするということなので、ある程度情報交換をした後は別行動となる。
今日はもうまともに動けないのは確定している上に、初日ということで体のあちこちに登山とはまた別の負担が出ているのも感じている。無理せずゆっくり時間をかけて、半年以上ぶりになる猟場の現状把握をメインに動こう。

猟友は僕が到着する前にシカを一頭しとめていた。当歳でも二歳でもなさそうだが、ヒネてもいない。三~四歳ぐらいといったうまそうなメスだった。
異変にはすぐに気づいた。昨期にはそこらじゅうにあったシシの痕跡が皆無に近い。シカは猟友がしとめているし僕もここへ来るまでに一頭見かけた。が、シシがうろついてることを示す証拠がほとんどない。

こちらは昨期に撮影した、ものすごく濃い獣道の画像。

対して、角度は違うがこちらも同じ獣道。中央に道が走ってはいる、でも昨期よりはぜんぜん薄い。シカだけが使っているっぽい。

シシの糞も昨期にはこのように探すまでもなくゴロゴロしていた(上の○はシカの糞)のが、半日かけてもとうとう一つも発見できなかった。

ドングリはそのへんにいくらでも落ちている。昨期にはほぼ見かけなかった光景。食料がないというわけでもなさそうだ。なぜ食べに来ない? もしかしてこれはシシが好まない種類のドングリだったりするのか?? そんなのがあるのか???
いや、そもそも昨期にはドングリがなかったのはなんでだ。1月から入り始めたのでもう食べられた後かと思ってたが、ドングリには何年か周期で豊作不作があるらしい。そのへんのめぐりあわせだったのか?
わからないことだらけだが、わかったこともある。それは、どうやらシカの痕跡も多少は減っているようだ。ということ。けどシシほどじゃない。
シシの痕跡を数値化すると、昨期の1月を10とすれば、昨期の2月は8ぐらい、3月は5といったところだった。しかし今は1あるかないか。
そのかわり、昨期ではふもとの方ではほとんど痕跡がなかったが、今日は掘り跡がけっこう目立つぐらい黒々としていて、ひょっとしたらこの時期はまだふもとの方にいるんじゃないか? という気がする。
とにかく言えることは、現状ではこの周囲にはシシはどうやらいないであろう、ということ。虚無感に包まれる。いないのか、本当に…!
「エーーーオ!!!」
大声を出してみた。
「エーーーーーーーーーオ!!!!!」
さらに出してみた。
しかし逃げていく足音も聞こえなければ、返ってくる声もない。どうやら本当にシシはいないようだ。
ふもとにならいるのか。探しに行ってみたいのは山々だが、久々に猟用のブーツをはいたのでびっくりした左のかかとが靴擦れを起こしている。クモはふもとにはさらに多い。
…今週はここまでだな。
猟友も同じように思ったのか、待ちを解除して下山するという。シカの解体を軽く手伝ってから、山を下りた。
よくよく考えてみれば、この猟場は昨猟期、時間にすると10か月ほど前に初めて入ったばっかりなのだ。立て続けに4頭ほど獲れたので忘れてた。考えてみればわからないことが多いのは当たり前っちゃ当たり前である。
焦らずじっくり探索していこう。とりあえず、クモがもっと減ってからだな。怖いからなあいつら。(´・ω・`)
【本日の猟果(忍び猟)】
- 発砲 0
- 捕獲 0
関連記事
-
-
狩りバカ日誌 2019年11月21日(散弾銃・単独忍び猟)
晴れ 10℃/-4℃ 猟場からシシの痕跡が激減した原因の調査は今日も続く。
-
-
狩りバカ日誌 2019年12月15日(散弾銃・単独忍び猟)
晴れ 10℃/3℃ 昨期の順調さからは一変、今期は不調の続く大物猟。遠征先でシシの痕跡を見てい
-
-
狩りバカ日誌 2019年11月9,10日(散弾銃・単独忍び猟)
晴れ 18℃/6℃ 11月9日 先週の初出猟では、昨期に山ほどシシの痕跡があった
-
-
狩りバカ日誌 2019年11月18日(散弾銃・単独忍び猟)
晴れ 14℃/4℃ 15日をもって、本拠地奈良県の猟期も開幕。いよいよ気合が入ってきた
-
-
狩りバカ日誌 2020年2月20,21日(散弾銃・待ち伏せ猟)
2月20日 晴れ 13℃/4℃ 昨秋の台風の影響に加え、このところのコロナウイルス禍の影
-
-
狩りバカ日誌 2020年1月3日(散弾銃・単独忍び猟)
曇り時々雪 5℃/0℃ 近場(車で1時間前後)での理想の猟場探しは今日も続く。今回入るのも初め
-
-
狩りバカ日誌 2020年1月12日(散弾銃・単独忍び猟)
晴れ 9℃/2℃ 四か月の猟期もほぼ半ば。今期は好天に恵まれることが多いのはありがたいけど、ど
Comment
こんにちは。残念でしたね。でもこれが最後じゃないし、まだ調べる事も沢山ありそうだし、事故無く怪我無く終われたのを良しとしましょう、って言われるまでもなくそう思っておられると思いますが。今期も安全第一で行きましょう!
様相が昨期からガラッと変わってしまったので、一から探索再開です。新しい猟場に入るつもりで気を引き締めて歩き直します!( ・`д・´)
お疲れ様です。
蜘蛛が弱点とは、かわいいですね。
ハハハ(^0_0^)
どうもこの世には本当にクモが怖くない人がいるようで…。どうなってるんでしょう。クモ怖くない人の爪の垢煎じて飲んだらクモ怖くなくなるのなら飲みますw
顔にクモの巣が当たるのが嫌なら、こんなのは如何でしょう?
https://www.amazon.co.jp/dp/B0047MMPZA/
クモの巣のついでに顔全体を守ってくれるので
万が一の転倒・滑落でも安全安心
…恐らくきっとメイビー多分
おお。これはいい…のかな? かなりマシにはなりそう。けど巣も嫌いだけど、一番ダメなのはやっぱりあの八本足の悪魔なので…。主がいないとわかっている巣ならひっかかっても特に何とも思いません。
昔からなぜか走る系のクモはそれほど怖くないんですよねえ。コガネグモとジョロウグモがぶっちぎりで苦手です。なんとかならないものか…orz