狩りバカ日誌 2019年11月21日(散弾銃・単独忍び猟)
公開日:
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狩りバカ日誌2019
晴れ 10℃/-4℃
猟場からシシの痕跡が激減した原因の調査は今日も続く。
ここまでは、昨期までシシが豊富にいたあたりを見て歩いて、どうも今期の現時点ではこのあたりへはほとんど来ていないらしい、ということを足跡や糞から把握してきた。では、どこへ行ったのか?
昨期のメイン猟場は山の上の方だった。ふもとの方には痕跡はほとんどなかった。が、今期は若干の掘り跡などが散見できて、昨期よりは下の方にいる気配が漂っている。
よし、今日はいつものところよりもっと下らへんで遺留品を探してみよう。
目星をつけた地点まで、地面の痕跡に注意しながらゆっくりと忍び歩く。朝露に濡れた広葉樹の落ち葉はブーツのソールをしっとりと受け止め、足音を吸収してくれる。ずっとこんな林床が続けばいいのに。
ガサッ! バキバキッ!!!
突然、先ほど歩いてきた方向、左後ろ方面のすぐ近から、枝を踏み折る大きな音が聞こえてきた。
これが
というような小さな音であればこっちもそっと振り返ったのだが、至近距離で、しかも今自分が来た方向からの大きな異音。反射神経が仕事をして、一瞬でバッと振り返る。しまった、と思いながら。8時の方角で目にしたものは、少なくとも三頭のシカの群れ。距離にして10mほど。うそつけ! さっきそんなとこに何もおらんかったぞ!ヽ(`Д´)ノ
多少の混乱があって挙銃が遅れてしまった。スコープに補足した時の距離は15mあるかないか。ほんの一瞬、一番近い個体のすぐ後ろのうまそうな子ジカに目移りするも思いとどまって、手近な成体のメスに向かってトリガーを引く! もらった!
ダーン!
何事もなかったかのように遠ざかっていく。骨は砕かなかったらしい。こういう場合はたいてい一発しか放り込めないので二の矢は無理だが、しかしまあ時間の問題だろう、もうすぐ倒れるはずだ。
発砲後のチェックをして、15m先の現場検証をするべくゆるやかな傾斜を上る。
異常にはすぐ気がついた。シカのいたあたりすぐ手前の一本の細い枯れ木の側面がえぐられている。地面には木っ端。これに当たったのか…!
貫通したか、してないにしても、弾道の逸れは距離からしてほんのわずかのはずだ。当たってないか、地面に毛や血痕は落ちてないか…
しばらく探したが、何も見つからなかった。いくら動的でも、木が生えているとはいっても、あんな距離で外すとは。いやそれ以前に見通しのいい場所であの距離までお互いに気づかないとは。これだから山は難しいけど面白い。面白いけど難しい。
教訓を得たと同時に、こちらの忍びもうまくいってたからこそ起こったことだ。と、ちょっと気を取り直して目的地へ向かう。しかし…悔しい。orz
ふもとの広葉樹林帯に到着。このあたりのドングリはほとんどがコナラの実だが、目立つのは殻斗(帽子の部分)ばかり。本体はあらかた食べつくされている。コナラは一年成なのでこれは今年のもので間違いないだろう。
上の方ではごろごろ転がっているものが、下の方ではほとんど残っていない。やはりこの時期は下の方にいるのか…? 季節が進むにつれて上の方へ食べ上がってくるのか。今のところは仮定でしかない。
そうだ、以前来てから十日ほど経っている。上の方も見ておかないとな。トレイルカメラの結果も楽しみだ。
途中でラーメンブレイク。きれいな水が常に手に入るとは限らないので、評判の山用魔法瓶に熱湯を詰めて持ってきてある。朝イチから昼ぐらいまでは十分にラーメンができる温度をキープしてくれるという文明の利器。THERMOSのその名も 「山専ボトル」。
噂通りの保温力でアッツアツのラーメンが楽しめた。半分ぐらいはこれのために山を歩いてるようなものだ!
コガネグモとジョロウグモは苦手だけど、それ以外のクモはわりと大丈夫。そしてこういうザトウムシも問題なし。手で触れるぐらい。フナムシも捕まえてチヌ釣りの餌にできる。何の加減なんだろうなこれは。(´・ω・`)
とか思いながら見ていたザトウムシの木にごっつい爪痕のような傷があるのに気がついた。かなり古そうで、高さは胸よりちょっと上あたり。この一帯ではクマなんかおらんはずだが…?
昨期の猟場着。おっと。いきなりでっかいシシ糞のお出迎えだ。前来た時はこんなのなかったぞ。
中にはこんなゲンコツ級のものも。
ふむ。どうやらちょっとずつここへも戻ってきつつあるような感じか。
回収したトレイルカメラにもちらほらシシの姿は写っていた。
猟果はなかったが、あちこち見て歩いた成果はあった。外しはしたものの獲物に向かって今季の号砲がわりの発砲もできて、いよいよ本格的にエンジンがかかってきた!(・∀・)
【本日の猟果(忍び猟)】
- 発砲 1
- 捕獲 0
- 遭遇時間 メスジカの群れ 8:30ごろ
- 遭遇地勢 南向きの緩やかな雑木林
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