狩猟ヒヤリハットその8 冬道の恐ろしさ。川底へ転落しそうになった話
公開日:
:
最終更新日:2018/01/19
狩猟ヒヤリハット・事故
先日のブログ記事で「この時期、どこかで雪を待ち望んでいるようなところもある」「悪路に強いというサンバーの四駆にスタッドレスをはかせて調子に乗ってる」と、最近の自分について書きました。
関連記事:温暖な地域在住だからこそ。猟場での雪道・氷盤路について考える。
で、その数日後に猟場への林道で派手にやらかしまして。まさに調子に乗ってました。かなり危ない状況でした。啓発と自分への戒めのために状況を説明していきます。(-_-)
単独猟中のスリップ事故未遂 状況
経過と結果:2WDで林道を走行中、路面の凍結に気づかず、4WDに切り替えることなく走行、カーブでスピン。道をふさぐ形で山側の路肩に突っ込んで停止。
現場の状況はこうです。
左手を山、右手を谷川に挟まれた、車一台分の幅の林道。大物猟で山へ入る人なら容易に想像できるであろう、よくあるシチュエーションです。
道はゆるやかに上りつつ左に曲がっていて、そのカーブのところはうっすらと雪が残っています。ここまでの道も雪があったりなかったり。積雪というよりは「雪化粧」という形でした。
画像下方からspinickerがサンバーに乗って現れました。ここまでは雪がところどころ残っているだけで凍結はしていなかったので、駆動系へのダメージを考慮して2WDのままです。この後に待ち構える運命も知らずに! ( ゚Д゚)
積雪ゾーンに入ってすぐ、後輪が流れ始めました!
が、この段階ではまだ余裕あり。「おっ」て感じ。過去にロードスターでちょっと元気よく走ってた経験があるので、少しアクセルをゆるめて対処します。
しかしロードスターとサンバーでは挙動がぜんぜん違うのでした。なんといってもサンバーはリアエンジン。荷重がかかりやすくケツは振りにくいけど、エンジンがあるぶん重いので、振り始めるとなかなか収拾つきません!
かといってこの細い道で大きくカウンターを当てることもできません。反対側は谷川です!
ここまではなんとか道路の真ん中らへんをキープできていたのですが、突如大きくリアがスライド! 車がほぼ横向きに! うおお!
反射的におもいっきりカウンターを切ったのですが時すでにおすし。
スピードが落ちたことでグリップが回復、横向きのまま車は前へ突っ込み…路肩に乗り上げて止まりました。
実際の状況。抜け出すために1mほどバックさせた状態です。
車から降りてみて、はじめて路面がガチガチに凍結していることに気付きました。雪が残ってるところはあっても、ここまではまったく凍ってなかったのに!
実はここだけ、山側からの湧き水が流れてたのです。湧き水が凍ってその上にうっすらと雪化粧したので、車からはただの薄い雪にしか見えなかったのでした。
1m下げてこれなので、実際は赤のラインあたりまで突っ込んでいます。もうちょっとで木に激突するところでした。
スピードは出していなかったので土と枯れ枝の層にバンパーがひっかかって止まってくれました。被害はバンパーにちょっと傷がついただけ。
リアエンジンのサンバーだったのでオーバーステア→スピンで山側で止まってくれましたが、これがFF車だったり、または下りだったりした場合は、アンダーが出てここへ転落していたかもしれません。
高さはせいぜい3m、水深も深いところで太ももぐらいなので死にはしなかっただろうけど、体は軽傷~重傷、そして廃車はまぬがれないところだったはず。(((( ;゚Д゚)))
youtubeから持ってた、実際に起きた追突事故の様子。撮影車の前走車がアイスバーンの下り坂で止まりきれず、前方で横向きになって止まっていたトラックにぶつかっています。凍結していないところとしているところが入り交じっているという点では、今回のケースと似ています。
特筆すべきはブレーキをかけている時間の長さ。25秒~衝突する50秒地点までの間、ほんの一瞬(1秒あるかないか)をのぞいて前の車はブレーキかけっぱなしなんですよね。それでも止まれない。衝突時もけっこうな勢いです。
げにおそるべきは凍結路!
今回は体も車も被害なしで終われたので、ラッキーにも教訓だけゲットできました。
今後は早めに四駆に入れて、こういう山道では湧き水の上に雪が積もって見た目では凍結がわからないこともあるので注意。
…という点を心がけたいと思います。本当に危なかった…!
関連記事
-
狩猟ヒヤリハットその10 飛び降り注意。なんとなく折れた背骨
今年の1月20日の狩りバカ日誌、書き出しで「正月休みの出猟で高いところから飛び降りた際、背中
-
誤射注意。僕が狩猟鳥に加えて非狩猟鳥も覚えようと思った理由はこれ
僕は散弾銃(M870)で大物猟もやりますが、同じぐらいかそれ以上に好きなのが空気銃(レインス
-
東名高速のバス事故から学ぶ、事故回避における予測の重要性
気がつけば猟期が終わってからもうぼちぼち3か月。気にせねば気づかないほどゆっくりと、しかし確
-
狩猟ヒヤリハット体験その6 ハンターと餌付け民
以前にも言った記憶がありますが、たいていの場合、ハンターというものは動物が好きな人種です。動
-
鳥猟ハンターがシギ類を捕獲するときに注意するべきこと
うまくいった体験、会心の出来事というのは自分以外の人と共有、あるいは自慢をしたくなることがあ
-
狩猟ヒヤリハット体験その5 増殖する銃禁
狩猟をする上で注意しないといけない点はいろいろありますが、その中でも上位にくるのが「許可され
-
狩猟中の事故紹介その1 獲物の反撃による事故
狩猟にケガはつきもの。ベテランはもちろん、キャリアの短い人であっても、「いや、狩猟でケガなん
-
狩猟中の負傷ワースト5(2017年度まで)を挙げていこうと思う。
その昔、「傷は男の勲章」なんて言葉がありました。もしかしたら今でもあるのかもしれませんが。
-
怪談より怖い実話。昔話「吉作落とし」で単独猟の危険を再認識する
テクノロジーが進んでも、先人の知恵というものには、ゴミ箱に突っ込んでふたをするのはもったいな
-
瞬時に止血できる新発明「Vetigel」はハンターの救世主となるか?
僕自身は今のところ幸いにも狩猟中に大量の出血をともなう外傷を負ったことはありません。ちょっと
Comment
無事に帰ってこれて良かったですね。
湧き水は怖いですね。最近は、集中豪雨などで、今まで湧いたなかった所から、ちょろちょろと流れてる所もありますね。
僕は、雪道では、ハンドル切っても真っ直ぐ進んで行って、もう少しで、野尻湖にダイブしそうになった経験があります。アクセル踏んだら曲がり出して命拾いしましたが。
そのままダイブしてたら、一家全滅でした。
リアが流れ出した時点ではまだ余裕あったんですが、アクセル抜いてもトラクションが戻らなかったところでさすがに焦りました。かといって全戻しにもできないし…無事帰還できたのは運がよかったです。
自分一人でももちろん嫌なもんだけど、ご家族を乗せてとなると…。お互いに気をつけましょう。( ・`ω・´)
ご無事で何より。経験を積むことで賢くなりますよね。私の地方は凍結も積雪もまずありませんが、山の中、標高が上がるとどうかは分かりません。ご経験を参考にさせていただきます。重ねて、ご無事で良かったです。
標高上がるとぜんぜん変わりますね。同じ山でもふもとはまったく雪なくても、上の方では積もってたりというのも当地ではまあまああります。油断大敵です。( ・`ω・´)
無事帰還、良かったです!
ただ気になったのは、二駆と四駆での駆動系のダメージとありますが、思うほどでは無いので、冬の林道に入る時点で四駆にしておくのが吉です。
1メートルほど積もる地域の場合は、林道に入るまでに田んぼ道があるはずです、道路と田んぼの境がわからなくなって落ちることがあります。
気をつけて下さいね(*゚∀゚*)
よっぽどタイトに回り込むようなコーナーでないとバキバキ鳴るところまではいかないとはわかってるんですけど…なんというか、慎重というか貧乏性というか。orz
でも今回のことで、四駆入れるのが遅れるようではなんのための四駆か! と思うようになったので、これからは早めに入れるようにします。(´・ω・`)
私は雪国福井県人のジムニー乗りなのですが、乾燥アスファルト道路以外は基本四駆に入れます。この雪国特有の季節、生活道路は雪がないけど、少し入るだけで雪道って時も基本四駆に入れっぱなしです。
ジムニー四駆でも多少の雪道でも滑るときは滑ります。事故現場の写真を見る限り、舗装道路でもないのに四駆に入れてなかったって時点で、突発的な事故ではなく、必然的な事故ですよ!
プアさんの活動と記事は、多くのハンターの勇気と希望です。つまらない事故でその活動をストップされるようなことないように、ご自愛してくださいね。
いちおう現場は舗装路ではあったんですけど、よくある山奥のガッタガタなアスファルトなので、路面状況が悪かったという点では未舗装とそれほどの差はなかったと言えるかな。いやいや、今までの猟場走行で一番肝が冷えました。いい教訓としたいです。m(_ _)m
私はフルタイム四駆で調子にのって、一般道で滑った事があります。1年前は車検の代車で慎重に運転していたのにスピンして、壊しました。隣の車線は他の車が私より速いスピードで普通に走っていたんですけど。。。
冬は怖いですね。無事で何よりでした!!
代車を壊してしまうと…災難でしたね。
本当に車も体も無事で助かりました。体は金で買えない、車は金で買えるとは言っても、さすがにあの状況で谷川へ落ちると廃車はまぬがれなかったはずなので、新しい車を買うとなるとかなりの痛手。今回のことを肝に銘じて運転します。m(_ _)m
ご無事で何よりです。雪道はましですが凍結アイスバーンはどうしようもないですね…
僕は切り返し楽だしオフ車でうろついてますが、最近会社の4駆の軽トラで行こうかなぁと(^_^;)
流してる時にヘルメット脱ぐのが超絶面倒くさいです←あほ
制御利かなくて打つ手なしは怖すぎますよね。免許取りたての頃に普通のトラックと同じ感覚で高所作業車運転中に高速の本線料金所に差し掛かりブレーキ…ブレーキ!転倒防止のウエイトがかなり付いているので、力いっぱいペダルを踏みぬいても全く減速しません(´Д`;)
前方には支払中の車両…あかん…無理や…と覚悟しましたわ(^_^;)
僕も猟期外にはクロスカブで猟場の新規開拓におもむいています。林道面白いですよね。気をつけないといけないこともあるけど…
学生時分、夏タイヤでアイスバーンを走る羽目になったことがありまして。あの時は歩くぐらいのスピードでもまっすぐ進めなかったなあ。(;´д`)
前回の雪道・氷盤路の記事と併せて拝読いたしました。
そして、今回のスタッドレスサンバーでのスリップ記事には、
少々衝撃を受けております。
私、雪道経験が全く無かった茶帯者でして、
4WDダイハツジャンボには悩んだ上で猟期前にオフロードタイヤを履かせました。
メインは大阪温暖道走行だからスタッドレスは勿体ない。
もし出猟で雪道に出くわせばチェーンが経済的、と。
が今度は、
猟場と市街地間の薄化粧な積雪国道でのチェーン脱着タイミングに大いに悩みました。
帰路時、高速の後続車複数台に道を譲りながら、
アスファルトを削るような走行音に耐えられず。
そして市街地手前でチェーンを外しましたら、その後に薄っすらスリップ。
相当ゆっくり速度だったので車体角度が変わる程でなかったですが、
ヒヤッとしました。
林道走行という事は大した速度は出てなかったと拝察致しますが、
それでもスタッドレスなのに滑ってしまうのですねぇ…
同条件での唯一解が4WDをオンにしたスタッドレスなのかもしれませんが、
動画のような薄積雪の下り凍結路だと恥ずかしながら解答が分かりません。
4WDでスタッドレスでアスファルトを削ろうがチェーンも装着?
腰が引けて出猟を躊躇う始末でして、いっその事、しっかり積雪してくれれば、
と思うのは南河内の茶帯だからでしょうか。
(;д;)トホホ
>>スタッドレスなのに滑ってしまうのですねぇ…
滑ってしまうのです。(´・ω・`)
ただ、この場合では四駆に入れていれば、スタッドレスの威力と相まって、おそらくスピンまではいかなかったと思います。
軽貨物車の標準サイズのタイヤ、ホイール(145r12)であれば、新品が4本1万円とかで売ってるので、僕としてはやはりスタッドレスをおすすめします。その後も同じような状況の道を走行することはありましたが、早めに四駆にしてゆっくり走るようにすれば、なんともありませんでしたので。
やはり四駆は偉大です。あとは非常用にチェーン積んでればたいていの場面では大丈夫かと。僕も金属チェーン積んでますよ!(・∀・)