効率なら最強の流し猟。狙うべき林道・見るべき地形はここだ!
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最終更新日:2018/04/26
狩猟よもやま話
今日はどうしてもシカを獲りたい! なんて日もあります。ただ単に猟欲がたぎってるだけだったり、知り合いに「シカ肉欲しい!」と頼まれたので安請け合いしたり、理由はいろいろありますけど。
そんな時には、車で林道脇のシカを探す流し猟を敢行します。
シカには「ある程度距離がある場合、逃げずにこちらを観察する」という行動を取る個体も少なくないので、そいつを発見できれば、労少なくして射獲できることもよくあるのです。警戒心の薄い若い個体だと、10mぐらいまで近づいても逃げないことも。
忍び猟よりは圧倒的に見て回れる範囲が広いこともあって、流し猟は単独銃猟としてはもっとも高い成果が期待できる猟でしょう。いまいち面白みというか、達成感には欠けますけどね…。
当地には地図に載っているものもそうでないものも、合計すれば無数といっていいほどの林道が敷設されていて、そのすべてを回ることなど到底無理。獲物の濃い薄いなども考慮して、効率的に巡回することが猟果、ならびにシカ肉を約束した知人へのメンツを保つ秘訣。
その際には、地形のことも頭に入れておくとさらに効果的。どういった形状の林道が猟果を上げやすいのでしょうか。
林道あれこれ
獲物の生息密度が同じであれば、という前提で、結論からいうと「起伏の少ない土地で等高線に沿った形で走っている林道」がベスト。
その説明は後でするとして、そうでない林道が獲物を見つけにくい理由を、国土地理院地図の具体例を挙げながらお話していきましょう!(・∀・)
※以下のスクリーンショットの場所が実際には可猟区かどうかはわかりません。あくまでも説明しやすい状況の場所を掲載しているだけです、念のため
まず前提として、車からの景色の見え方。
これは車を正面から見た図。運転席にハンターが乗っているのが見えます。
獲物はフロントガラスと運転席・助手席のサイドウィンドウから探すことになります。
フロントガラス越しではそれほどでもなくても、サイドから見る場合、ルーフやウインドウ下のドアパネルが邪魔をして、上部、下部の視界はかなり制限されます。運転席側から見ると助手席側はなおさらです。
なので基本、急峻な斜面は見える範囲が非常に限られてしまいます。
ケース1.谷川沿いの林道
ということを念頭に置いてこの地形図を見てみると、険しい山にはさまれた谷川に沿うようにのびるこの林道はあまり流し猟向けではないと言えるでしょう。
この地形の断面図はおそらくこんな感じになるはずです。
山ならどこにでもあるようなシチュエーションですが…
見える範囲からちょっとでも高いところにいられるともう発見は困難。
この地形をストリートビューで見るとだいたいこんな感じ。
右側は切り立った斜面。左はちょっと見えにくいけど谷川、その先に斜面。
右の斜面の上の方は走行中の車からは非常に確認しづらいですね。左も見えにくいし、仮に獲物がいて仕留められたとしても、回収にはこの川を越える必要があります。川幅や高さ、その他現地の様子によってはかなり難儀するかも。
実際にこの場所で右を向いてみると…
このとおり、かなりの高低差。この上にはシカがいるかもしれないけど、運転席からのぞきこんだところで見える範囲はかなり限定的です。
ケース2.尾根上の林道
馬の背のようになった大尾根の上に敷設された林道もあります。けどこれもあまり流し猟向けとは言えないかもしれません。(´・ω・`)
尾根と言ってもいろいろありますが、よほどなだらかな尾根でないと、車内からはなかなか発見できないイメージがあります。
険しいところの尾根だと道のすぐ脇が落ち込んでいます。車から見えるのは木と空間ばかりで、なかなか地面が見えない。運転席側ならまだかろうじてのぞきこむことができても、助手席側はもう絶望的です。
ケース3.なだらかな等高線に沿って走る林道
こういう林道が理想です。大好物!(^q^)
この画像の右端と左端の方は等高線が詰まっていてわりと険しいけど、真ん中あたりを走る林道を中心に、一帯はかなりなだらか。
この林道の赤●の地点の断面図はおおよそこんな感じになっていることでしょう。
道の脇はなだらかな上り、なだらかな下り。条件次第では車窓からでも100m以上先まで見渡せます。これが理想的。
うちの鹿師匠や猟友などは、こういう地形だとかなり遠くにいるシカでも発見します。指を差してもらって「おった! ほらあれ、あそこ!」と教えてもらっても、運転席と助手席の差もあるんだろうけど、こちらの頭には???が浮かぶばっかり。ということも何度か過去にはありました。
ストリートビューだとこんな具合。道のどちら側もわりとなだらか。けっこう見通し良好。Googleカーはここまでしか入ってなかったので先の様子はわからないけど、もうちょっと走ればここよりさらになだらかになってそうですね。
朝イチとかだとこういうところにもけっこう出てきてるんですよねぇ。目に浮かぶようです。^ ^
ではここでも右の方を向いてみましょう。
ごらんのとおり、けっこう先まで見通せます。目の利く人ならうまくシカを発見できることでしょう!
ただ、日本の山は険しいところが多いので、ベストな林道ばっかり探し求めるのも酷な話。
全線なだらかな林道でしかも可猟区となるとなっっっっかなかないだろうから、理想は理想として、比較的なだらかな林道を、ぐらいの目安で探すのが吉かと。
今年の3月12日にしとめたシカも、それほど有望とは言えない場所を走っている時に目の前を横切ったやつでした。険しい場所にだっていくらでもシカは歩いています。運も大事です。
関連記事:狩りバカ日誌 2018年3月14日(散弾銃・流し猟)
単独猟は運も大事なら、出猟回数も大事。獲りたいと思ったら足繁く猟場に通うことが何より重要かと思います。流し猟であれば、それに加えて長い距離を走る。ということも。チャンスが増えます。
でも、なかなか出猟できないだとか、気がつけば猟場を探して地図を見てしまう。なんて方は、林道が走っている地形を意識しつつ、Googlemapや国土地理院地図を広げて脳内探検されることをおすすめします!(・∀・)
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