格安皮剥ぎナイフを山中でのイノシシ解体で使ってみた。
公開日:
:
猟具・猟装
シシの解体は皮剥ぎが肝要。脂の乗っていない本州のシカ(猟期)であればベリベリっと剥ぐことができるんだけど、シシでそれをやってしまうと脂までが身からはがれてしまって非常にもったいない。
なのでシシ猟をする猟師はほとんどの方がそれ用の「皮剥ぎナイフ」を所有しているはずです。僕も以前シシ猟隊で見習いをやってた頃に一本買いました。
これそのものではないけど、こういう形のやつです。僕のは藤次郎のもの。こいつはドイツの有名刃物メーカー、ゾーリンゲンの皮剥ぎですね。
が、昨年末に山中でザックの中身をぶちまけてしまったことがあり、その際にどうやら回収を忘れてそのまま奉納してしまった模様。orz
なので、1月2日にしとめたシシは皮剥ぎナイフなしで解体しました。一から十までモーラのコンパニオン一本でやり通しましたよ。途中で一度シャープナーに通したけど、最後までやれました。
とはいえ、いかにコンパニオンがオールマイティないいナイフであったとしても、皮剥ぎではやはり専門の皮剥ぎナイフに劣ります。刃の厚みのせいでどうしても角度がついてしまって難しいんですよね。
てなわけで先日、安物ですが一本皮剥ぎナイフを買いなおしました。お値段1000円ちょっと。格安です。
特徴としては以前使ってたやつよりかなり小ぶりです。前は猟隊でやってたので、シシが獲れるとみんなで引き上げて山小屋まで運んで台の上で作業という形でした。とても解体しやすい環境だったのです。
が、今のシシ猟は単独忍び猟メイン。どうしても解体は山中でやらざるを得ません。あまり長いのは持て余しそうだったのでこいつにしました。…ウソです。安かったからです。orz
実際使ってみると、やはりコンパニオンとの差は歴然。安物とはいえ圧倒的に皮剥ぎナイフの方がやりやすい。まぁ当然なんだろうけど、1000円やそこらでこの使い勝手はなかなか。やはり刃が薄いとやりやすい。
刃が厚いと、表面を滑るように動かすことが難しくなります。くさびとか斧みたいに”断ち割る”系統の角度、縦の動きになってしまいやすいのです。薪割り用の斧とかがあれだけ刃厚なのはそういう理由です。
刃が薄いと断ち割る方面の力はあまり働かず、皮と脂の境界ををなぞるように、横の動きを活かすことが容易になります。
ちなみにこちらがコンパニオンで解体したイノシシのバラ肉…
こちらが皮剥ぎナイフで解体した方。
…画像ではよくわかりませんね。脂乗りは個体によってもちがうし、仕方ないね。(´・ω・`)
まぁ、皮剥ぎの方がやりやすかったのは確かです。意外でもなんでもないでしょうけど。
ちなみに、先日の巻き狩りで待ちへ向かっている最中に奉納した先代の皮剥ぎナイフを発見、山の神様から奪還することに成功しました!(・∀・)
また後日、山中で長物の皮剥ぎを使ってみて、短いものとの使い勝手の差なんかを試してみようかと思っています。
関連記事
-
瞬時に止血できる新発明「Vetigel」はハンターの救世主となるか?
僕自身は今のところ幸いにも狩猟中に大量の出血をともなう外傷を負ったことはありません。ちょっと
-
【訃報】超ロングタモ網、殉職・・・。原因は?
猟場の見回り時にヒシをたくさん見かけていたので、ヒシの実の調理、試食の様子を本サイトの方で紹
-
狩猟中のマダニ対策。新成分「イカリジン」はDEETを超えるのか?
もうお盆も過ぎましたが、まだ8月半ば。夏休みまっただなか。これから先も海や山へ子供たちと出か
-
狩猟用簡デジに必要。イヤホンマイクとアンテナのレビュー(KENWOOD)
正月休みの出猟で痛めた背中がいまだ癒えきらず、なかなか大物猟に出れなかったり、出てもすぐ帰っ
-
狩猟用空気銃にはどれぐらいの倍率のスコープを載せるべきか?
こういった狩猟ブログを運営しているといろいろとメールが届くもので、過去には「空気銃用のスコー
-
かさばらない!狩猟用にも使えそうな折りたたみヘルメットはこちら
先日紹介した、目の前で猟友が滑落、亡くなられた方のブログ記事などを読んで、滑落対策はやはり大
-
夜の山中で不足を感じたのでヘッドライトを新調したら助かった話。
昨年12月23日のグループ猟。午後の部での射獲が遅くなり、解体を終えて下山する時には日没を過
-
ハンターの(ほぼ)必需品! 獲物用冷凍庫にキープできる鴨の数は?
ハンター始めて最初のシーズンの獲物はコガモ1カルガモ1ヒヨドリ10とかそんな感じだったので特
-
巻き狩りの待ちは寒いので指先の冷え対策にホットジェルを試してみた
猟期には1月2月という、いわゆる「真冬」の時期が含まれます。 当然、シカ撃ちで入る山な
-
カモ猟の猟場開拓に!Googlemapより一歩先行く国土地理院地図
ハンターにとって地図は大切なもの。ハンターマップを筆頭に、いろんな地図のお世話になりながら、