鹿の姑息煮を作ってみた。

公開日: : ジビエ料理レシピ・鹿

鹿の姑息煮作り方

たとえばきんぴらごぼうなんかは、ごま油の風味がよく利いていておいしい。

∴料理の味は使う油によって左右される。

ということが証明できます。油脂は料理の味を左右する重要なファクターなのです! 証明は無理くりですけどね!

といったことを頭に入れてジビエ料理について考えた場合、このお店で売っている1キロ200円の飛騨牛の脂身(ヘット)は、貧乏ジビエ野郎からすると非常に魅力的な存在。たとえばこれで鹿肉を煮込んだりすれば、脂分の極端に少ない本州の鹿肉も飛騨牛っぽい味になるんじゃないか。

非常に虫のいいことを思いつき、まさかそんな・・・と自問自答しつつも、件の飛騨牛脂が手に入ったものだから試さずにはいられません。

飛騨牛の脂をふんだんに使って鹿の風味をスポイルしてでもおいしく食べたいという一心で思いついた煮込み料理、名付けて鹿の姑息煮、ここに爆誕!

鹿の姑息煮 材料(4~5人前)

  • 鹿肉 400g
  • 飛騨牛脂 100~150g
  • ごぼう 1本
  • しょうが 100円ぶん
  • ◎酒 2.5カップ
  • ◎しょうゆ 大さじ1.5
  • ◎みりん 大さじ2
  • ◎砂糖 大さじ1.5
  • 七味・かつおぶし お好みで

鹿の姑息煮 作り方

鹿の姑息煮作り方

これが自称飛騨牛の牛脂。1キロ200円という破格値。送料込みだと1000円ぐらいになったけど、キロ200円。はたして本当に飛騨牛でしょうかねぇ?

鹿の姑息煮作り方

しかしパッケージにもこう書いてあるので、これは飛騨牛の脂であるという前提で話を進めていきます。ちがっても僕のせいではありません。

鹿の姑息煮作り方

今回の鹿肉も以前使ったのといっしょ、今年の1月31日にしとめた若いオスのモモ肉。あの個体のぶんはこれで終わりかな。

鹿の姑息煮作り方

それではまずほとんどのジビエに最高にマッチする根菜、ごぼうの下処理から。

皮を包丁の背でこそぎ落としたら、ささがきにして水につけておきます。アク抜きです。

鹿の姑息煮作り方

しょうがは食感を楽しめるように粗みじん切りに。千切りでもいいかな。すり下ろすと食感がなくなるのがね・・・。

鹿の姑息煮作り方

◎のだし材料を鍋にあけたらひと煮立ちさせます。

鹿の姑息煮作り方

しばらく沸騰させたら弱火に落とし、まずしょうがを投入して・・・

鹿の姑息煮作り方

次にごぼうをぶち込み、その間に次の手順を進めておきます。

鹿の姑息煮作り方

悩んだのが牛脂をどんな形で投入するか。鹿肉に混ぜ込むのか、それとも具の一部としてある程度の大きさに切るのか、はたまた煮汁の一部になるように細かくしてしまえばいいのか。(´・ω・`)

鹿の姑息煮作り方

いちおう飛騨牛ということだし、モノを見ても溶かしてから固めたようなものではなくしっかりしたブロックなので、考えた末に「具材」として一口大の大きさにそろえて投下することに。こんな感じで。

鹿の姑息煮作り方

そして鍋にIN。これで鹿のあっさり感が改善されることまちがいなし!(・∀・)

鹿の姑息煮作り方

そして例によってフープロにかけてミンチにしておいた鹿肉を合流させ、じっくりことこと煮込みます。煮汁がいい感じになくなるぐらいまで。

ナウいヤングな僕ですが最近どうも歯茎がへたってきて、ジビエ料理にはフードプロセッサの出番が多くなってきています。歯そのものは超頑丈なんですけどねぇ。orz

鹿の姑息煮作り方

ことこと中。

鹿の姑息煮作り方

なんとなくキッチンペーパーで落としぶたをしてみました。しなくてもいいと思うんですが、長時間の煮込み時にはこれをやると味がよく染みこむような気がするので。

鹿の姑息煮作り方

30分ほど火を通したところで味見、ちょうどいい感じだったので完成!

鹿の姑息煮作り方

薬味の七味とかつおぶしをお好みで。やや味は濃いめになったけど、こういうそぼろ煮系は濃いめの味付けが合うのでおk!(・∀・)

鹿の姑息煮 食後の感想

一言でいうと、超ごはんがごはんがすすむくんです! シンプルだけど完成度たけぇ! (^q^)

牛脂とのコラボは僕的にはプラスと出ました。しっかりこってり、猟期に獲った一般的な鹿肉だけでは出せないであろう重厚感! 余裕があればシメジとかまいたけとか追加してもよさそう。

(鹿の旬は初夏で、この時期は本州のシカでも脂が乗っているそうですが、有害でもやってないとなかなか手に入りません)

しかも食前は牛脂に鹿の風味は完全にやられるかなと思ってましたが、実食してみると鹿テイストが後味としてちゃっかり主張してから食道を通り抜けていきます。思っていたよりいいコンビのようです。

考えてみれば鹿カツ(=揚げ物)とかもあるわけだし、アロゼでもバター使うし、牛脂を使うのも別に特別なことじゃないですね。

そこまでしておいしく食べたいのか、姑息な奴め!」という、自分で作り出した檻にとらわれていた!

ちょっと残念なのは、しょうがをもうちょっと入れればよかった(しょうが好きです)点。しょうがは具材。と、牛脂がほぼ煮崩れてしまって具材として残ったのが少なかったこと。そのぶん煮汁は濃厚でしたけどね。。。

次は煮汁の量を調整するか、牛脂を入れるタイミングを遅らせて火を通しすぎないようにします。(´・ω・`)

その点は反省材料ですが、牛脂ブロックを使うこと自体は悪くない考えだったかと。

というわけで、これからも油脂をふんだんに追加する方法を排除することなく、ジビエ鹿のメニューを考えていく所存です。一般的な肉料理なんかも参考にしてみようっと!

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Comment

  1. monndou_n より:

    美味しそうですね。以前、TVで赤身肉に牛脂を混ぜ込むと、ロースになるとやってたので、師匠に鹿肉に牛脂を混ぜ組むと美味しくなるのではと、話をした事があります。
    でも師匠は、鹿は鹿で食べなさいと。でも、どうなるのか気になっていました。
    あまりにも美味しそうなので、肉が手に入ったら混ぜ込んでみて、ステーキで食べてみたいと思います。

    • spinicker より:

      僕もそこがひっかかっていました、実は。鹿肉なんだから鹿の風味が活きる方法で料理すべきじゃないかと。
      しかし考えてみれば、そのへんにこだわりすぎると足かせにしかならないような気がしたので、一度この「禁じ手」ともいうべき調理法を試してみようと思いまして。(^∇^;)ゞ

      結果的にやってみてよかったと思います。おいしかったですし。これからもいろいろやってみる所存です!(・∀・)

  2. ltchughes より:

     なんだかこう、あぶらぎっしゅな感じが。。。おいしいものは、炭水化物と油から出来ている!!

     鹿の旬って、初夏なんですね。知りませんでした。当地でも、猟期に獲る鹿の数より、有害捕獲の数の方が圧倒的に多いです。

     もう11月が待ちきれません!!

    • spinicker より:

      >>あぶらぎっしゅな感じが。。。

      鋭い! ( ̄∇ ̄;)

      実は、レシピでは牛脂は100~150gとしてありますが、この時は200g使っていたのです。
      で、できあがったものを食べてみると、確かに脂ギッシュすぎたので、これぐらいが適量かな、と100~150gにしたわけでして。

      あと3ヶ月ちょっとですねー。3ヶ月を振り返ってみると5月頭なのでちょっと前のような気がしますが、3ヶ月先を見ると気が遠くなるほど長い。
      それだけ楽しみだってことですね!

  3. ザムザ より:

    牛の脂には人を幸せにする成分が含まれていますから(笑)

    自分は心臓の脂が一番好きですが
    過去に勤めていた店ではもれなく全部掃除しちゃってたんで
    よく持って帰って一人ゲヘゲヘ言いながら食べていました。

    よくよく考えてみれば重要器官である心臓についているものですから
    うまいに決まってるんです(ドン)

    なので最近焼き鳥屋さんで『心残り』って商品名で出ているのを発見して
    うんうん納得してたり

    ただ同時に商品価値を見出されてしまった訳ですから
    安価で手に入りにくくなっていくのかなぁと
    嬉しさ半分悲しさ半分ではあります。

    • spinicker より:

      はじめまして!(・∀・)

      心臓の脂というと、ちょっとだけこびりついてるあの黄色いやつでしょうか? 『心残り』なんて名前がつくぐらいだからうまいんでしょうね・・・。今度よく見てみよう。

      なんか妙に幸福感に充ち満ちていると思ったら、牛脂にそんな効能があったとは! でも牛肉は高いのでとりあえずは牛丼食いに行ってきます。(´・ω・`)

    • ザムザ() より:

      おっと すみません

      https://www.boy-meets-meats.com/contents/blog/post-6349/
      こちらで書き込んでいるzamが自分です

      パソコン壊れちゃって代替機なんですが名前の設定をミスった様です

      そうそう
      おかげ様で狩猟免許一種と罠に合格できました

      日頃よりの有益な情報ありがとうございます。

    • spinicker より:

      回線が変わると一から認証しなおしになることがあるので、そういう形になったかと。(^∇^;)ゞ

      合格おめでとうございます! 狩猟道に入道ですね、歓迎します! (゚∀゚)

  4. トキハ より:

    わたしらにしたら、手に入らない鹿肉をいじくって(創意工夫)食べるほど食べ飽きているということなのでしょうね…羨ましい。

    牛脂を使って煮込んだ後、一晩置けば脂が浮いて固まるので、それを除去してから食べれば旨味だけ残って脂の過剰摂取が避けられるのかなと思いました。
    スーパーの精肉コーナーで無料配布している牛脂を少しずつ貯めて(一度に大量は無理だから)使えばいいんじゃないの?って思ったのはわたしがケチだから?w

    銃のお手入れは欠かさないようでも、料理の道具、ガスレンジのお手入れはなかなか進まないようですね。(^_^;)

    • spinicker より:

      鹿肉は人気薄なのでよく引き取って帰ってくるのですが、一人暮らしなものでなかなか減らないのですよ。で、いろいろ工夫しないといけなくなってくるという。( ̄∇ ̄;)

      牛脂の使い方はまだまだ改良の余地がありそう。また作る予定はあるので、あれこれやってみます。

      台所きたないのばれた! 次回までにちょっときれいにしときます。orz

  5. 藤屋 より:

    ヘッ~~。ナイス!当地ではシカ肉は猟期には食しない人が多いので、肉は欲しいと言えば手に入ります。やってみようかナ~。トキハさんの一晩置きなら脂肪肝のジジイにも良いか。

    • spinicker より:

      どんな形でもおいしく食べられないと意味がないと思うのでこういう形にも挑戦してみました。でも実際やってみると、最初思ってたよりは鹿の風味も残っていて、牛脂の味一辺倒という感じでもなかったので意外といえば意外でした。しょうが多め+脂控えめで試しあれ!(・∀・)

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