猪チャーシューを作ってみた。

公開日: : 最終更新日:2016/09/23 ジビエ料理レシピ・猪

猪チャーシュー

諸君、私はラーメンが好きだ。
この地上で饗される、ありとあらゆるラーメンが大好きだ。

これは言いすぎですが、ラーメン好きには違いありません。

そしてそのラーメンとは必ずチャーシュー麺でなくてはなりません。ラーメン=チャーシュー麺。僕にとってラーメンを構成する要素とは「チャーシュー」「スープ」「麺」なのです。

そういった意味では、僕はラーメンと同じぐらいチャーシューを愛しているのだとも言えるのでしょう。

よろしい、ならばチャーシューだ。

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猪チャーシュー 材料(10人前ぐらい)

  • 猪肉ブロック 2kg
  • しょうが 200円分
  • にんにく 5片
  • 玉ねぎ 1個
  • しょうゆ 1カップ?
  • きび砂糖 1/2カップ?
  • みりん 1/4カップ
  • 酒 1/4カップ
  • 水 500cc

猪チャーシュー 作り方

お気づきかとは思いますが、材料のところ、味付けのメインとなるしょうゆときび砂糖。「?」マークがついていますが、その理由が

猪チャーシュー

この巨大な猪もも肉。

ちゃんと小分けにして冷凍すればいいものを、ズボラな僕はそのまま冷凍庫に突っ込んでしまったので、あまりの大きさのために適量がよくわからず、かなりアバウトになってしまったというわけで。実際に作る時は上の数字は参考程度でお願いします。orz

猪チャーシュー

いくらなんでもでかすぎてまともに料理できないので、とりあえずまっぷたつにします。

大きすぎて真空パックができず、上の画像のままの状態で9ヶ月間冷凍していましたが、保存状態は非常によし。プロ猟師(兼業)からの差し入れなので、元々の程度もよかったんだと思います。

再冷凍できればいいんだけど、それやるとかなり悪くなるしなぁ。やっぱり解凍した肉は一度に使ってしまわないと。

猪チャーシュー

シシの脂を身にできるだけ残そうとすると、よくこんなふうに毛の根元(黒いぶつぶつ)が脂にくっついてきます。細かいこと気にしない猟師のジビエ料理なんてこんなもんっすよ。

でもこれ、不思議と食感的には気になったことがありません。ジョリっとかならないのです。火を通すと消えるのか柔らかくなるのか。

チャーシューとは「叉焼」と書くのでおそらく本来は焼くものなのでしょうけど、日本式だと焼き目をつけてから煮るのがスタンダードなようで。

ということで、全周ぐるりと焼き目をつけていきます。たこ糸で縛ると本格的なんでしょうけど、なかったからね、仕方ないね。(´・ω・`)

猪チャーシュー

圧力鍋に肉と味付け要員をぶち込んでいきます。

まずは肉を放り込んで、よく混ぜておいた水・しょうゆ・きび砂糖・みりん・酒を注いだら・・・

猪チャーシュー

残りの薬味系、にんにくと玉ねぎ、しょうがをすき間に詰め込み、圧をかけて煮込んでいきます。ブツがでかいので長期戦覚悟です。

猪チャーシュー

と、ここでちょっとしたハプニングが。急な呼び出しをくらって出かけないといけなくなったのです。

とろ火にしておけば帰ってくるまで大丈夫だろうけど、火にかけたまま目を離すのはやっぱりやめといた方がいいな。仕方ないけど一旦中断するか。(´・_・`)

鍋から上げ、ついでに出っ張ったところを切り落として形を整えておきます。つ、つまみ食いじゃないんだからね!

猪チャーシュー

肉塊とスープにわけて冷蔵庫で保存、ちょっと用事に出てきます。

この状態でも食べれるでしょうが、どうせならもっと煮込んでからにしたいので、明日またじっくり火を入れます。

猪チャーシュー

さて、では昨日の続きをば。

ガラを煮込んだわけじゃないのに、スープはぷるんぷるんの煮こごりになっています! コラーゲンは豚よりは上なんだろうな。

しかしいい匂い。匂いだけならもういっちょまえのチャーシューです。

猪チャーシュー

まだ大きい気がするのでさらに半分に。切断面もいい感じ。(・∀・)

猪チャーシュー

最後にもう少し煮込んで、スープと肉を密に煮絡めることにします。

猪チャーシュー

ほどよい厚さに切り分け、煮崩れた薬味が溶け込んだ甘辛スープをあえて完成!

なんかちょっと洋食っぽいぞ、皿が白いせいか! ジビエっぽくないといえばジビエっぽくない。

猪チャーシュー 食後の感想

うむ! 味はよい!

スープは甘辛い砂糖醤油をベースに、しょうがとにんにくのスパイシーさ、そこへ原型を失うまで徹底的に煮込まれた玉ねぎと猪脂の深みが加わって、ジビエ料理に慣れていない人にも気兼ねなく出せるようなクセのない味に仕上がっています!

・・・が、それだけに残念なのが肉の硬さ。

厳密に言うと、硬いというか、筋繊維が超密集しすぎていて硬く感じる、というのが正しい感じ。

繊維をほぐしていくと、一本一本は圧力鍋の恩恵でやわらかくなっているのに、野山をかけまわっているおかげでギッチギチに詰まっていて水分が染みこむスペースもないので、結果的にパサパサ感が出てしまっている。という印象です。ジビエはこれがなぁ。。。(´・ω・`)

勉強不足で根本的な対処法が現状ではわかりませんが、当面はやはり素人ジビエ料理の鉄則「小さく、細く、薄く切る」を意識していくしかないようです。プロジビエ料理人はこういう硬さ対策がきっちりできてるんだろうな。

でも、そこさえちょっと目をつむれば、味はかなりいい線いってました!

もも肉よりもうちょっと脂のある部位の方がいいような感じがしたので、次は小ぶりに切ったロースかバラでトライして、うまくいったらチャーシュー麺にしようかと思います。大阪の人間なんでうどんも好きなんですけどね! (・∀・)

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Comment

  1. ともぞう より:

    うわぁ,めちゃうまそうですね!!よだれがでそうです.
    うちの猟隊では革はひくので,髭剃り跡はないのですが,
    あっても食感には影響しないのですか.なるほど.
    今度試してみたいと思います.

    • spinicker より:

      皮を引くということは外脂(正式名称かはわかりませんが)もいっしょに、ということですね。硬い外脂は好き嫌い分かれそうだし、時間短縮できればそれもいい手ですね。髭剃り跡も残らないし! ( ̄∇ ̄;)

      あんまり豪快に残ってるとどうかわかりませんけど、ぽちっとしたのがパラパラ残ってる、ぐらいなら食感にも味にも影響しないようです。だからこそその状態で解体するんでしょうね。一度おためしあれ。

  2. 藤屋 より:

    我が家の定番料理です。私は獲った日にタコ糸で巻いてストーブの弱火でコトコト寝るまでやって、翌朝煮こごりと一緒に小分けして冷凍します。パサパサ感は無いですよ。ラーメンは勿論、一品足らない時や、酒の肴に小出しで食べます。年間冷凍庫に有ります。奥の方のドス黒い真空パックは3年前のか?

    • spinicker より:

      こういう話を聞くと、石油ストーブというかだるまストーブというか、ああいったストーブがうらやましくなります。上でとろ火料理できるし、風情があるし。買おうかな、でも石油ファンヒーターが元気だからなぁ。うち狭いから暖房ふたつもいらないし・・・ (´・ω・`)

      僕もいっぱい作って冷凍しておきたいのですが、うまいものはいっぱい作っていっぱい冷凍しても、すぐにいっぱい食べてなくなってしまうのが困りものです。辛抱たまらん。( ´)3(` )

  3. ヒロポン より:

    いろいろやってみて解ったのですが、イノシシの肉は高温+長時間の過熱は肉が固くなるような気がします。
    自分はシェフシャトルと言う保温鍋を使います。
    沸騰した瞬間に保温数時間⇒再沸騰後数時間保温この方法で肉の繊維が固くなりすぎる事が無くなりました。
    保温中は出かけても大丈夫ですが、保温時間が長くがり過ぎると腐敗するので注意して下さい。

    • spinicker より:

      なるほど。僕は時間短縮したいがためにたいていは圧力鍋で煮物してますが、ひょっとするとジビエにはそれが悪さしてるかもしれんのですね。いろいろ試してみます。シャトルシェフも検討してみます。 ・・・安かったら。orz

    • うおっち より:

      家に在るものでで出来る簡単な低温調理器といえば炊飯器の保温機能が定番ですね。
      お肉の表面に焼色を付けて、調味料と一緒にジップロックや真空パックに入れて空気を抜いておく。
      お湯を張った炊飯器に入れて数時間待つと言うのが王道でしょうか。
      イマドキの機種だと、それを意識して保温温度設定もできる機種もありますね。
      でもその間はご飯が炊けないので、やはり低温調理器や保温鍋が良いです。
      個人的にはAnovaが欲しいです!(笑)

    • spinicker より:

      ほほう。今時の炊飯器にはそんな機能があるんですか。

      ・・・しかし残念ながらうちには炊飯器がないのです。米は週に一度、圧力鍋で玄米を7日分炊いて冷凍しておくというスタイルで暮らしています。

      Anovaをググってみたら高くて目玉が飛び出ました。orz

  4. しょうぞう より:

    保温調理器を安く作るなら、鍋が入る大きい発泡スチロールをもらってきて、底に熱い鍋をおいても解けないように、タオルや新聞紙をしっかり敷いて、横や上の隙間は新聞紙やタオル等で、保温すれば、十分に保温調理器として、使えますよ。検索すれば出てきますから、参考にして、作ってみたらどうですか。

    • spinicker より:

      調べてみたらけっこういろいろ方法があるものですね。段ボールと古タオルと古新聞はたくさん用意できるので、あとは発泡スチロールあたりを調達して、簡単で効果の高そうなものを選んで一度トライしてみたいと思います。ありがとうございました! (・∀・)

  5. 北摂の猟師壱号 より:

    一度、西中島南方の「人類皆麺類」に行ってみてください。
    チャーシューの常識が覆ります。

    • spinicker より:

      そういや以前にもそのお店はおすすめしてもらいましたね。しかし残念ながら現状、まだ訪問の機会に恵まれていません。orz

      ということで今ちょっとググってみたら、ストリートビューですら行列ができててわろた。待つのはいくらでも待てるけど並ぶのは苦手、とはいってもこれは一度行ってみたいなぁ。(´・ω・`)

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