大阪でジビエ料理といえばここ。「なんば赤狼」で鹿を食らってきた!

公開日: : 最終更新日:2017/07/10 外食

大阪のジビエ料理店なんば赤狼

我々猟師は日常的に獲物の肉、ジビエを食べているわけですが、前々から気になっていたことがあります。

それは「プロの料理店で出すジビエ料理ってなんぼほどうまいんだろうか?」というところ。

猟師とはいっても、ガチ猟師が闊歩していた数十年前ならともかく、今時のサンデーハンターが肉を食うとなれば、ご家族もあることだろうし、まぁやはりスーパーや肉屋で買ってくる「市販肉」が主力でしょう。

「食べ慣れている+畜産業者の品種改良の賜物」が市販肉とすれば、人間の都合など関係なく、ただ「適者生存の法則にしたがって強くたくましく生き抜いてきた野生肉」であるのがジビエ。

味で比べれば、食感なんかからいってもジビエは分が悪い。あとは安定供給という点でもそうですね。

…というのは「現役猟師が抱くジビエブームへの疑問!ジビエは本当に「おいしい」のか?」で述べたとおり。もう二年以上前に書いたものですが、考えは今でもおおむね変わっていません。状態のいいシシなんかは市販肉と勝負できそうだけど、狩猟ジビエ全体でみると、やはり弱いかな。という気がします。

しかしそれはあくまでも僕のような素人が料理した場合のこと。ジビエ料理店のプロの料理人の手にかかったジビエはどんな味になるんだろうか。

それでも市販肉と対等に戦うのは難しいだろうけど、あるいは―。

といった疑問に立ち向かうべく、大阪のミナミにあるジビエ料理専門店「なんば赤狼」へリサーチに行ってきました!

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なんば赤狼地図

実は赤狼が入居している味園ビル、入り口が駐車場を入れると4ヶ所ぐらいあって初見殺しなんですよねぇ。僕はまちがえて建物の中ほどにあるなんか血の池地獄のできそこないみたいな通路を通った先にあるとんちんかんな施設に出てしまいました。都会こわい。orz

この地図でいうと左の方の赤い矢印のところが正しいルートです。

なんば赤狼地図

こちらのスロープを上がって味園ビルテナント街の2階入ってすぐ左手が赤狼です。

蛇足ですが、味園ビルは全体的に魔窟というか伏魔殿というか、なんか並じゃない感がただよってます。まぁ並以下なんですけどね。台北旅社みたいな雰囲気。

大阪のジビエ料理店なんば赤狼

ようやく店前着。赤いドアが目印です。「鹿肉料理」ののぼりが誇らしげ。

僕が入店する直前まで貸し切りイベントがあったようで、最初は客は僕ひとり。速攻で料理が出てきて得した気分。

難波赤狼 鹿ステーキ

注文したのはこちら。エゾシカのステーキです! 飾りっ気なしのシンプルな盛りつけ。

食べたことないような珍肉もメニューにはあるんだけど、今日の目的からすると、普段から食べているジビエに近いものでないと比較しにくいのでシカを選びました。

コース料理を頼むでもなく、酒を飲むでもなく、単身訪問でシカステーキを単品でオーダー。只者じゃないですね! ではいただきます。どんなもんかな…

………Σ(゚д゚;)

おおっ、これはなかなか。いける!

言われないと何の肉かわからんぐらいシカの癖ゼロ。エゾシカなのである程度脂が乗ってるんだけど、切り方薄めでよく火が通ってるおかげか、シカの脂にありがちなべたつきもなし。

なんば赤狼 シカステーキ

ちょっと店内暗かったので光足りてないけど、しっかり火も通ってます。

味付けはオリーブオイル+ペッパーといったシンプルな感じ。それでいてこれだけまとまってるってことは、味付けうんぬんというより獲物の処理が良かったんだろうな。
自分も猟をやってると、獲る側としての苦労もわかります。(´・ω・`)

ひとつ残念なことに、やはりジビエなりの固さはありました。

肉はモモだったんだけど、歩留まりの関係かサイズを考慮したのか、骨を抜いただけのモモ肉をブロック分けせず、輪切りみたいな形で平らにして見た目一枚のステーキ肉にした感じ。

なのでブロック間の筋膜が残っていて、それがなかなかナイフでも切れず、歯でも噛み切れず。壮健な口内環境がないとちょっと苦労するかも。牛の安いのでもこういうのはありますけどね。

食後、なかなかファンキーな感じの女将さん?とお話することができました。

女将さんは岐阜出身で、幼少の頃からジビエには親しんでいたとのこと。捕獲鳥獣の食用利用と山の保全を促進するべくいろんなイベントにも参加していて、女将さん自身もわな猟の免許を取得したハンターだそうです。

銃の所持も考えてるけど、大阪市内ではなかなか許可が難しい…と参っておられました。でも前例がないわけじゃないので、時間をかけて粘り強く担当官さんと交渉を。と軽くアドバイスして帰ってきました。(・∀・)

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とりあえず、今日だけでジビエ料理店のすべてが評価できるわけじゃないけど、今回のところは「さすがプロ、やりおる! (゚д゚ )」と言えるものは出てきました。やっぱり獲物の処理は大事だなぁ。

ジビエは高いイメージがあるけど、このお店はそれほどでもないので、またそのうちシカ以外も食べに来てみよう。とりあえずラクダ肉とカピバラ肉に興味が…(・∀・)

なんば赤狼(Twitter)

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Comment

  1. 滋賀のくまさん より:

    プロの味、気になりますね(^q^)
    自分の処理の仕方が正しいのか。の判断基準にもなりますし。

    地元では、ジビエ専門店が無いので、なんばに行く機会があれば寄ってみたいと思います。
    CoCo壱の鹿カレーやラーメン屋の鹿唐揚げなど有害捕獲による協力店舗はたまに在るんですが!

    • spinicker より:

      僕は今までプロのジビエを食べたことがなかったので新鮮でした。そしてうまかった!(・∀・)

      でも味付けというよりは素材の良さが勝っていた感があるので、味付けにももっと力を入れたらさらに上を目指せるブツだったと思います。難波にお立ちよりの際は、ぜひ!

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