【朗報?】肉、栽培される。ラボ育ちの食肉は普及するか?

公開日: : 料理

まんが肉

狩猟行為を目の仇にする人の言い分に「動物を殺すのは残酷だ!」というのがあります。

ハンターである自分もその意見には大いに共感するところ。というか、現場に出て自分の手を血で汚してるわけですから、共感というよりは実感です。

ただ、「動物を殺すのは残酷だ!」とのたまっている人も、ランチには焼肉定食をおいしそうにほおばったりしていて、畜産動物だって動物なんだ、という当たり前のことが頭からスコーンと抜け落ちてる人も少なくない模様。

言ってしまえば植物だって動物ではないかもしれないけど「生物」ではあるんだから、厳格なフルータリアンでもない限り、食べるということは大なり小なり残酷な行為であるわけですよ。つまるところは「どこで線引きするか」ですよね。

などと言ってみたところで、やはり「動物を殺す」という行為の残酷さは、その場面に立ち会ってみると理屈抜きに肌で感じるものです。でも殺さないと肉は食べれないしなぁ・・・。

・・・という常識はこれから先、もしかすると動物の命を奪うことなく解決されるかもしれません。動物の細胞をもとにして「肉を栽培する」方法が紹介されています。

【動画】肉を栽培!動物を殺さないため未来では主流に!?

出典元は英デイリーミラー紙ウェブサイトのようですが、それを日本語で要約したものが上記リンクです。

この肉は実験室で栽培されたものであり、殺した動物の一部分ではありません。この「栽培肉」は、動物のタンパク質の細胞に、酸素や糖分・ミネラルなどの栄養素を混合し、ステーキサイズのサンプルにまで育てたものです。栽培には9~21日間ほどかかったということですが、肉を人工的に栽培するというのはこれまでにない画期的な方法だといえます。

グッドフード研究所のディレクターであるブルース・フリードリッヒ氏は、次のように話しています。
「栽培肉は(生産が)持続可能で、従来の食肉よりも少ない温室効果ガスで作ることができ、より安全で、動物を傷つけません」

(中略)

他にも、従来の食肉は、肉1カロリーにつきエサが23カロリー必要なのに対し、栽培肉は肉1カロリーにつきたった3カロリーの消費で済むというメリットもあります。

「メンフィスミート」で検索すると、同様のニュースは去年の10月とか今年の2月にすでに出ていたようですね、気づかなかった。猟期中はあんまりこういう系の情報収集ってしないからなぁ。orz

さて、動画で試食している女性によれば、味は悪くないような感じ。どんなお題目を掲げたところで味が悪いと普及しないだろうから、味の良さは朗報ですねー。 ^ ^

そういや「畑の肉」「大豆肉」なんてのもありましたね。ベジタリアン業界ではどうかなのちょっと疎いのでわからないですが、一般受けはイマイチだったように思います。あれがもし現実の肉を上回る味であれば一般にも普及したはず。味はやはり重要です。

栽培というよりは「培養」の方がより実態に即しているように思いますが、原文だとgrownという単語を使っているので「栽培」にしたのかな。

なんにせよ、この技術が一般的になれば、我々ハンターはまた一つ大義名分を失って、吹きつける逆風はさらにきびしくなるわけですね! ( ̄∇ ̄;)

だからといって僕は狩猟をやめたりしないので、この技術が先に進むことは大いに歓迎です。ええ、味さえよければ(ここはゆずれない)。

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Comment

  1. zam より:

    合成肉や培養肉はべチャっとしているって話が出回って、
    一時期おからとこんにゃくを合わせて作った鶏肉もどきが食感もよく流行りましたが、

    まあぶっちゃけ
    肉の味ってのは魚もですが「何を食って育ったか」ですので、
    野趣にあふれた味とまでは行かずとも、それなりにコストをかけて調整された肉に慣らされた人間の口に、
    果たしてこれらのクオリティーは追いつく事が可能なのか?とは思います。

    で、
    もっと言ってしまうと、子牛やら子羊やら生け造りやら地獄焼きに見られるよう食ってのは
    実のところ罪を味わっている部分が無きにしもあらず。なので、

    食感も見た目も味のバラエティも豊富で完璧な培養肉が出来たところで、
    実際に「〆られたもの」への需要はそんなに変わらないのでは無かろうか?
    みたいな。

    人間の業というものの深さがどれほどのものかは解りませんが(笑)

    経済動物と僕らの明日はどっちだ!

    • spinicker より:

      「畑の肉」が出始めたころ、うちの母親がよく使ってましたがいつのまにか食卓にのぼらなくなりました。食感も味も肉にはほど遠かったですからねw

      >食感も見た目も味のバラエティも豊富で完璧な培養肉が出来たところで、
      >実際に「〆られたもの」への需要はそんなに変わらないのでは無かろうか?

      従来肉と同レベルの培養肉が開発されて消費者がどちらかを選択できるものと仮定すればの話ですが、結局は「価格の安い方」が売れるんだろうなと思います。
      そうでない人もいるでしょうが、ほとんどの人間・・・というよりほとんどの生物は、他の生物の受難がどうこうより己の都合の方を優先させるものです。かくいう僕もそうです。(´・ω・`)

  2. monndou_n より:

    私の住んでる土地柄からか、よくトラックに乗せられた牛を目撃します。先日は、工場の前に処理された状態で吊られているのを目撃しました。(鹿の何倍もの大きさがあって、脂身が凄かったです。)
    工場で肉だけ作られるようになれば、酪農家や、処理に関わる人の仕事がなくなってしまいそうですね。
    鹿を自分で解体してからは、食べ物に関する考え方が変わりました。肉や野菜にしても、すべての命をいただくという事。出されたものは、残さず食べるように心がけています。(そんな事をするから、デブになるのですが。)
    人工肉が出来れば、この考え方も大分違うものになってしまう気がします。

    • spinicker より:

      それはなかなかワイルドな土地柄ですね。でも処理済みの牛がぶらさがってたら僕なら興味津々で見入ってしまう自信があります。どうなってんのかなー、って。( ̄∇ ̄;)

      培養肉はもし実用化されたとしても日本でそのまますんなり導入されるかといえば難しそうですね。ご指摘の通り食肉業界が黙ってないでしょう。

      >出されたものは、残さず食べるように心がけています。(そんな事をするから、デブになるのですが。)

      ( ´∀`)人(´∀` )
      僕も食べ物を捨てるのがイヤなので、実家にいたころは父親がバカスカ食べ残すのを処理する係でした。そうでもしないと食べ物をポイポイ捨てやがるのです。おかげでたっぷり皮下脂肪をたくわえさせてもらいました。( ´)3(` )

  3. ltchughes より:

    植物が動物と同じ生命体であること、激しく同意します。動物を殺すことに異議を唱えるベジタリアンは、屁理屈をこねているだけですね。

    フルータリアンという言葉は、初めて聞きました。でもフルーツを食べるって、赤子を食べることですよね?雌牛は食べちゃダメだけど、その胎児を摘出して食べるのはおKという論理かと。

    先日、子供たちのために高価な豚肉を買って、トンカツ作りました。肉を叩いている時から「甘い匂い」を感じ、食べてみても、「いつものと違う!!」。

    作られた肉がその域に達するのは、ずいぶん先のことになりそうですね。

    • spinicker より:

      それでもベジタリアンな人たちの言うことも心情的には理解できるので、こちらも声を大にしては反論しにくいのですね。小~中ぐらいでは反論してますけど。

      フルータリアンとまでなると、彼らの理論では「木からもいだ果物を食べてもその木は殺さないのでおk」ということらしいです。そこまで徹底できるのはすごいなとも思いますが、そこまで考えている人たちは「移動時(車両の運転を含む)に虫を踏みつぶすこと」や「自分の白血球がウイルスを殺すこと」なんかについてはどう折り合いをつけてるんでしょう。それは問題ないのかな。(´・ω・`)

      こういうのはどの考え方がどういう理由で正しいのか、結局は自分の感性が納得できる形に最も近いものを選択することになるわけで、たしかにちょっと宗教と似てますね。

  4. zam より:

    「畑の肉」ありました。
    あれは・・・どうやっても大豆加工品ですね(笑)
     
    おからこんにゃくに限らずレンコンを用いた精進料理でもあるんですが、
    繊維をゼラチンやら粘性のある固形物で固めると食感は肉になります。
    勿論材料の対比や味つけで再現される肉の種類は変わるんですけども、
    そこまで手間をかけるなら普通に肉を買うほうが早いって言う落ちです。
    (まあ戒律がかかわってくるものなので努力やコストとは別のベクトルですが)

    完全に技術が確立されて安全性の保証がつくなら培養肉も出回る可能性はありますね。
    その場合も産地や工場によってブランド化されたりしてどんどんコストが嵩んでいきそうです(‘A`)

    殺生の善悪というかまあ置き去りにされがちなんですけど。
    培養された肉しかり果物もしかりですが、
    これらの細胞は生命と見なさないのが前提なんでしょうね。

    刀を鳥に加えて、鳥の血に悲しめども、魚に加えて魚の血に悲しまず、
    声あるものは幸福也
    なんて言葉がありますけど。
    結局殺しているのは変わらないが苦しんでいる所をみたくないというエゴというか。

    いやはや奪った命に対して申し訳の立つような生き方はせねばならないとかいった感傷も含めて、
    殺される側にしちゃ捕食者が勝手に線引きしたところでどうだっていいって話ですし。
    食われる事が名誉だとされ食物(ヒロイン)へ過剰な処理を施す「ミノタウルスの皿」みたいな世界はホラーですけれど、
    ある意味で、捕食者同士の価値観の押し付けをこれほど見事に描いた話も無いなあと思ったり。

    • spinicker より:

      >殺される側にしちゃ捕食者が勝手に線引きしたところでどうだっていいって話ですし。

      これはいつも考えます。なのであくまでも個人的にはですが、「食い供養」というのもなんかピンときません。獲物からすれば食われようが食われまいがあんまり関係ないだろうと。葬式というか供養が生きている者のためにある、というのは人間でも動物でも同じだということですね。(´・ω・`)

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