気持ちを新たに昨年度の狩猟事故を振り返る。狩猟事故2014

公開日: : 狩猟ヒヤリハット・事故

オペ

明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。m(_ _)m

年が明けてから年末の狩り合宿のことを2本書いてはいるのですが、あれは去年のできごとということで。ブログ的には今日からが新年という感じがします。(^∇^;)ゞ

ということで、新年一発目?として、気持ちを新たに昨年度の狩猟事故の紹介から。ソースは日猟会報41号。ハンター予備軍の方は参考にしてください。ハンターの方は手元の日猟会報をどうぞ!

狩猟中の自損事故

銃器による自損死亡事故

銃自損死亡2014

これは記憶に新しいところ。確かテレビのニュースにもなったような? なんか銃の自損死亡事故ってライフルがらみが多いような気がします。気のせいかな。

銃器による自損傷害事故

銃自損傷害2014

なるほど、はっはっは。知らんがな。(´・ω・`)

でも下二つの暴発関連は身につまされるところ。山歩き中にバランス崩して転倒ってのは1シーズンに何度かはあります。「薬室に入れておかない」は大切。

・・・そういえば、上下やオートで狩猟してる人はどうやってるんだろう。M870みたいに簡単に弾倉→薬室の操作ができるのかな?

銃器外の自損死亡事故

銃外自損死亡2014

2014年度については水が絡んだ自損死亡事故が多かったようです。

赤で囲んでいるのが正味の溺死。カモの回収もありますね。気持ちは痛いほどわかる。もうちょっとなのに届かないとか、泳いででも取りに行きたくなります。でも特殊な訓練でも受けていないかぎり、着衣での寒中水泳は避けるべきです!

寒い日に指先がかじかんで動かなくなるように、不慣れな者が着衣で寒中水泳をすると「全身がかじかんで動かなくなる」と聞いたことがあります。こうなると泳ぎがうまいとかヘタとか関係ない。カモも大事ですが人命はもっと大事です!

溺死以外にも、水が悪さしたんじゃないかというようなものがちらほら。堰堤の水がかかるとこなんか苔でズルズルですからね。

狩猟中の他損事故

銃器による他損死亡事故

銃器他損死亡2014

気持ちがあまりにも前のめりすぎると周囲が見えなくなってしまうもの。人のことは言えないですけどね僕も。崖崩れで車幅一台分しかない、今にも崩れそうな林道を無理くり通った前科があります。m(_ _)m

確かに、山奥で大物猟をやっていると、オレンジ色が見えたら「人がいる」とハンターならすぐ認識します。

が、ハンターオレンジの服を着ていない、茶色っぽい服装の人が薄暗い森でゴソゴソしていたら? と想像すると・・・こわいなこれは。他人事ではありません。

銃器による他損傷害事故

銃器他損傷害2014

ちがいは被害者が命を落としたかケガでおさまったかだけで、こちらも発生のメカニズムは上と同じですね。

20年、30年、それ以上の経験があってもやってしまうというところを頭に入れておいた方がよさそう。長いキャリアが有益なものだけを生み出すとは限らないわけです。ガチガチの固定観念なんかも副産物として発生してしまうらしい。

獲物の反撃による事故

獲物反撃2014-1
獲物反撃2014-2
獲物反撃2014-3

反撃事故は相変わらずクマとイノシシで8割以上を占めている印象。シシは全国的に、クマも東日本ではどうも生息数を増やしているような具合。

増えているといえば、この中でも二件ほど報告のあるカモシカ。僕も何度か猟場で見たことがあります。他のハンターからも同じような報告があり、少なくとも紀伊半島ではカモシカは増えてきているようです。

あと、気をつけないといけないのが実際に何度か聞いたこともある「シシのタヌキ寝入り」。シシは何かの拍子で気絶することがままあるんだそうです。銃弾が命中しなくても近くをかすめた、とかでも。

上方の古典落語「池田の猪買い」という演目でも気絶したイノシシが目を覚まして走って逃げる、というシーンがあるので、案外昔から知られていることかもしれません。で、ひっくり返ったのでしとめたと思い近づいてみると復活、反撃をくらう、といった次第。

おそろしい事例も載ってますね。治るケガなら辛抱できるし指をかまれるのは仕方ないけどちぎってくれるなと言いたい。ちぎられると治らん。向こうも必死ですね。orz

新たな年を迎え、猟期も折り返しを過ぎました。残りの猟期を安全に、有意義に、楽しく過ごしましょう! (・∀・)

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Comment

  1. ltchughes より:

     あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

     「20、30年以上の経験があってもやってしまう」と言うより、むしろ経験があるからこそ、やってしまうのでしょうね。
     管理不十分、違反も車の運転と同じで、ちょっとやってみたら問題なかった、さらにやってみても大丈夫だった、、、と、偶然にも問題ない状態が続いてしまうと、それを大丈夫だと勘違いして常習化し、事故につながったりします。どんな年代も気を引き締める必要がありますね。

     上下の中折れですが、折った状態で実包を入れてました。獲物発見で先台を上げ、装填完了と。

     転んだり落としたりしたときにまっすぐになって、衝撃で暴発する可能性もあるんだろうなぁと、見ていてハラハラしました。

    • spinicker より:

      今年もよろしくお願いします。m(_ _)m

      慣れというのはおそろしいもので、僕も自分だけの単独猟の時はちょっと扱いがぞんざいになってきてるように思います。これがいかん。脱砲を忘れたまま歩いてるのに気づいたりしたら自分で自分を殴ることにしています。(♯´・ω×`)

  2. monndou_n より:

    会社では、安全に対してとてもうるさくなって来ています。歩いていて、目にゴミが入ったぐらいでも、報告書ものです。おかげで、現場では常時保護メガネ着用となってしまいましたが…。
    この世界に入ってからの印象なのですが、とても危険な物(猟銃やナイフ)を扱っているのに、扱いが雑だなと。(ここに書き込まれている皆さんはそんな事は無いと思いますが。)
    射撃場で見学させてもらった時に、一瞬でしたが、弾を込めた状態で銃口をこちらに向けられた事がありました。(銃は折った状態でしたが…。)あの感覚は、今でも忘れる事は出来ません。
    生意気を言いますが、講習会では事故事例だけで無く、事故を起こさない為のトレーニングなんかも行った方がいいような気がします。

    • spinicker より:

      たしかにぞんざいに扱ってる人もいますね。(x_x)

      でも目に余る人にはいちおう声をかけますし、それでも直らない人は次第に鼻つまみ者になって共猟にも呼ばれなくなります。

      そういや自動銃を機関開放すらせずに肩に担いで歩いてた人はいつのまにか姿を見なくなりました。こういうのも昔ながらの猟師というか、ハンター歴の長い人に多いようです。もう直らないんだろうなぁ。(-_-)

  3. 貝柱 より:

    二連銃は開き脱砲した状態で、腕で小脇に抱えるような感じで持って移動してます。獲物を見つけたら腰の弾差しから弾をとり装填します。2発なので、慣れればそんなに手間取りませんよ。実際最初から弾を装填した状態でもいいのでしょうが、以前転んだときに着地した銃が勝手に閉じて撃鉄が落ちたということがあったので、なるべくしないようにしてます。

    • spinicker より:

      僕も最初はスポーティング銃(交換チョーク式の上下二連銃)も候補でした。しゃくりもいいけど、上下のシンプルな魅力も気になってまして。これから始めようという方は、ちょっと高価なことが多いけど、オールマイティさ重視でスポーティングもいいかもしれないですよ!

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