狩猟やジビエを通じて、人生の血肉を得たり得なかったりするwebサイト。貧乏がなんだ!
うまい鴨鍋が食べたい。
これが僕のハンターとしての原点です。実はハンターになってから鴨鍋は何度か作ってみましたが、満足のいく味ではなかったのでレシピにはしなかったのです。今回、これはうめぇ! というのができたので、やっと掲載できます。水炊き風+ポン酢は合わなかった、これが(少なくとも今の僕にとっては)ベスト鴨鍋だ!
材料(2~3人前)
今回料理した獲物、カルガモのメス。大型カモ(マガモ・カルガモ)はとてもタフです。ボディショットではなかなか仕留められないので、このように頭か首かを狙います。当たれば即死でゲット、外れりゃ無傷でロスト。半矢にすることがまずないのでいつもこのやり方です。
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回収した時点で重かったので期待していましたが、やはり! よく太っています。脂の乗っているカモには、このように皮膚が黄色っぽく見えるものがいます。その下の脂肪が山吹色をしているのでそう見えるのです。寒さがきびしくなってくると黄色いのが増えるような気がしますが、詳細は不明。雌雄の差かな?? それか老若?? てか、たまたま??
むね肉片側分。これにももと手羽元からそぎ取った肉を加えて一人前とします。超うまそう! 鴨のむね肉は鴨ロースとか言われてますね。もも肉の方が値段が高い鶏とは逆です。
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では調理に入ります。
だし材料を土鍋に入れ、中~弱火にかけます。こんぶは沸騰直前に取り出さないと、ぬめり物質が溶け出て、せっかくの鴨鍋がぬるぬるになってしまいます・・・。※水量はガラを煮出す時間によって増減してください。煮出したあとのだし汁は400ccぐらいが目安です。
だし調味料を入れてひと煮立ちさせたら、ごぼう、にんじん、まいたけ、ねぎ、白菜(軸)の順に入れていきます。鴨はまだです! 鴨にもジビエ全般にも言えることですが、あまり熱が通りすぎると身が固くなってしまうのです。
お待たせしました。ここで鴨ロース、入れちゃってください! いぇあ!
ついでに白菜(葉)も投入し、ふたをして2~3分がまんします。永遠とも思えるような3分間です。は、早く食いてぇ!
"―ぱかっ ふわっ―"
でけたああああああ!!! うまそう!!!
え、見た目が悪い? んなもん食ってしまえばいっしょだっ! 七味、七味はどこだ!
うちの土鍋は小さいので、ここまでに使った材料は一人前です。あともう半分、これだけ材料が残っています。明日も食べようっと!
前日にとっておいただしで煮ました。昨日作った材料ぶんのエキスが加わっておいしさがさらにパワーアップしてます! 超うめぇ!
〆はやっぱりそばですね! ・・・が、そばがなかったので中華そばで代用しました。鴨ラーメンです。見た目はこの通り最悪、でも味は最高でした!
-食後の感想-
食後のなんという幸福感! ハンターになってよかったと思ったことは何度となくありましたが、今回ほど強く思ったことはなかったかもしれません。余は満足です。ふぅ、満腹満腹。
ヒヨドリのガーリックバター醤油焼きのところで「鳥ジビエでトップクラスにうめぇ」と表現しました。それはまちがってはないですが、やっぱり「トップ」となるとこれ、鴨鍋ですかね。どうやったって鴨特有のクセが0にはならないジビエのカルガモは、あっさりした水炊き風では微妙な感じになってしまいましたが、めんつゆを使った濃いめのだしはベストマッチ。だしごと食べると相性抜群! 鴨も野菜も麺もだしもすべてがうまい、まずいものは何もない! (・∀・)
はっきり言って、味のスマートさ、クセのなさでいえばヒヨの方が上だと思います。ジビエとしてのカルガモ、マガモはどこか土臭いというか、特有のクセは感じます。が、そのクセがごぼう、ねぎ、まいたけといった山の幸&だし汁と合わさったときのうま味であるとか、がっつり食える一羽当たりの肉量とか、そういったところも含めて考えると、やはり鴨という鳥はハンターにとって特別な存在なんじゃないかと思います。
二日目の鍋&ラーメンは晩酌のあてとして作ったのですが、完食するまでに芋焼酎のロックが3合、肝臓に消えていきました。うまいつまみは酒が進みます。ついでにメタボも進みます。大人でよかった、ハンターでよかった! ありがとうカルガモ! ごちそうさまでした!