狩猟やジビエを通じて、人生の血肉を得たり得なかったりするwebサイト。貧乏がなんだ!
こないだのキジしゃぶがごまだれ感が強すぎて残念な感じになったので、再度キジのむね肉で何かを作りたくなりました。今回は味付けをもうちょっと考えよう。
・・・よし、ここまでキジは洋食っぽいのは作ってないな。シンプルにバターでステーキにしようか。ガーリックの風味をつけたバターでジャッと焼いて、レモン垂らして。んん、字面だけでうまそうだ! ^ ^
材料(1~2人前)
カモなら末端(手羽先、足の膝から先、首の中ほどから先)のみ外した状態で熟成させるのですが、キジは獲った当日に刺身用のササミを切り出すので必然的に精肉した状態で熟成させることになり、難易度が少し高くなります。よって今回はとりあえず5日だけ熟成させました。ドリップはこまめに取り除いていたので、状態は悪くはないです。というか、いい感じです! ^ ^
たっぷりのバターをフライパンで熱し、これまたたっぷりのガーリックを輪切りにして炒めていきます。バターとガーリックの香りが立ってきたらキジむね肉を投入します!
たくさんのガーリックに囲まれたバターの中で、キジのむね肉がいい匂いをあげています。こいつは僕が仕留めて、解体して、精肉して、食べれる状態にしたんだよなぁ・・・。今さらながら、なんか感慨深い。
強火で裏表に焼き色をつけたら、火を落としてふたをします。
けっこう厚みがある上に5日前のものなので、今回は中にまでじっくり火を通すためにふたをしてフライパン内部の温度を高めています。次に仕留めたらその日のうちに同じようにステーキにして、中はレアぐらいで食べてみたいなぁ。それもうまいだろうなぁ。よしやろう。
表面がきつね色、よりもうちょっと濃くなった段階で火を止め、完成! ガーリックをカリカリにしてある点がポイントです。肉だけだと食感が一本調子になりますからね、ガーリックのカリカリ感をアクセントにします。
では付け合わせ野菜といっしょに皿に盛りつけたら、レモンを搾っていただきます。うまそう!
-食後の感想-
いけます、うまいっす! 今度はアスタリスクもエクスキューズもなし! 掛け値なしの評価です!
実はむね肉のはしっこの方に皮がちょっと残ってくっついていたのですが、この皮の香ばしいこと! キジの皮は薄くて破れやすく、これを残すように羽根をむしるのは手間だということで皮は捨ててしまうハンターもいますが、もったいない! いい風味が詰まってます!
ガーリックバターもキジ皮の香ばしさを倍増させています。皮は香ばしい、かりかりガーリックも香ばしい、焦がしバターはもひとつ香ばしい! そこへさらにレモン果汁を搾ったことによって、味覚だけでなく嗅覚でも素晴らしさを認識できるジビエ料理に仕上がっています。食べ終わった皿をシンクへ持っていき、戻ってきたときに部屋いっぱいに香るレモンバターの芳香にちょっと感動すら覚えましたね、僕は。柑橘系の香りってなんか元気出ます! (・∀・)!
味覚のみのことで言えばそのへんで売ってる鶏肉と大差ないんでしょうが、このキジを獲ってきて食べれる状態にするまでの記憶や苦労なんかの過程が感動につながるのです。スーパーの鶏肉を買ってきて調理して食べても、この感慨は得られません。これはハンターが、命を奪った者だけが到達できる境地なのです、良くも悪くも。
次もし仕留めたら、今度は獲った当日にアロゼにして、ミディアムレアぐらいでいただいてみたいと思います。うっは、夢がひろがりんぐ! ^ ^