狩猟シーズンオフの体力維持に登山! その5.大峰山山上ヶ岳(世界遺産)

公開日: : 最終更新日:2016/09/21 奈良県の山歩き

新緑の色も次第に濃くなり、山登りシーズンまっさかり。来るべき猟期に向けての足腰鍛錬のためにまたぼちぼち山行きを再開していきましょう。

今回は世界遺産でもある修験道の聖地・大峰山の山上ヶ岳へ行ってきました。

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山上ヶ岳登山ルート

今回のルートは『清浄大橋→一本松茶屋→洞辻茶屋→陀羅尼助茶屋→大峰山寺→レンゲ辻→山上辻→稲村小屋→稲村ヶ岳→稲村小屋→山上辻→レンゲ辻→レンゲ坂谷→清浄大橋』となりました。
(使用地図アプリ:山と高原地図iphone版)

山上ヶ岳

スタートはここ、清浄大橋。この時点で朝6時前。ちょっと早起きしすぎた。orz

山上ヶ岳登山ルート

山上ヶ岳は修験道の聖地ということで女人禁制となっています。どんなに仲むつまじいカップルでも夫婦でも(※1)手に手を取って進むわけにはいかないのですwwざまあwww

・・・・・むなしくなってきたので先に進むことにします。orz

※1 男×男のカップルの場合はこの限りではありません。( ・ω・)

登山のおともパインあめ

今回のあめちゃんはパインあめ。この世で一番おいしいあめちゃんです。

山上ヶ岳登山ルート

洞辻茶屋の手前あたりまでは大体こんな感じの登山道。歩きやすくわかりやすく、迷う心配はないでしょう。

山上ヶ岳登山ルート

何やら建物が見えてきました。

山上ヶ岳登山ルート
山上ヶ岳登山ルート

一本松茶屋に到着。

茶屋とはいっても無人で、何かが販売されているわけではありませんでした。時間が早かったからかな。

山上ヶ岳登山ルート

登山道はこの建物の中を通るようになっているので、素通りして先へ向かいます。

山上ヶ岳登山ルート

「お助け水」と呼ばれる水場です。ここでたらふく飲んでいきました。

山上ヶ岳登山ルート

この小さな泉の水をひしゃくですくって飲みます。潔癖症の人にはちょっとアレかもしれませんね見た目は。僕は気にしませんけど。(・∀・)

山上ヶ岳登山ルート

修験道の聖地だけあって、この日山上ヶ岳までの登山道ですれ違った人は8割ぐらいがこういった山伏姿の行者さん。普通の登山客みたいな服装の人の方が圧倒的に少なかったです。

そして、普通の山では登山客どうし「おはようございます」「こんにちは」などと挨拶しますが、ここでは代わりに「ようお参り」という挨拶をします。標準語にすると「よくお参りになられましたね」といったところ。

山上ヶ岳登山ルート

深山と山伏。画になります。たまに法螺貝の音もどこかから聞こえてきて、なんか時代劇の世界にタイムスリップしたような気分になります。

山上ヶ岳登山ルート
山上ヶ岳登山ルート

どんどん標高も上がり、洞辻茶屋の手前あたりになってくると植生が変わるのか、杉が減って見通しがよくなってきました。

山上ヶ岳登山ルート

洞辻茶屋到着。ここも建物の中を通り抜けて先に進むことになります。

一本松茶屋は無人でしたが、ここにはお店の人がいて、飲食物が販売されていました。入り口には「携帯の電波入ります(au、docomo)」といった張り紙もありました。SNSの更新なんかもできますね!

山上ヶ岳登山ルート
山上ヶ岳登山ルート

洞辻茶屋からちょっと登ったところにあるのが陀羅尼助茶屋。ここも有人で物品の販売があるような感じでした。

山上ヶ岳登山ルート

山と高原地図には載ってませんが、陀羅尼助茶屋を出たところで登山道は二つに分かれています。左が「古来よりの行者道」で、右が「平成新道」とあります。

僕が注目したのは平成新道の「階段多し 足にくる」という説明書き。足にくるのはいやなので左ルートにしました。orz

ここまでは登山とはいってもルート的には非常に楽で、はっきりいって金剛山のファミリーコース並みのイージーさでしたが、ここからはやや険しくなってきます(といってもそう大層なものでもありませんが)。

山上ヶ岳登山ルート

最初の関門、油こぼしの急坂。坂というより岩を登ることになります。

晴れの日の登りで両手をフリーにできるのであれば鎖は必要ないでしょうが、雨の日や下りには鎖があったほうがいいかな、という感じ。そう気にしなくてもいいかと。

山上ヶ岳登山ルート

行場の一つ、鐘掛岩。この岩肌をてっぺんまで登ることができます。

山上ヶ岳登山ルート

ちょっとしたロッククライミングを楽しんでてっぺんまで登ると、このような景色。山に来た、という実感がわきます。(・∀・)

山上ヶ岳登山ルート

鐘掛岩をあとにしてさらに登ります。

と、遠くに見える宿坊らしき建物。山頂、大峰山寺はもうすぐです!

山上ヶ岳登山ルート

その前に素通りできないポイントがあります。いわゆる「西の覗き」といわれる行場。幾千尋ともしれない断崖絶壁から身を乗り出して誓いごとをするという荒行のための場所です!

山上ヶ岳登山ルート

早朝で誰もいなかったので、崖の近くまで寄ってみましたが・・・

ひえええ! 無理、これ以上は絶対むり! もちろん柵なんかどこにもありません。吸い込まれる感じがする!←高所恐怖症

山上ヶ岳登山ルート

画像はhttp://kajiyamura.jp/shinpenzatsuwa/ohminesan-06-2.htmlより

実際はこういうことをするんだそうです。はっはっは。死んでまうわ。orz

山上ヶ岳登山ルート

実際に行をしたわけでもないのにギャフンと言わされ、這々の体で登山に復帰すると、宿坊の案内板が目に入りました。

このあたりで軽く道が枝分かれしていて、まっすぐ方向へも行くことができましたが、とりあえず看板の案内どおりに左折してみました。

山上ヶ岳登山ルート

宿坊の脇を通り過ぎて道なりに進むと、参道に出ました。その先の山門には「大峰山寺」の文字が! 大峰山寺キタ━━(゚∀゚)━━!

山上ヶ岳登山ルート

山奥のお寺ということで造りは豪華というわけではなく、この本堂と、

山上ヶ岳登山ルート

その向かいにある、物置というか展示所というか、そういった建物だけ。あとは小さな社務所ぐらい。

山上ヶ岳登山ルート

この展示所にかかっていた絵馬の彫刻がすげぇ! ( ;゚Д゚)

なんで寺に絵馬かとも思ったのですが、昔は神仏習合で寺も神社もごっちゃになってたような時代があったとかなかったとか歴史の授業で聞いた記憶があるので、その影響なのかと勝手に思ったり。

山上ヶ岳登山ルート

昔は「講」という、遠出をして神社仏閣へ参拝するために結成された地域ごとの互助団体があったのですが、その講が参拝の記念に奉納した額が絵馬の対面に展示されてました。堺の井筒講、同じく堺の鳥毛講。

日付けは嘉永五年壬子三月吉辰。西暦になおすと1852年。この翌年にペリーが黒船を引き連れて浦賀へ来港したわけです。歴史を感じます。(;・`д・´)

山上ヶ岳登山ルート

僕が普段からよく聞いている上方古典落語の世界がこういった時代なんだなぁ。

メンバーは加賀屋半兵衛、住吉屋喜兵衛・・・。屋号がついてるってことは農村の講じゃなかったのかな?

山上ヶ岳登山ルート

山頂は大峰山寺から歩いて50mほどのところ。山上ヶ岳は日本百名山だったのか、知らんかった!

山上ヶ岳登山ルート

あたりは見渡すかぎり笹の海! シカが見たら泣いて喜ぶだろうなぁ。なぜ大峰~大台の山にシカが多いかわかる気がする。(-_-)

なんでこれを「お花畑」と呼ぶのかは疑問ですが、笹の花は数十年に一度咲くらしいし、その年には本当に一面の花畑になるのかな。

山上ヶ岳登山ルート
山上ヶ岳登山ルート

山頂で弁当を食って下山しようと思ったのですが、この時点でまだ朝8時半。昼メシって時間でなければ帰る時間でもない。

というわけでお隣の稲村ヶ岳に向かうことにしました。初の縦走、プチ縦走です。

山上ヶ岳登山ルート

まずはレンゲ辻を目指します。道はこんな感じ。やはり笹の中を走る細い道。

山上ヶ岳登山ルート

笹が生い茂っていて足元に何かがあっても発見しにくいので注意が必要。あとは勾配のきついところがちらほらありますが、難路というほどでもないです。

山上ヶ岳登山ルート

こんな感じのやや厳しいところが2つか3つある以外は景色もよくていい感じです。

しかしいつも思うんだけど、どうやってこんな場所にこんな鉄の階段を設置したんだろう。こんな重いものをどこからどうやって運んだんだ???

山上ヶ岳登山ルート

レンゲ辻着。ここにも女人結界があります。

山上ヶ岳側から見てここから向こうは女人OK。むさくるしい男の世界とはここでおさらば! 山ガール見て目の保養をしよう!(・∀・)

稲村ヶ岳登山ルート

レンゲ辻から稲村ヶ岳までの道はさっきみたいな笹道か、そうでなくばこんな感じ。稲村ヶ岳近辺以外は登りも下りもあまりないので歩きやすいですが、それゆえに油断しがち。ここで一度足を踏み外して落ちかけました。orz

シカを追ってる時にも一度ありましたが、登りや下りでは気を張っているのですが、等高線に沿った歩きやすいところを歩いてる時に滑落したり。好事魔多し。

稲村ヶ岳登山ルート
稲村ヶ岳登山ルート

ちなみに山と高原地図では赤丸のところに水場があることになっていますが、実際にはありません。この水場を当てにして歩いていたので往生しました。(´;ω;`)

かわりに、その近く、地図でいうと中央の人間マークのところに、小さな沢があってここでなんとか水分補給できました。水場になっていない場所に水場があるのはいいけど、あることになってる場所にないのは非常に困る。(-_-)

稲村ヶ岳登山ルート

稲村小屋に到着。ちなみにここでは食料等も販売されています。ブナの恵み天然水とかいう名前の水が500ml50円。非常に良心的です。その代わりアクエリアスは500mlで500円でした。orz

猪の角煮

以前に作った猪の角煮を弁当として持ってきました。環境保護の観点から、この先での食事は禁止となっているので、小屋前の広場で食べていきます。甘辛い角煮が疲れた体を癒してくれました。

稲村ヶ岳登山ルート
稲村ヶ岳登山ルート

稲村小屋から稲村ヶ岳までは15分ほど。勾配はきつくなってきますが、それ以外は厳しいところはありません。頂上は展望台がひとつあるだけで質素なものです。

山上ヶ岳登山ルート
山上ヶ岳登山ルート

レンゲ辻まで戻り、レンゲ坂谷から下山します。

このレンゲ坂谷がちょっと曲者。ガレガレのゴロゴロで勾配もところどころきついので非常にスリッピーな場所があります。3度ほど尻もちをつきました。(´;ω;`)

山上ヶ岳登山ルート

そんな場所ではどうしても足元に注意しながら歩くことになるのですが、ゴロタ石が多く人の踏んだ道がわかりにくく、いつのまにやら登山道をはずれていることが何度かありました。

登山道を示すビニールテープが近くの木に巻かれているので、目印にして歩きましょう。下を見ていると見のがしてしまいやすいです。

山上ヶ岳登山ルート

なんとか無事に下りて来れました。

山上ヶ岳登山ルート

山の緑はますます勢いさかん。緑一色です。

山上ヶ岳登山ルート

スタート地点の清浄大橋たもとへ戻ってきました。お疲れさまでした。

山上ヶ岳登山ルート
  1. 陀羅尼助茶屋~大峰山寺:道はやや厳しくなってきますが、いろいろなアトラクション?があって楽しい。
  2. 大峰山寺~レンゲ辻:やや勾配が急。景観よし
  3. レンゲ辻~稲村小屋:歩きやすいが好事魔多し。登山道脇は危ないところもあり
  4. レンゲ脇谷:道悪い。下りなのに時間がかかる

ルート総延長:14.3㎞ 所要時間:6時間54分

初心者向け度数:★★★★★☆☆☆☆☆(5/10点)

非常に楽しい山でした。歯ごたえもぼちぼち。脱初心者の人向けな感じです!

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Comment

  1. トキハ より:

    『よおお参り』も聞くかもしれませんが、懺悔懺悔六根清浄って言う方はいませんでしたか?
    大峰山と六根清浄はペアなんですけどねぇ。

    次は釈迦ヶ岳でもいかがですか。その鉄の階段への疑問以上に、オニ雅が日本一の強力(ごうりき)だという事を感じる釈迦如来像をご覧いただけますよ。

    • spinicker より:

      大峰山系はうちからはそこまで遠くもないので、釈迦ヶ岳もいずれ行ってみようかと思います。これも古典落語からの知識ですが、釈迦ヶ岳という名の巨漢力士が昔いたとか。(・∀・)

      小さな声で念仏らしきものを唱えている人もいましたが、内容までは聞き取れなかったので、もしかするとそれが「懺悔懺悔六根清浄」だったのかもしれませんね。

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