ホンダのN-VANが狩猟車に良さげと思ったら微妙だった件 (´・ω・`)
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最終更新日:2018/07/20
狩猟車・猟用車
軽バンというジャンルの車にはやはりなんとなく惹かれるものがあります。僕自身軽バンで狩猟をやってる軽バン乗りだというのが大きいのでしょう。
その軽バンというジャンルに、ホンダがN-VANという新モデルを投入してきました。「N-ONE」「N-BOX」と、乗用車で好評を博してきたNシリーズを商用車ラインに投入してきた形になります。
どんなもんかな、と興味を持ってスペック表を眺めてみました。
…結果、狩猟車として考えた場合という限定つきで言うと…イマイチっぽいかな、と。(´・ω・`)
(以下、各車種とも一般的なハイルーフ仕様の場合とします)
N-VANの特徴
僕は以前から「商用車登録だけど乗用車みたいな軽バン」があればいいのにな、と思っていました。で、N-VANはそのへんのピースを埋めてくれるかなと。
これまでの軽バンって、もういかにも仕事用、毎日毎日工具やら配送品やらを満載してエンジンをウンウン唸らせながら走る。その一点のためだけに存在してるようなのばっかり。ビジネス用だから経費も安く上がるように内装もチープ。そりゃ傷だってバンバンつきますからね、毎日がエブリデイなんだから。
商用車ってそんなもんかもしれないけど、僕みたいにお金がない、軽四は税金安いけど商用車はさらに安い(平成27年3月31日以前に登録した車だと乗用で7200円に対して商用だと4000円)、タイヤも四本で1万円前後。と、維持費の安さで軽バンをチョイス、でも荷物を満載することなく乗用車みたいに使っている者からすると、やっぱり不満もあるわけですよ。いかにも商用車っぽい色しかない、とかね。(´・ω・`)
僕の記憶が確かなら、まずダイハツが軽トラのハイゼットに、その後軽バンのハイゼットカーゴに、いわゆる乗用車っぽいカラーリングを設定してきた。と記憶しています。あれを見た時は、なんか軽商用車界が僕の望んでいる方向に進んでいるような気がしたものです(それ以前にスバルがブルーメタリックのサンバーを出してたけど、限定モデルのみの色でした)。
おそらく、そういった流れを受けてN-VANは誕生したのであろうと考えています。
(狩猟車としての)N-VANの残念な点 (´・ω・`)
地上最低高の低さ
一番がこれですねー。155mm。モデルによっては150mmってのもあります。
キャリーやハイゼットあたりの軽トラ、ハイゼットカーゴで160mm。最低でもこれぐらいは欲しいですねえ、未舗装林道走るなら。もうちょっとあればなおいいけど。
160mmで底カツカツだとしたら、150mmで同じように走ったらしこたま底をぶつけます。10㎜の差は大きい。
ちなみにスバル製サンバーは180㎜あります(現行のサンバーはハイゼットカーゴのOEMなので160㎜です)。僕はさらにホイールをインチアップして195㎜ぐらいにしてあります。
あんまり広くない
画像はN-VANの室内。
リアシートを倒した場合の荷室フロア長(赤のライン)は1585㎜。これだけだと車中泊は難しい。
これがハイゼットカーゴだと1955㎜。二名までの車中泊は余裕です。サンバーとかエブリイとかも似たような水準です。
これは前方、衝突時に衝撃を吸収するためのクラッシャブルゾーンがN-VANの方が大きく取ってあることに由来します。なので一概に悪いとも言えないのですが。
黄色のライン、助手席までダイブダウンさせた場合の全長は2635mm。ここまでやれば一名の車中泊なら問題なし。運転席は倒れないようなので、二名の車中泊は難しそう。
あんまり安くない
上で画像を添付していますが、ハイゼットカーゴの最上級グレード「クルーズターボ“SA Ⅲ”」の四駆ターボ4ATの価格が税込み1,495,800円。
対して、N-VANの最上級グレード「+STYLE FUN・ターボ Honda SENSING」の四駆ターボCVTが税込み1,799,280円。
どちらもブレーキアシスト等の安全装備、ハイゼットはSAⅢ、N-VANはHonda SENSINGがついて、価格差はざっと30万円。新しいN-VANの方が値引きなどはしぶいだろうし、もうちょっと開くかも。ハイゼットもモデルチェンジは比較的最近ですけどね。
駆動方式が…?
これは諸元表をざっと見た範囲では記載がなかったのですが、四輪駆動の方式はおそらくフルタイム。パートタイム式より悪路の走破力という点では劣るとされています。
新しいモデルではハスラーなんかは同じくフルタイム四駆でも、電子制御でトルクをコントロールして悪路の走破力をアップさせる仕組みがありますが、N-VANには現状そういったシステムは搭載されていない模様。
あと、小回りの点でも最小回転半径は4.6mとやや大きめ。大径タイヤを履いているジムニー(4.8m)に近いですね。ハイゼットカーゴでは4.2m、軽トラだとだいたい3.6とか3.7mとかです。
N-VANのいい点!(・∀・)
なんかけなしがちですが、技術の粋を集めた最新モデルだけあって、いい点だっていっぱいあります!
驚きの低燃費!
これはビックリです。僕のサンバーの実燃費は14㎞/Lぐらい。カタログ値になりますが、ハイゼットカーゴの最上級グレード「クルーズターボ“SA Ⅲ”」の四駆ターボ4ATで16㎞/L。
で、N-VANの最上級グレード「+STYLE FUN・ターボ Honda SENSING」の四駆ターボCVTは…21.2㎞/L! リッター20㎞超!
空気抵抗の大きい軽バンでこの数字はたいしたものですねぇ。FFモデルだと23.6なんて値も出ています。新しいってイイ(・∀・)!
マニュアルは6MT!
僕のサンバーは5MT。とはいっても、商用車なので1速は荷物満載時の発進用で、乗用車的な使い方しかしない場合は無用の長物。普段は2速発進しています。実質4MTみたいなものです。このへんも「軽バンを乗用車的に使ってる場合の不満点」の一つなんですよねぇ。高速走行時には5速でもえらい回転数上がったりで。(´・ω・`)
その点、N-VANの諸元表を見ると、マニュアルシフトは6MT。1速は確かに荷物満載時用のギア比みたいだけど、6速はサンバーの5速よりかなり高速走行に適したギア比になっています。いいなぁ、うらやましい。
ただ、今のところ四駆ターボモデルには6MTの設定がないようで。マニュアル派はやはりマイノリティな模様。orz
あれこれ口出ししましたが、いい点も悪い点もそれぞれトレードオフ、人と用途によって見方は変わってきます。燃費はいいし、「そこそこの広さがあれば十分、軽商用車の維持費も魅力」って層には売れるんじゃないでしょうか。
狩猟車としては微妙とか言ったけど、舗装路がほとんどで未舗装路といっても近郊の農道ぐらい、という空気銃猟であれば十分に使えることでしょう。
また、助手席側にはセンターピラーがないので、前後のドアを同時に開ければこのような大開口部が出現します。大物猟では使いづらくても、サーフボードやカヤックの積み卸しなど、マリンスポーツには普通の軽バンより便利かもしれません。
ホンダの車ということで、クロスカブのトランポにする様子も紹介されています。
軽バンはこれができるのが強み。僕もいずれトランポとして使おうとは思っています。
まぁ、サンバーなら250と125のオフローダーを2台積めるんですけどね!←負けず嫌い
ともあれ、「乗用車(乗用バン)っぽい使い方のできる軽バン」のリリースは僕にとってもうれしい点。今後もN-VANに触発された各社が、こういったスタイルの軽バンを発表、我々ユーザーにうれしい悲鳴をあげさせてくれることを期待しています。
まぁ、理想は「中古車購入検討中!ハンターにぴったりなベストオブ猟用車は?」で提案した、悪路余裕で、こういう車中泊スペースと、獲物を積める荷台が半々になった「半バン」が出ればベストなんですけどね!(・∀・)
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Comment
僕が騙されて買ったサンバーの軽トラ(正直、ゴミを買わされました。)も6速MTです。(エクストラローが付いてて)
山の中を走り回すのであれば、ATVや、ユーティリティビークルが理想なんでしょうけど…。(国内では入手も登録も難しいですね。)
現実はデッキバン、軽トラ、ジムニー、パジェロミニがベストかと。
箱バンは、犬を乗せる時に、かなり臭いの面で大変になるかと思います。(うちの犬もそうですが…。)
最近は、車がとてもお高くなりました。正直、いらない機能も沢山付いて。
えー、ELつきのサンバートラック、いいじゃないですか。故障歴があったとか?(´・3・)
軽トラ・ジムニー・デッキバンの三大巨頭が狩猟車を牛耳ってますね。ATVも以前はヤマハとかから出てたと聞いています。今はもうないみたいだけど、なんらかの規制があったのか、または単に売れなかったのか…。なんにしても惜しいことですね。
サンバートラックは、約2万キロ走行と言われて買ったのですが…。
確かにボディは綺麗だったのですが、ボディにコーションプレート無し。
4WDなのに、2WDのメーターが付いてて、シャーシは、10万キロ越えだと思われ、エンジンはボロボロで、巻狩の待ちの人で、山の中を走り回すのであれば、ATVや、ユーティリティビークルが理想なんでしょうけど…。
オーバーヒートしっぱなし。
買ってから気が付きました。
中古車はそういうのがあるので難しいですね。僕も過去に一度えらいのをつかまされたことがあります。(´・ω・`)
こんにちは。
燃費の件ですが、高燃費ではなくて低燃費かと。
「低 燃料 消費 車」かと思いますので。
N-VANは私も気になったんですが、高くつくなぁというのが私の計算でした。
ハイゼットカーゴ、クルーズ、4WD、MTで総額180万円程度に対し、
G、4WD、MTでオプション等足して計算すると190万円超えてしまいました。
それならデッキバンの方がいいじゃん、という結論になりました。
たぶん中古の古い軽トラを探して乗ると思いますけど。
ありゃ。高燃費って書いてましたか。気づかなかった、あとで直しておきます。orz
新しい車はスペックはいいけど、やっぱり高いですからねぇ。ぶつけても何してもいいような安いやつ、でも最低限の整備はされている。ぐらいのが気兼ねなく使えますね。けど今日び、軽バンでも程度のいい中古はけっこうなお値段で。(´・ω・`)
地上最低高の低さはトランポとしての積みやすさを優先しているからですよー
もし、高さ変えたいならばリフトアップしてみてはどうですか?
参考URL: https://www.forest-auto.com/info/20890/
積みやすさとはトレードオフになりますが…
なるほど。舗装路オンリーであれば最低地上高はさほど問題にならないですね。僕のサンバーは20cm近くあるんですが今日林道で下回りぶつけてきてもうちょっとあればいいなーと思った次第です。(´・ω・`)