狩猟用空気銃の口径。4.5mm・5.5mm ・6.35mmのどれがいいの?
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最終更新日:2017/01/07
銃一般
狩猟用空気銃の口径は大きく分けると三つ。4.5mm(177口径)、5.5mm(22口径)、6.35mm(25口径)の三種類になります。
(7.62㎜(30口径)とかもありますが、ここではざっくり「大口径」として6.35mmと同じカテゴリーに入れてしまいます)
最初の一挺はどの口径にしたらいいんだろう? 今日はそのへんの目安についてのお話です。
今回は5.5㎜口径30ft/lbのレインストームを実猟で運用した実体験をメインに、あとは射場での世間話で収集した情報がもとになっています。あくまで僕の体験上のことですからね、例によって口径ごとの弾道の特徴とか難しいことは考えてませんよ! (゚∀゚)
オールマイティな5.5㎜
最初の狩猟用空気銃だと銃砲店に伝えると5.5㎜をすすめられることも多いかと思います。現状の狩猟業界で空気銃といえばやはりこの口径が主流である様子。
画像のものが5.5㎜18gr(18グレイン≒1.16グラム)のペレット。いわば狩猟用空気銃の弾です。
直径でいえば小指の先よりも小さなものですが、決してあなどることはできません。これを30ft/lbのレインストームで撃つとどのような威力か?
一度、こういうことがありました。
50mほど先にいたカルガモが、僕が潜んでいることに気づかずこちらへ泳いできたので、40mらへんで首元を狙って射撃! これぐらいの距離は大好物です!
狙いどおり画像あたりの場所に着弾。カルガモはすーっと動かなくなり、これ以上ないクリーンキルになりました。あまりにも姿勢に変化がなかったので撃ってから数秒間は「えっ、外した?」と思ったほど。
(だいたい音でわかるんですけどね、当たったかどうかは。この時はあまりにも姿勢に変化がなかったので、外したのかと。 orz)
そして家に帰って解体してみて驚きました。
首元に着弾したペレットはしっぽの皮脂腺のすぐ近くの皮のところで止まっていたのです。もう少しで胴体を縦に貫通するところだったのでした!
まぁ、さすがにこういうことはめったにないと思います。骨にまったく絡まず、内臓と内臓のすき間を通ったとかそんなところでしょう。着弾音がしなかったのもそのせいかもしれません。
40mぐらいであれば上記のような具合で、僕のメインの使い方、70mぐらいまでのカモやキジなどの大型鳥類を射獲するには必要十分な威力を有するのが「5.5mm 30ft/lb」という口径・出力です。
小物&近射ならおまかせの4.5mm
5.5mmはオールマイティ。画像のような脂のよくのったヒヨドリだって仕留められます。
でも体の小さなヒヨドリに5.5㎜弾はちょっとミスマッチ。可食部に大きな風穴が開いてしまうので、当たり所によっては残念なことになります。orz
「カモ? 水場は回収が難しそうなのでムリ。空気銃ではおいしいと噂のハトやヒヨドリしか狙わないよ」
という方であれば、4.5㎜がベストチョイスでしょう。
小物撃ちでは二の矢をかけることがほとんど考えられない(ヒヨに二の矢をかけたことはありません。ハトは一度あるかな)ので、単発で十分でしょう。エースハンターや、同じくシャープチバ社のさらに小柄なポンプ式空気銃、イノバなんか最高ですね。
大型鳥の射獲となると、4.5㎜でもカモキジを獲っている人はいますが、その場合はいわゆる「トンコロ」と言われる、当たれば即倒の急所、ネックやヘッドを近距離で狙うことが多いようです。
中型までのカモで5.5㎜ならボディショットでもゲットできたりしますが、そういった大ざっぱな狩猟は4.5㎜だと難しいようですね。スニーキングおよび針の穴を通す射撃が必要になる、玄人好みの口径が4.5㎜といったところ。
数字にすると1㎜ですが、ジャイロ回転のおかげで大きな差があるものです。5.5㎜で撃った的紙と4.5㎜で撃った的紙の穴は目に見えてちがいます。1㎜の差は案外大きいのです。
獲物がでかいor遠いor食べないなら6.35㎜
5.5㎜でも鳥撃ちにはかなりの威力ですが、口径的にも出力的にもそれを上回るのが6.35㎜。
僕の狩猟用空気銃の用途といえば主に中距離までのカモキジ撃ち、時々ヒヨとかの小物撃ち。という形なので、同じような使い方をする人にとってはやっぱりオーバースペックな感じです。ヒヨなんか食べるとこなくなるような気が。orz
現在、6.35㎜がもっとも本領を発揮している用途のひとつが、カワウ撃ちの有害鳥駆除でしょう。ウミウはよく似てるけど非狩猟鳥獣なので注意が必要ですね!
なぜ大口径弾が有効かというと、まず、カワウはでかい。遠目に見るとそれほどじゃないのに、しとめた個体に近づいてみるとカモとは一回り以上でかい。そして重い。量ったことはないですが、たぶんカルガモとかの倍近くはあるかと。でかいやつはタフです。弾もでかい方が有利。
そしてカワウは、あとサギ類もですが、なぜか妙に用心深い。スニーキングが難しいのです。自然と遠射が多くなり、その距離でも倒せるだけの威力を保ちたい場合はやはり大口径&重量弾の出番です。
最後に、カワウはまず食べようと思えない。だって超臭いし。消化器系に当たった個体に近づく時なんかは、もう数メートル先から油と魚の腐臭が混ざったようなファンキーなスメルが漂ってくることも。食べないので風穴のでかさは気にならないのです。
あと、つけ加えるなら、これぐらい威力があれば四つ足にも有効。というところでしょうか。
わなにかかった大物だったり、また、地域や状況によっては、こちらのページの(4)の③の項目、
有害鳥獣捕獲において、空気銃を使用した捕獲等は、中・小型鳥類に限って認めていましたが、平成24年4月1日から、鳥類及び中・小型獣類に限り認めることができることとします。ただし、取り逃がす危険性の少ない状況においては、大型獣類にも認めることができることとします。
にあるように、中型哺乳類までが対象に入ってきつつあるようです。
中型哺乳類の定義を確認する必要はあるでしょうが、空気銃の進化にともなって、空気銃猟の可能性も広がってきています。
細かいことをのぞけば、空気銃の口径ごとの用途はだいたいこんなところでしょうか。
あとはやりたい狩猟のスタイル、猟場の環境などと照らし合わせてみて、ベストな一挺を選んでみてください。
それでも迷った場合は・・・やっぱり5.5㎜をおすすめしておきます。鳥猟であればたいていのことはできます。(^^)
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Comment
5.5mmでも70kgまでのメスシシならば、1発で留まります。「鳥獣保護事業計画」での空気銃は「有害駆除」の場合を規定してますから、狩猟時はグレーです。狩猟時は適用しないと判断してる県も有ります。がっ、逃げられない状況以外で空気銃での捕獲は反撃を考えると絶対しない方が良いでしょう。脳以外にポイントは有りません。スモールボアが狩猟禁止されてる事からも、空気銃の限界が有ります。
youtubeでくくり罠にかかったシシが空気銃の一発できれいに倒れたの見てびっくりしました。距離もけっこうあったように見えたのですが、思っていた以上の結果でした。
有害と普通の狩猟で規定がちがうのが厄介ですね。こういったところのわかりにくさもなんとかならんものか・・・ (´・ω・`)
先日、某射撃場にてエースハンターのスコープ調整をされている方がいましたが、最終的には、10発撃っても、小さな穴が1つしかありませんでした。あまりの精密さにびっくりしました。
空気銃も欲しいのですが、今、それをお上に言ったところで、無理と言われるだけでしょうし。
鹿の止め刺しに使いますと言うと、じゃあ、散弾銃を返してと言われるでしょうし。
将来的には所持して、キジ撃ちでもしたいですね。
エースもよく当たるみたいです。いまだに人気があるのもうなずけます。出力の割には音が大きいかな、という印象はあるとしても。。。
僕は空気銃→散弾銃の順で取得しましたが、「なんでどっちも要るの?」と聞かれたときに「鳥は空気銃、大物は散弾銃で使い分ける」と答えました。すると今度は「散弾銃があればどっちも対応できるのでは?」と返ってきたので「空気銃だと鳥の急所を一発で狙えるけど散弾だと肉が傷む」と答えたところ、無事申請が受理されました。(^-^)
うちはまだ大阪ではゆるい方だと思いますが、所轄によっては一筋縄ではいかないところも多そうですね・・・。枚方は昔からとても厳しいと聞いたことがあります。
spinickerさんも書かれてるように、
私もオールマイティー、汎用性の高さを考えて、
行き着いたのが5.5mmでした。
あと、空気銃もメンテ等のアフターフォローや、
何か困ったときにネットで調べて情報が拾いやすいものを考えて、
レアなものや新しいものよりも、
ベストセラー的なものをチョイスしました。
こういうのを考えてる時間も楽しいんですよねw
用途がこれ! と決まってたら、5.5㎜はオールマイティというより中途半端になるかもしれませんが、大物も小物もやるとなるとやっぱり5.5ですかね。レインとサイクロンあたりなら修理用のパーツ在庫もいっぱいありそう。
もしあと一挺空気銃を追加できるなら・・・単発でいいから4.5が欲しいかな。6.35は僕の場合あまり出番がなさそう。。。(´・з・)