原付バイク+リヤカー。二輪車による牽引で獲物の運搬を検討してみる
公開日:
:
狩猟車・猟用車

狩猟は何かと物入り。その出費に二の足を踏んで、興味はあるんだけどなかなか前へ進めない。なんて方も少なからずおられることでしょう。
とりわけて高価なのが狩猟車。猟のスタイルや環境によっては必ずしも必要ではないけれど、所有するとなると本体価格だけでなく維持費だってかなりのものになるのが今のこの国の税制。大きな障害たりえます。
そういった悩みと戦っておられる方は、一度「原付バイクでリヤカーを牽引して獲物を運ぶ」ことを検討されてみてはいかがでしょうか?(・∀・)
スポンサーリンク
小屋暮らしブログにヒントがあった!
ホームセンターで買ってきた木材で建築確認の必要ない広さ(10平方メートル未満)の小屋を自作、住居として暮らし向きを発信している「寝太郎ブログ」というブログがあります。
場所はハンター目線でいうととてもうらやましい山中、DIYについてもいろいろと参考になるところがあるのでたまにのぞいているブログです。
このブログの存在を知ったのはそもそも運営者である高村友也氏の著作「自作の小屋で暮らそう: Bライフの愉しみ (ちくま文庫)」を読んでから。
東京大学理科二類→休学一年間@海外→東京大学文学部哲学科(古典)→慶應義塾大学院哲学科(科学哲学)
といった変わり種経歴を持つ著者の思考は僕のような単純人間には目新しく面白く、何かと惹かれるところがありまして。
この書籍の中に「カブでリヤカーを牽引、寝台にして全国を彷徨う車上生活」という記述があり、それだけのことができるなら、しとめた獲物を原付で牽引するリヤカーで運べたりするんじゃないか、と。
法的にはどうか?
結論から言うと、都道府県により多少の差違はあれども、自転車および原付でリヤカー(軽車両)の牽引は原則として可能です。

http://www.ymsj.jp/b2b/user-voice/001/より
このとおり、ヤマト運輸はじめ、さまざまな企業が特に都市部での宅配業務に「自転車+リヤカー」を用いるようになってきているようです。

https://blogs.yahoo.co.jp/maniacsystem/39495906.htmlより
関連法(道路交通法、道路交通法施行令、道路運送車両法)に照らし合わせてみても、牽引する側の車両は自転車でなく原付であっても構いません。
先述の寝太郎ブログに簡単なまとめがあります。
・リヤカーは、軽車両扱いで、長さ4m、幅2m、高さ3mまで。(ちょうど私の家と同じくらい)
・原付で牽引する際の積載量は、120kgまで。
・ロープなどで引っ張るのはダメ、それなりの牽引装置が必要。
・時速は25km/hまで。
・リヤカーを牽引する原付は、原付扱い。
・リヤカー自体は車両登録は要らない。
・リヤカーの荷物で灯火類やナンバープレートが見えなくなることを直接的に禁じる法律はない。しかしながら、万が一事故が起こった場合は、安全注意を怠ったとして責任を問われることがある。
・各自治体で原付による牽引が禁止されている場合もある。(詳しくは下記)http://mainennetaro.blog.fc2.com/blog-entry-622.htmlより
以下のブログにはさらに詳細な記載があります。とても引用できる文章量ではないのでリンクを貼っておきます。
125cc以上のバイクの牽引についてはいろいろと面倒であるようですが(牽引される側にもナンバープレートや灯火類が必要だったり)、125cc未満のいわゆる原付バイク(および自転車)なら、それほど多くない制約を守ることで比較的簡単にリヤカーの牽引が認められるのです。
ただし、都道府県によっては原付や自転車による牽引に制約が設けられている場合があります。
大阪府道路交通規則
(自動車以外の車両の牽引制限)
第12条 法第60条の規定により自動車以外の車両(トロリーバスを除く。)の運転者は、他の車両を牽引してはならない。ただし、牽引するための装置を有する原動機付自転車又は自転車により、牽引されるための装置を有するリヤカー1台を牽引するときは、この限りでない。
(昭46公委規則12・全改、平27公委規則1・一部改正)
と、たとえば僕の居住地である大阪府であれば問題ないのですが、これが神奈川県だと
神奈川県道路交通法施行細則
(自動車以外の車両による牽引の制限)
第10条 法第60条の規定により公安委員会が定める自動車及びトロリーバス以外の車両(以下この条において「車両」という。)によつてする牽引の制限は、次に掲げるとおりとする。
(1) 牽引するための装置を有する車両によつて牽引されるための装置を有する車両を牽引する場合を除き、他の車両を牽引しないこと。
(2) 交通のひんぱんな道路において、他の車両を牽引しないこと。ただし、自転車がリヤカーを牽引する場合は、この限りでない。
となっていて、”交通のひんぱんな道路”では原付での牽引は認められていない模様(ここでは交通のひんぱんな道路の定義はわかりませんが)。
都道府県による制限に関してはおおむね「都道府県名+道路交通法施行細則」でググれば出るでしょうが、上記の様に大阪だと「道路交通規則」だったりするので、そのへんは臨機応変に打ち込んでみてください。
肝心の「自動車以外の車両による牽引の制限」についてはおおむね第10条らへん、8~13条のあたりに登場していることが多いようです。

リヤカーの積載量は120kgまで。たいていの獲物はOKだろうけど、でっかいシシやクマ、エゾシカだと厳しいですね。
牽引時のスピードは時速25キロまでなので、あまり距離がある場合は現実的ではなさそう。
牽引方法はロープで結ぶ、などは不可で、強度のある金具などが必要。
いくつかクリアすべき点はありますが、条件がバッチリはまれば、原付+リヤカーでの獲物運搬は不可能ではない。という点は明らかになりました。
車がなくて狩猟をあきらめていた方は一度参考にしてみてください!(・∀・)
関連記事
-
-
狩猟車えらびに新たな2台の選択肢、その名は・・・!
以前、「中古車購入検討中!ハンターにぴったりなベストオブ猟用車は?」でもふれたとおり、次期狩
-
-
三大狩猟車の一角。デッキバンのモデルチェンジキタ━━(゚∀゚)━━!!
三大狩猟車といえば、まずはジムニー。次に軽トラ。そしてこのデッキバンじゃないかと思っています
-
-
これはすごい!( ;゚Д゚) 狩猟車にピッタリなカスタム軽トラの実力
よーし、ぼく次の猟期までに中古の軽の四駆を導入しちゃうぞー。 ってのは以前「中古車購入検討中!
-
-
spinickerの予想、若干当たる。デッキバン特装車、2018年1月登場!
猟師に人気の狩猟車、ハイゼットデッキバン。この車に猟師向けの特装車がラインアップされるかもし
-
-
狩猟車には無理だけど。これが世界の変態(ほめ言葉)ATVだ!
スタイルによって程度の差はあっても、狩猟をやっていると不整地道路を走る機会は多くなることでし
-
-
年中これでOK?オールシーズンタイヤの積雪路・凍結路性能とは
冬来たりなば春遠からじ。ということは、秋来たりなば冬遠からじ。もうすぐ冬です。 冬
-
-
悪路林道ばっちこい。車高を5cm上げるFAFの軽バン用スプリングキット
今はPT四駆のサンバーを相棒としていますが、先代の狩猟車は2WDエブリイ。ちょっと道の荒れた
-
-
温暖な地域在住だからこそ。猟場での雪道・氷盤路について考える。
昨今では大物猟は3月15日までという地域が多いかと思われますが、そうだとすると、まもなく猟期
-
-
セミキャブ車vsフルキャブ車。狩猟車としてはどっちがおすすめ?
二代目狩猟車をスバル製最終型サンバーパートタイム四駆モデルにしてから約1年が過ぎました。
-
-
【遅報】最強の猟用車ジムニー、2018年にいよいよフルモデルチェンジへ!
特にブログのネタに困っているわけではないので最近はすっかりごぶさたになっていた、日刊工業新聞
Comment
バイクでリアカー。私も検討したのですが、時速25キロと、交通量の多い幹線道路という2つの壁に阻まれて断念しました。購入したバイクも原付では無く200ccですし。
自転車牽引用リアカーだと小型で軽く、接続用の金具もありますから、原付への接続も加工しやすいと思います。
時速30キロでも遅いと感じますが、25キロは厳しいですね。。。
おおっ。検討済みでしたか。けど原付でないとかなり制約が増えてしまって厄介ですね。ご指摘の通りスピードが出せないので、猟場まで遠くない人向きでしょうか。僕が田舎移住がかなって今よりさらに貧乏になったらわりと真剣に検討します。(´・ω・`)
遅ればせながら、実現しました。
実現後、このページを見つけ見させて頂いています。問題は色々ありますが、走っていると警察も含めみんな友好的です。現在、キャンピング「リヤ」カーや焼き芋屋など、多用途に改造を画策しております。
25kmの制限速度は妥当だと思います。100kgほどの車両で120kmを引くわけですから。確かに長距離は疲れますね。100kmを往復しましたが、一日仕事でした。
良ければ覗いてください。
ameblo.jp/nbhrs/
また、のぞかせて頂きます
(狩猟免許取得も検討中)
おおっ。オーナーさんのご意見は非常に助かります。(・∀・)
やはりブレーキングには手こずるようですね。積載は確かに増えるけど、結局ブレーキをかけれるのは細いバイクのタイヤ二輪だけってところは変わらないわけですからね。ご安全に!
ブログの方も覗かせていただきます。