狩猟ヒヤリハットその10 飛び降り注意。なんとなく折れた背骨

公開日: : 狩猟ヒヤリハット・事故

スペランカー

今年の1月20日の狩りバカ日誌、書き出しで「正月休みの出猟で高いところから飛び降りた際、背中を痛めてしまい」としたためました。

関連記事:狩りバカ日誌 2018年1月20日(空気銃・流し猟)

特になんてことなかったんですけどね。ちょっと高いとこから飛び降りて着地したってだけで、転倒も何にもなし。

でもなかなか痛み引かないから、こりゃなんかおかしい、と整形外科へ行ったわけですよ。

そしたら、言われましたね。

「キミこれ、背骨折れてるよ」

!? Σ(゚Д゚;)

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現場を再現してみた

狩猟ヒヤリハットその10 飛び降り注意。なんとなく折れた背骨

状況はこうです。

正月休みの出猟時のこと。車のところまで戻ってきたのはいいのですが、身長ぐらいの段差が。これを回避するとなると、かなりの距離(といっても100mもないけど)を迂回する必要があります。

疲れてるのでさらに歩くのは面倒です。ゆっくり下りるのも面倒です。飛び降りることにします。

狩猟ヒヤリハットその10 飛び降り注意。なんとなく折れた背骨

荷物のうちで投げ下ろせるものは投げ下ろしておきました。

狩猟ヒヤリハットその10 飛び降り注意。なんとなく折れた背骨

それ以外のもの、ザックなど。と、銃はさすがにそういうわけにはいかないので、軽くはないけど、背負って飛び降りることにします。10㎏ではきかんな、15㎏ぐらい?

狩猟ヒヤリハットその10 飛び降り注意。なんとなく折れた背骨

I can fly! ( ゚Д゚)

狩猟ヒヤリハットその10 飛び降り注意。なんとなく折れた背骨

鮮やかに着地に成功! しかし同時に背中に違和感発生!

着地の瞬間はピキッと来た、ぐらいでそれほど大したことなかったんですけど、その状態から一歩歩くと同時に激痛が走って呼吸と体が止まりました。何かはわからんけど、起こって欲しくない何かが起こった!

でも不思議なことに、数分間様子を見ているうちに痛みは引いて普通に歩けるようになりました。今のはなんだったんだろうなと首をひねりながら車に乗りこんで帰宅しました。

「圧迫骨折」だった!

やらかした当日はそれ以降痛みはほとんどなく、半ば忘れかかっていました。夜、布団に入るまでは。

横になっているうちに患部が熱を持ってズキズキしてくるのです。ウトウトしては痛みで目覚め、またウトウト…。そのくり返し。朝を迎えても、起床から2~3時間はその疼痛が続きます。

しかし、これまた不思議なことに、3時間ほど経過すると、痛みはきれいさっぱりどこかへ行ってしまうのです。でも横になると痛み復活、以下ループ。orz

うっとおしいけど耐えようと思えば耐えられるのでしばらく様子を見ることに。でも3週間たっても完治せず…。

その間、日常生活できるぐらいには体動かせるし、何回かは出猟もできている、けど就寝前~起床後3時間の疼痛がおさまらないので整形外科を受診してみて背骨の骨折が発覚した。ということです。

骨折は骨折でも、今回の骨折は、着地の衝撃で脊椎同士がクラッシュして起こる「圧迫骨折」でした。厳密にいうと、背中と腰の間ぐらい。圧迫骨折が生じやすい場所だそうです。

圧迫骨折(あっぱくこっせつ)とは、外傷や椎骨の弱まりによる椎骨の崩壊のこと。椎骨の弱まりは骨粗鬆症や骨形成不全の患者、原発もしくは転移性骨腫瘍[1]、感染による[2]。健康な人の場合は射出座席のような垂直的な圧力がかかった場合におこる。X線撮影では、くさび形に変形して見える。高齢者におこる圧迫骨折のほとんどが骨粗鬆症に起因しており[3]、胸椎と腰椎の移行部の椎体に生じやすく、くしゃみや腰をひねっただけ[4]、尻もちなどの軽微な外力によって生じる[3]。

wikipediaより

せいぜい自分の身長ぐらいしかない高さから飛び降りて骨折って…。スペランカーかよ。orz

嘆いてると、先生に諭されました。重い荷物背負って2m弱の高さから飛び降りたら、着地の瞬間の衝撃はちょっとした交通事故ぐらいのものになる。たとえ荷物なくても、避けられる飛び降りは避けるようにしなさい、と。

今はもう完治していますが、耐えれないほどじゃない、日常生活は送れる。でもなんかうっとおしい。という圧迫骨折でした。(´・ω・`)

体の丈夫さには自信があったんですけどね。

けど、10代20代の頃ならともかく、だんだん若くなくなってきた40代。

このブログをご覧になっている同世代の方も少なくないと思われますが、我々は肉体の衰えを気にかけないといけない年齢にさしかかってきたようです。リアルに身にしみました。

一昨期は慣れと油断から肋骨を骨折しました。昨期は油断から凍結林道でスピンして、そしてこの圧迫骨折。

来期は、これまでの経験を活かして、ヒヤリハットすらないぐらい安全にいきたいものです。

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Comment

  1. 月光 より:

    動いている以上、リスクは必ず付いて回ります。
    どう軽減するか?が大事です。
    急がば回れ、後悔先に立たず、ですよ(o^^o)

    • spinicker より:

      急がば回れ…。頭ではわかってるんだけど、人間って実際に被害が出ないとなかなか動かないですよね…。

      でも今回は実際に我が身で実感したので、さすがに次回からはもう飛び降りるのはやめておきます。。。(´・ω・`)

  2. JOHN より:

    どうやって治ったのですか?
    私も中年ハンターなので、気になりました。

    • spinicker より:

      手術などもあるそうですが、僕の場合は保存療法でよくなりました。コルセットしてなるべく安静に、です。痛くて寝れない時だけ痛み止めを服用しました。1ヶ月半ぐらいでほぼ痛みがなくなったように記憶しています。

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