狩りバカ日誌 2016年11月27日(空気銃・流し猟)
公開日:
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狩りバカ日誌2016
雨 12℃/4℃

今日はM870で大物猟へ行く予定だったが、天気が悪いということで、家で用事をする予定。
…であったところが、思いの外手早く片付き、雨もパラパラとした時雨程度のもの。
この程度の雨であれば流しの鳥撃ちぐらいなら問題ないな。いや、散歩の人が減るだろうし鳥も雨の日は注意散漫になる。むしろ好都合か。
焦ってはないけど、今期まだ獲物がないというのもおもしろくない。
気がつけばレインストームをひっつかんで家を飛び出していた。
抜けるような晴天のもとでの狩猟もいいものだが、こういうしっとりした空模様での狩猟もまた趣のあるものだ。
だが、天候がそうであるように、狩猟もまた思うままにはいかない。

このカルとアオクビの連合艦隊が所在する地点は銃禁。ここから南へ100mほど行ったところにある橋から先は撃てる場所だというのに、そこにカモの姿は影も形もない。
「カモはハンターマップの内容を知っている」というのは猟師の間では昔から言われている、いわばハンタージョークだ。
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撃てないカモたちをやりすごしておいてさらに先へ進む。遠目からではわからなかったところにコガモの群れが。
…そういやコガモはここ何年か撃ってないような気がする。久しぶりに食ってみようかな。脂さえ乗ってりゃコガモはいけるカモだ。
堤防下の藪から藪へ、葛の背からススキの影へと姿を隠しながらにじり寄り、遮蔽物がない地点まで到達するとしばらく待つ。絶好のポジションにくるその時を。
こない時はほどほどであきらめる切り替えが肝心だが、今日のアルテミスはこちらに微笑んだ。

ゼロインと同じ距離、50mのショット。この距離でこの銃(レインストーム)でこのペレット(JSB製EXACT JUMBO HEAVY 18gr)であれば、コガモならだいたいどこへ当たってもしとめられる。
しかし射撃と裏腹に回収はうまくいかず、対岸の植物にひっかかって止まってしまった。予測ではもうちょっと下流の堰まで到達してそこで手づかみにできると踏んでいたのに。(´・ω・`)
対岸へ回るのは距離がありすぎるし藪も深すぎる。カモキャッチャーはあの状態では使えない。飛びすぎて土手の草にひっかかったらそれで終わりだ。予算重視で選んだタモ網は惜しくも50センチほど届かない。長いの高いんだよなぁ。
こうなったらもう仕方ない。
ぬかるみに足を取られながら、タモが届くところまで川の中を歩く。流れはゆるやか、問題はない。

膝のあたりまで進んだところで網がコガモの体を捉え、無事回収できた。代償は靴が小さな池みたいになったことだけ。
猟場によってはこういう場合にそなえてウェーダーを準備している人もいるが、当地の地形ではそうそう出番はないので僕は持っていない。今回は僕の読みがちょっと甘くて、狩猟の女神がちょっと意地悪だっただけだ。
靴も靴下もズボンも替えはない。小さな池に足を突っ込んだまま狩りを続ける。歩くたびにゴッポゴッポと水音が鳴る。orz
足元が気になるおかげでハシビロに射掛けるも外し、難儀している僕を哀れに思ったのか、狩猟の女神が最高のシチュエーションをプレゼントしてくれた。

いつ来てみても水が抜いてあるのでいつのまにやら来なくなった池にふらっと寄ってみると、水がなみなみとたたえられ、アオクビ1とメス3が泳いでいる!
どうせ水はないだろうと不用意に近づいたのでバッチリ見つかり、群れは赤丸のあたりからさらに先へ泳いで遠ざかっていった。
こちらも方向転換、森へ入り、姿を隠して今度こそ忍び寄る。池そばにある森からの狙撃は、空気銃カモ撃ちの黄金パターンとなっている。
じっくり音を立てず慎重に、距離30mほどまで接近に成功した。風も高低差も無視できるレベル。カモたちは無警戒。もらった!
パカーン!
一瞬体勢を崩し、何が起こったか分からない、といった風情を体全体で表現しているアオクビ。数秒してから力なく泳ぎだし、異変に気づいたメスたちがこの段階でようやく飛び去った。まったく気づかれてなかったなこれは。
再度アオクビに目を向けると、まだ動いてはいるが…お、裏返った。こうなったらもう大丈夫だ。
回収のために森の外に止めてある車へ急いで戻る。
濡れた落ち葉。
ぬかるんだ土。
薄暗い雨の森。
クリーンキルできた安堵。
十二分に水を吸って重くなった靴。
10か月ぶりに獲物をしとめて高揚する心。
おいしく食べるために早く回収、処理したいと焦っている。
単独ではどうということのない事象が積み重なった時、事故は起こる。
地面が消えたような錯覚を感じた次の瞬間、滑り落ちた僕の体は松の木に叩きつけられて止まった。胸と腹の中間あたりで「ボグッ」という音が鳴った。
アバラが折れたことには痛みが和らいでなんとか動けるようになってから気づいた。
回収をあきらめてこのまま帰ろうかと一瞬頭をよぎったが、すぐそこに浮いているアオクビを殺したのは他の誰でもない。非常に回収しやすい位置。今日は風もない、しばらくあそこで浮いていてくれるだろう。

気合いで車まで戻って池の反対側へ回り、なんとかかんとか回収、下処理も完了。
今日はえらいめにあった。狩猟の女神の家を知っていたら1週間ピンポンダッシュの刑にしてやりたいところだが、要するに僕が油断していたということだ。狩猟の女神なんて本当はいないんだから。
カモも今までたくさん仕留めてたくさん食べてきたけれど、今日のアオクビは特に思い出深い一羽になりそう。こいつは意地でもおいしく食べる。
【本日の猟果】
発砲 3
失中 1
半矢 0
捕獲 マガモ1(30m木の枝レスト),コガモ1(50m膝射)
回収不能 0
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Comment
おめでとうございます!!
って、あれ?さらりと読んでいましたが、肋、やっちゃったんですか?大丈夫ですか?
猟の成果の所に、「肋 1本」ですか? お大事に!!
猟果のところに追加するなら「身をもって再認識した油断大敵」とかですかね。
でも、同じことを反復することによる「慣れ」という機能が人間に備わってる以上、必ずどこかに油断はできるものですけどね。それでも事故を回避できるのが優秀なハンターなんでしょう。(´・ω・`)
いやいやいやいや!
折れたんですか!?マガモ羨ましいなんて思いながら見ていたら大変じゃないですか。
安静に…はもちろん無理でしょうけれども、せめて無理をしないでくださいね!
痛いのは痛いですが、慣れてきて調子に乗っていたお灸がアバラ二本で済めば、まぁよかったかなと。
今回の経験が安い代償になるかどうかは今後次第なので、ふんどしを締め直してのぞみたいと思います。( ・`ω・´)
この航空写真マップを使ったスニーキングルート図はいつも楽しみに見てます
この図だけでも大体の位置や距離が分かるのはこのブログの最大のメリット
熟練者に付いてお手本見せてもらってるようなもんで師匠なしの僕にはありがたい
…えーと、肋骨?
まあ痛みは翌日からが本番で
お大事に
ああいう図があればいいな、と僕も始める前に思っていたので添付しています。参考になれば幸いです。(・∀・)
病院へ行ってきましたが、それほどひどいことはないようで、不幸中の幸いでした。( ̄∇ ̄;)
うあー・・・いたそー・・・
しかもまだ猟期始まったばかりで・・・
程度にもよると思いますが肋骨の骨折は全治まで大体一ヶ月半くらいかかるらしいです・・・
山○ダイアリーの作者も転けてヒビ入ってましたし山の事故は怖いですね。
お大事にして完治してから頑張ってください(`・д・´)ノ━━━!!!!
今回はまだ山奥とかじゃなかったので大事にはいたりませんでしたが、山奥の単独猟なんかで同じようなことに、それも足をやってしまったりしたら、と考えるだけでもおそろしいです。(´・ω・`)
山の神様から「調子乗んなよハゲ」とお灸を据えられたんだと思って、これからは自分にもまわりにも、より用心して猟に臨む所存です。m(_ _)m