ドングリの中で最も美味といわれるスダジイ(大泉緑地産)を食べてみた。
公開日:
:
ジビエ・ワイルド料理
秋も深まって参りました。11月1日から猟期に入る地域では残すところ一か月。北海道はもう明日からですね。僕の場合、猟以外の遊びに興じられるのもあと一か月だけです。猟期に入れば休日はもう猟以外何もしないって感じなので。
野山は実りの秋。厳しい冬に向けて狩猟鳥獣もひたすらに食べまくり、おいしい脂を身にまとう季節でもあります。
その役割の中でも重要な位置にあるのがドングリ。僕も猟期に入る前に、以前からなぜか気になっていた、一番おいしくて生食も可能だというスダジイの実を試食するべく、堺市の大泉緑地公園を訪れました。
採集したのは赤〇のあたり。大芝生広場のちょっと南の林の一角。航空写真で見ると、
林のすぐ南には三差路が走っています。黄色のラインが三差路が合流するところ、そこから10~15mほど入ったところのおそらくこの赤〇の木がそうじゃないかと。もうあと一本か二本近くにあったかもしれません。
単にドングリというだけなら家の近所にもいくらでも転がってるんですけど、当地ではドングリのなる木というと、最も多いのはアラカシの木。近所のやつもほとんどこれです。アラカシも食用にはなるけど、ドングリ全般に言えることですが渋み成分「タンニン」が多く含まれていて、おいしく食べようとするとひと手間ふた手間かかってしまうのが難点。
その点このスダジイ、拾ったその場で生食できるほどタンニン含有量が低いのです。ヒャッハーな世の中になった時、覚えておけば助かるかもしれませんね!(・∀・)
こいつがスダジイの実。こんな感じで成っています。9月末から一か月ぐらいがシーズンらしいけど、タンニン少ない→防御力低いなので、遅いと虫にやられそうな予感。食用で採集するなら早めがいいかと。
根本にもいっぱい落ちています。この画像の中にも10や20は写っています。どれだけ見つけられるかな?(・∀・)
もし木が発見できなければ、こうして下を見てみると、実や殻斗(帽子みたいなやつ)が発見できるので判別できます。スダジイの殻斗は細長く全体を覆うような形でちょっと変わっています。
30分ほどで大きめの茶碗2杯分ぐらい拾えました。蚊が多いので虫よけ必須です。もし忘れたらすぐ近くに防虫効果のあるクスノキの巨木がそびえているので葉をわしゃわしゃして肌に塗るとそこそこ効果あるんですが…園の木なのでやめといた方がいいかもですね。虫よけ忘れず。(´・ω・`)
では殻をむいていきましょう。
素手は非効率的なのでラジオペンチやニッパーを使いましょう。おしりの方から地道に少しずつはがしていって、ある程度の大きさの穴があいたらそこからは爪を使って。という形が僕はベストでした。
あまり大きくないけど、白くてきれいな実。生食可能なので食べてみると、ほぼ無味。植物の青臭さすらない、非常にフラットなテイストで後味だけほんのり甘い感じ。
そして食感はコリコリしつつもなぜかちょっと粉っぽさが。どんぐりが粉っぽいとは意外。
ちなみにドングリの栄養価はこうなっているそうで。糖質が豊富ですね。どんぐり酒というのも売っているそうですよ。なんとなく香ばしそう。(^p^)
しかしブツが小さくて殻もそれなりに頑丈なので、数をこなそうとするとなかなか大変。縄文人なんかはよくドングリ食べてたっていうけど、ドングリの時期にはほぼ一日中これやってる人とかもいたんじゃないかな。これだけの量でもまあまあ苦労します。以前食べてみたヒシの実よりはましだけど。
関連記事:ヒシの実の塩ゆで
ある程度処理したところで煎ってみることにします。香ばしさを引き出したいのでオリーブオイルを軽く引いて、岩塩をひとつまみ。長い目に火を通すのも香ばしさのため。
こんがりきつね色にローストされました。では早速!
スダジイのロースト 食後の感想
ガリッ…! か、硬い…!(゚Д゚;)
火を通しすぎたのか、めちゃくちゃ硬いです! 最近弱ってきた僕の歯茎では耐えることができません! いやマジで。どうしようこれ。捨てるしかないぞ…orz
エノコログサ(猫じゃらし)を食べてみた時も同じこと思ったけど、やっぱり品種改良されていない野生の実とかって、食べることは「可能」であっても「適している」とは言えないってことなのかなと、やはり似たような感想に到達しました。
その後加熱時間を短くして、乳白色の実の色がほんのり透明っぽくなった時点で火を止めると、粉っぽさ+コリコリ感から粉っぽさを消してコリコリ感をほくほく感に転換させたような食感に生まれ変わりました。火を通すのであれば、狙うところはここかな。
まあ、期待しすぎていたのが原因なんだろうけど、思ってたほどおいしいものでもありませんでした。食べれるようにするまでの手間もかなりのものです。
移住したら庭に植えようかと思ってましたが…ちょっと考え直そうかな。(´・ω・`)
Twitterやってます。役に立つこともたまにはつぶやいてるので、よければフォロー願います!(・∀・)
アカウント → SPINICKER @Boy_Meets_Meats
関連記事
-
ウナギ釣り&料理は難しいと思ってたけどやってみたら簡単だった。
梅雨の時期ってのはだいたい猟期終わってから次の猟期への中間地点らへん。世のハンターたちの狩猟
-
これは安い。手動ポンプ式の真空パック、フードフレッシュバッグ
獲物のサイズがハトより大きい場合、ジビエ一捕獲あたりの肉の量は一度には食べきれないケースが少
-
散弾銃も空気銃もいらない!そのへんで簡単に獲れるジビエ?食材
こんなブログに来られる方はまぁほとんどの場合、ジビエや狩猟に興味のある方がほとんどだと思いま
-
鳥猟ハンター垂涎。面倒な羽根むしり代行マシーンはこちら。
銃猟はやってるけど鳥はやらない、という人の理由に 「鳥は羽根むしりがめんどくさい」
-
BBQ・鍋のウケ狙いにも。鹿でも猪でもない上級者用ジビエはこちら
秋の行楽シーズンも後半戦。ここから先は屋外でのバーベキューなどはちと厳しくなってくるでしょう
-
ハシビロよりさらにまずいと噂の海ガモ(スズガモ)を食べてみた結果。
以前「まずいと噂のハシビロガモを食べてみた結果。」でハシビロガモを燻製にして食べてみて、世間
-
鹿の骨つきモモ肉まるごと1本!取れた肉の量を測定してみました。
空気銃猟でのメインターゲットは僕の場合、カモとかキジとかヒヨとかハトとか。コジュケイなんかも
-
夏に行ってみたい。トナカイを食べたり遊んだりできる北海道の牧場
ジビエに興味を示す人というのは、要するに「珍しいもの好き」という性質がより強く発現している人
-
どちらが美味いのか?豚とイノシシを食べ比べてみた。
過去にもシシを食べたことはあるんだけど、それらは言わばすべてもらい物。今年の1月2日に撃ち止
-
現役猟師が抱くジビエブームへの疑問!ジビエは本当に「おいしい」のか?
去年の11月に放映されたドラマ「狩猟雪姫」などの影響もあるのか、狩猟というアクティビティがメ
Comment
こんにちは、ご無沙汰しております。
今年も間近に迫ってきましたね。
今猟期で人生二期目で、まだまだ昨年と変わらずド素人な私です。
こんがり焼きすぎてしまったのは粉砕機(ミキサーの類?)で細かくして、サラダ等にトッピングしても良いかも?
スリコギでのんびりグリグリってのもいいのかな?
粉にして砂糖を混ぜてきな粉風にしてみたり・・・。
と勝手言ってますが、こういう挑戦は素晴らしいと思います。
いざという食糧難に対処できますね。
ご教示いただきありがとうございました。
硬いけど確かに香ばしさはかなりのものたつたので、トッピングにするのは良さそう。ただ、スリコギでも厳しいかなという気が…。金づちの出番かも!
こちらはあと一か月を切りました。もうすぐですね!(・∀・)
はじめましてこんにちは。
水分を飛ばさないように加熱するのがポイントかもしれませんね。
スダジイは殻をむかずに使用済封筒や袋状に折った紙とかに入れて電子レンジでチンすると簡単です。時間は量にもよるけどいくつかパンパンはじけたころが目安かも。やや半透明になってやわらかくもちもちした弾力が出て生食よりさらに甘くなります。レンジの空焚きにならないようコップ一杯の水を一緒に入れるといい。あまりおいしくない栗よりは全然おいしいくらいで止まらなくなります。マテバシイも同じ方法で食べれて大きい分食べごたえはあるけど甘みはスダジイに及びません。
職場にどちらも生えているので時々仕事中にチンしておやつに食べてます。
はじめまして!(・∀・)
ツイッターの方でも同じようなアドバイスをもらいました。やはり殻むかずに炒った方が味的にも手間的にもナイスでした。あとのネックはやっぱり殻むきでしょうか。全部が全部火を通しているうちにヒビ入ってくれたらいいんですけどね…。これがもっと楽になれば。(´・ω・`)