豚コレラを見つけたら?ハンターがとるべき防疫行動を福井県のマニュアルでみる
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最終更新日:2019/09/23
狩猟よもやま話
豚コレラの猛威が止まりません。近畿圏のシシ撃ちハンターとしては気が気ではない今日この頃。もう当方の猟場エリアまで禍が及ぶのは時間の問題でしょう。(-_-)
こればっかりはどうしようもないことだとしても、もし実際に猟場でしとめたシシ個体が豚コレラ罹患を強く疑われる、なんてなった場合、我々ハンターはどう動けばいいのでしょうか?
まず通報先。僕は保健所だと思ってたら、どうやらまた別の「家畜保健衛生所」という組織が都道府県ごとにいくつかあって、どうやらそこが担当になっているようです。
たとえば奈良県であれば奈良県家畜保健衛生所業務第一課という部署があって、電話番号は0743-59-1700であると調べれば出るんですが、疑問が一つ。
ハンターが出猟するのは休日、土日祝であることが多いと思われるんだけど、この部署って休日に連絡つくんですかね?
とりあえず、2019年9月22日の19時前に電話してみた時には誰も出ず、15コールぐらい経過しても転送も留守電にもなりませんでした。(´・ω・`)
この件はまた平日にでも休日の連絡先を聞いてみることにして、話を先に進めます。撃ったシシが豚コレラであると確信したと仮定して、現場レベルではどうしたらいいのか。
そんなハンターの疑問に対しては、福井県の自然環境課がまとめたPDF「豚コレラウイルス拡散防止のお願い」が参考になることでしょう。
(※こちらはあくまで福井県のガイドラインであって別の地域ではまた別の指針が策定されている可能性があります)
まず、前提として豚コレラの「感染確認区域」という概念を頭に入れておきましょう。豚コレラ陽性の個体が発見された地点から半径10キロ以内のエリアを指します。
で、次ページ。
これによると、加熱処理したものであれば持ち帰っても構わないようです。現場で解体して、持ち帰る分に火を通せばこのガイドラインからは逸脱していないってことになるんでしょうが…。現実的ではないですね。
場所は猟場の山野、携行できる器具にも大きく制限がかかるだろうし、そんな状況で内部までしっかり火を通すためにはよほど細切れにする必要があります。時間ばかりかかっていくらも持ち帰れないはず。やめときましょう。
感染確認区域から感染確認区域への移動であれば、必ずしも火を通す必要はない模様。しかしこれも最後の一文、「肉等の残渣は、中心部まで加熱してから捨てる。(冷凍したものも同様)」を見る限り、現実的ではないですねえ。内臓や皮までとなると非常に困難です。
ただし、よほど地元のハンターでない限りここは該当しないことが多いだろうから、ここで触れるのはこれぐらいにしておきます。
仕留めたら周囲も消毒。血液がついた場所もとなると完全に行うのはまず不可能かと思われますが、できる限りのことをやっておきたいところ。
オスバンというのはこれ。希釈して使うようです。
感染確認区域の山に入ったら、シシを獲らなかったとしても自身の消毒をしましょう。次のように。
これらの中で特に重要度の高いのが、常に地面に触れることになる靴底、そしてタイヤでしょう。
消毒が不完全であったばかりに、こちらのタイヤに付着していたウイルスが道路に付着、そこからさらに他の車両のタイヤに付着、感染が拡大。ということがありえます。豚コレラは非常に感染力の強い病です。
消毒液の希釈は作り置きするのは良くないようで。こういう知識は普段薬品を扱うことがない者からするとありがたいですね。
僕が空気銃猟で回っていた猟場近辺で、すぐ横に養豚場がある野池がありました。その入り口に「家畜の感染症予防のために部外者の立ち入りを禁止します」という看板が出ていました。
当時から頭ではわかってたけど、今こそその意味を正しく実感しています。平時から、こういった事態を未然に防ぐため、ですね。
豚コレラにまつわる報道も多く出ていますが、養豚場関係者の「仕方ないことだけど、生まれたばかりの子豚まで処分されるのは胸が張り裂けそうだ」といった趣旨のコメントを目にした時はこっちも同じような気持ちになりました。申し訳ねえ、申し訳ねえ…orz
我々ハンターも、畜産関係者ほどじゃないにせよ、その次ぐらいに影響があるといっても差し支えない属性の存在でしょう。
これ以上行き場のない無念を増やさないためにも、やるべきことはきっちりやって、やってはいけない、やるべきでないことはやらないようにして猟に臨みたいところです。
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