食わず嫌い厳禁。人生初のナマコを食してみた。
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食わず嫌い克服
ジビエを食べたいから猟師になるのか、猟師になったからジビエを食べるようになるのか。
どちらが先かは人によって異なるんでしょうけど、僕は前者です。マイ鴨鍋が食べたい、というところからスタートしたハンター生活でした。
考えてみれば、今の日本の文化では、そのへんの店で売ってないジビエというものを食べるのは「奇食」の一ジャンルに分けられるんじゃないかという気もします。最近ちょっとずつ認知されてきてはいますけどね。
そんなこんなで、ハンターを続けてきて奇食に対するハードルも順調に下がり、「店で売ってない食べ物はどんな味がするのか」という好奇心がふつふつとわき上がっている今日この頃。このブログでもセミの幼虫、G、ネコジャラシなどなど、身近にある様々なものの奇食を扱っています。
しかし、珍妙奇天烈な食べ物はそのへんに売られていないのか、というとぜんぜんそんなことはありません。
スーパーで普通に売られてはいるけどその外見から一度も挑戦したことのない食べ物。そういうものも僕にはいくつかあります。
そのひとつがこれ、ナマコ。
なにコイツ。悪魔がデザインしたようなフォルム。なんでこれを食べてみようと思った昔の人。腹ペコすぎるだろ。(´・_・`)
でもこの生き物がそのへんのスーパーに売られてるわけですよ。通り過ぎる人もこれを見て気絶したり絶叫したりということもなく、生活の一部に溶け込んでいるわけです。
僕は一度も食べてみたことがなく、同様の人も多いんじゃないかと思いますが…。こんな軟体生物ごときにびびってると思われるのも癪だな。食ってやろうじゃないか。(´・ω・`)
買ってきました。こま切れにされてパックに入れられています。ざまみろ。
しかし驚いたのがその値段。たったこれだけの量で550円もするんですよこの下等生物! いやはやびっくりでしたね。
ラップを取ってみても、特に生臭いにおいが漂うといったことはありません。いかにも生臭そうな印象があったので意外。ちょっとだけ見直してやろう。
・・・・・・・・・・。
食うの? これを? えー? なんで?
でも550円もしたんだしなぁ、食べ物を捨てるのも心情的に無理だしなぁ。仕方ない、まずかったら無理くり流し込めばいいや。とりあえず一口…
・・・・・!?
な、なんじゃこりゃあ! かてぇ! 歯周病で弱った歯茎にこたえるほど硬いぞこれ! 軟体生物じゃなかったのかナマコ! (゚д゚;)
ナマコの野郎はいかにもヌルッとした外観からは想像もできないほどの硬派な歯ごたえでした。まるで羊の皮をかぶった狼!
そして味はというと、貝の刺身のような感じ。食感とあいまって、はるか昔に食べた記憶のあるアワビに近いものがあります。アワビの外側をもうちょっとやわらかくして、身のコリコリした硬さにしなやか感を加えたような。
歯茎をいたわるようにゆっくりかむと、じわじわとうまみがしみ出してきて、気がつけば最後の一切れがなくなってました。また会おうナマコ。
ナマコの刺身 食後の感想
残念なことにおいしかった。というのが本音です。
これでマズければ今まで敬遠してきたのは正解だったと胸を張れるのですが、うまかったので、今まで食わずにきたことを嘆く感情と今からでも知れたのはいいじゃないか、という感情が混ぜ合わさってなんかいいような悪いような、複雑な心境。(´・ω・`)
ただ、値段が値段なのでそう頻繁には食べれないでしょうけど、安くなってたりしたらまた買ってみたいと思わせる味のナマコさんでした。
ジビエを食べるようになっていなければ、ひいては猟師になっていなければ手を出していなかったかもしれない奇食が美味だったりすると、なんかこう、必要以上にうれしいというか。
特に海産物方面はグロい生き物が多くこういう食わず嫌いがよくありますが、これをきっかけに少しずつ試していきたいと思います。ちょっと人生得した!(・∀・)
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Comment
ふと思い出したので、
改めて乾燥ナマコってやつの値段調べたら、
数万~数十万らしいっすよ・・・
大陸の方では珍味だそうですね。数十万か…
閃いた!(゚∀゚)
なまこ、海に行くと結構見かけますよ。黒より赤の方がおいしくて高価ですね。
猟期が終わって夏になったら、海でなまこ捕りましょうよ。猟師~漁師。
って、なまこ、捕って良いのか確認が必要ですね。
ちなみにサザエやアワビは、素潜りだろうが何だろうが、漁業権が無いと捕ったらアウトです。何年か前、浜にあがったら警察が待っていました。。。
なんか触るのも抵抗ありますが、うまいしなぁ。でもナマコもたぶん密猟になりそうですね。釣りも釣り竿漁という立派な漁法のひとつなんだけど、あれはレジャーとしてOKらしいです。漁業権の話についてはくわしくないですが。
実際密漁は少なくないんだろうなと思います。たまにニュースになってたりしますね。
僕もなまこは無理です、潜り漁師をしていたおやじはなまこ食べまくってましたがあれだけはむりでした、でも 美味しそうに食べてました。
僕も見た目がアレなんで敬遠してきたんですけど、食べてみるといけますよなかなか。貝っぽい感じで。一度お試しあれ!(・∀・)
なまこはおろしポン酢で食うと美味いです。
買ったナマコについてたタレはなんだっけな、ポン酢と醤油をまぜたような…。ナマコ用調味料ももうちょっと勉強してみます。( ̄∇ ̄;)
乾燥ナマコは凄くチープな駄菓子的包装で値札シールを見ると200000円とか打たれてて中々にシュールなものがあります。
お金になるといえばやはり海鼠腸ですね。割烹やってた時にめんどくせぇと思いながら掃除してたのはいい思い出です。
これも乾燥させて薄板状にしたもの(炙ると超美味いです)がありますが、べらぼうに高価ですので食されるには自作しかおススメできません。
卵巣のくちことかいいものは一つ5000円しますから、密漁が後を絶たないのも頷けます(笑)
うーん漁師の方が儲かるのか・・・
素敵なサムシングとお金天秤にかけるもんじゃないですけどね。
たしかに赤ナマコの刺身は安い物じゃなかったけど、乾燥させるとなんで数万~に跳ね上がるんですかね? たまーに暴力団の組織的な密漁、とかでニュースになるのでカネになるんだろうなぁとは思ってたけど…。
たとえ儲かっても狩猟ほど面白いとは思えないのでやっぱり猟の方がいいですね僕は。…お金も欲しいけど。(´・ω・`)
こんにちは、愛媛のアワビ屋です。ナマコも売ってます。
ナマコで検索しているとこちらにたどり着きました。
さて、干しナマコについて調べました。
【干しナマコ1kgを作るのに必要なもの】
・原料30kg程度
ナマコは体の90%が水分で、干しナマコにすると元の3~5%程度の重量になります。
・約90日間の天日干し
毎日90日間倉庫から出し入れし、雨が降ったらすぐ取り込むという、労力が必要です。
途中で雨に当たって天日干しに失敗すれば廃棄になりますし、これらの手間と原料が必要なことから干しナマコは高価なんですね。
うちのみかん山に来るイノシシをやってつけてほしいです。
はじめまして! まさかの本業の方からの書き込み。( ̄∇ ̄;)
30㎏→1㎏ですか…。すごい歩留まりですね。手間もかかるし、そりゃ高いわけだ。
愛媛は以前の彼女が住んでいたので何度か行ったことがあります。松山城とかきれいな水の湧く公園とか覚えています。
イノシシやっつけたいけど遠い…。あまり被害が酷いようなら役所とか県の猟友会本部へ相談してみてください。有害鳥獣駆除で獲りに来てくれるかもしれません。(´・ω・`)
お返事頂いてましてありがとうございます。
ナマコは活きたものをナマコ酢で食べるのが一番ですよね。干しナマコを水に戻すのにも1週間かかるとのことですので、中国人の干しナマコへの情熱は良く分からないですね。
うちでも工場を作るお金を出すから、干しナマコをしないかと言う話がありましたが、労力的にごめんなさいしました。
イノシシは甘いミカンを枝を折ってまで食べるので憎いです。今の所、役所に言ってもスルーですね~。
それでは、お体お気をつけて下さい。