ジビエ肉(鹿肉)の臭い消し、牛乳vsヨーグルト。勝者はどっち!?
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最終更新日:2016/09/21
ジビエ・ワイルド料理

猟期が終わってジビエ肉用冷凍庫には入庫がなくなり、現在は絶賛出庫中です。
今のところ一番多く在庫があるのが大ガモ、次が鹿。シシは一度カモとの物々交換で入手しただけだったので、あっというまに消え去りました。orz
カモの消費法はやはり鍋+鍋後の鴨そばがベストである、とほぼ結論が出たのですが(もちろん試行錯誤は続けますが)、鹿肉となると最近アロゼが飽き気味でして、さてどうやって食そうかと思案しています。
まぁ、悩んでるってことは道が複数あるってことなんで、いろいろやってみましょうかね。
そういえば、前猟期の打ち上げランチでトルコ料理風にアレンジされて出てきた鹿モモ肉があったっけ。あれはすごかった、マジかよってぐらい鹿臭さがまったくのゼロ! これがプロ料理人の腕か、と感心しました。
鹿の肉だと聞いてなかったらわからんかっただろうってのはもちろん、聞いていても信じられないレベルで鹿臭さがなかった・・・( ;゚Д゚)
聞いた話だと「トルコ料理では肉をヨーグルトに漬け込む」なんてことを言ってたっけ、よし。試してみよう!
あと、臭み抜きといえば牛乳。乳製品ということで比較しやすいし、ついでに牛乳でも試してみるかな。
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まず取り出しましたる鹿モモのブロック肉。こいつをば、

5つに切り分けます。一つのブロックから切り分けた肉なので、風味なんかは同一であると考えて差し支えないはず。この深い赤がいかにも鹿肉ですね! ^ ^
ちなみに、牛肉をビーフ、豚肉をポークと呼ぶように、鹿肉は「ベニスン」とか「ベニソン」などとも言います。ローストした鹿肉なら「ローストベニソン」ですね。

左の細長いやつを除いた4つの肉片をそれぞれ牛乳とヨーグルトに漬けて、そのうち2つを1時間後、残り2つを24時間後に取り出して試食してみます。左のお椀が牛乳、右がヨーグルトです。

で、左の細長いやつは塩こしょうのみのソテーで食べてみます。臭み抜きする前の素の味を確認するためです。
・・・ふむふむ。そりゃ鹿なのでもちろん鹿テイストはありますが、この個体はかなり鹿臭さが少ない部類ですね。これでも十分食べられます。その分実験の結果は出にくいかな、痛し痒しだなぁ。(´・ω・`)
・・・・・さて1時間たちました。
それぞれのお椀から同じぐらいの大きさの肉を一つずつ引き上げてみると・・・まずびっくりしたのが柔らかさ! なにこれ!? 柔らかすぎてでろーんってなってる、なんじゃこりゃああああああ!? ( ;゚Д゚)
あんまりびっくりしたので、肉をまな板に放置して即ぐぐってしまいました。へぇ、牛乳には肉を軟らかくする効果もあったのか。しかも結構有名っぽいぞ。。。
勉強不足が露呈しました! 「牛乳・ヨーグルト=臭み抜き」の構図しか頭になかった、勉強になりました。orz


気を取り直して1時間ものを塩こしょうのソテーにしてテイスティング。左が牛乳、右がヨーグルト。ソテーする前にざっと水洗いしてキッチンペーパーで水分を取っています。さて、お味はどんなもんかな・・・
- 牛乳:臭みはまずまず消えてる、日頃鹿を食べてるような人でなければ牛肉とまちがえるだろうってレベル。っていうか、味よりこの柔らかさにビビる!
- ヨーグルト:臭み消し効果は牛乳と同レベル。柔らかくもなってるけど、歯ごたえはこっちのが残っててほどよいざくざく感で個人的に好み。
といった結果に。牛乳については、期待していた「臭み抜き」より「柔軟化」に驚き。こんなに柔らかくなるのかってレベルでした。
では、24時間後に再度実験しましょう。
・・・・・おはようございます。では続きといきましょう。

24時間漬け込んだものがこちらです。左が牛乳、右がヨーグルト。
ヨーグルトには肉から出たであろう茶色いアクのようなものが浮いていて、なんか最近「ヨーグルトでデトックス」とか「ヨーグルトで毒素出し」なんて言われてるのが案外効果ありそうな気になります。

例によって左が牛乳、右がヨーグルトに漬けたもの、水洗い後に水分除去済みです。これも塩こしょうのみでソテーしていただきました。
- 牛乳:臭みはほとんど消えてる、日頃鹿を食べてるような人であってもプロの料理人なんかでなければ鹿だとは気づかないかも? そして柔らかさは1時間ものよりさらにUP! 持った感じがどうにも柔らかすぎて、他の動物の胃で途中まで消化されたんじゃないかってレベル。もともと固い肉じゃなかったので、この柔らかさが気持ち悪い。火を通すとそこまで柔らかくはないんだけど・・・
- ヨーグルト:やはり臭み消し効果は牛乳と同レベル。柔らかさに関しては1時間ものとそう変わらないような気がする。臭みを消しつつ歯ごたえを維持したいときはこっちのが向いてるように思う。
と相成りました。かった~~~~~い肉の臭み抜き、あるいは軟らかい肉が好きな方なんかは牛乳がいいんじゃないかと。
逆にそう固くない肉だったり、臭みを抜きつつ歯ごたえを楽しみたい場合はヨーグルト。
てな具合で使い分けるのがいいかもしれません。機会があれば、ヨーグルトでもっと漬け込む時間を長くして試してみようかな。臭み自体は24時間の方が少なかったわけだし。
あと、使い分けといえば、僕は牛乳は飲み物として好きなので、なんか今まで臭み抜きとして使う気になれなかったんですよね、もったいなくて。(´・ω・`)
その点、ヨーグルトは普段あまり食べる習慣がないので、まだこっちの方が犬死に(じゃないけど。。。)させても罪悪感がないというか、なんというか。
そういったところも加味して決めるのがいいと思います!
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Comment
リアルな実験、ありがとうございます!
当方も冷凍カモが5羽ほどいるのですが、前回、鍋にした時は臭みと堅さが子供達に不評でした。調理酒(ブランデーベース)につけ込んだのですが、苦みが出て失敗でした。
牛乳で柔らかくなるのなら、子供達に良いかもしれません。さっそく金曜日に漬け込んで、土曜日に帰った時、焼いてみます!
カモ鍋はどんな味付けにされましたか?
僕はカモを鍋にするときはめんつゆベースの甘辛い感じにしています。ジビエのカモはどうしてもくせがあるので、淡泊な水炊き風味ではくどくなるような気がするもので。。。
カモ焼き肉はやったことないですが、日猟のサイトのこちらのページまん中あたりに、カモのお狩場焼きが載っています。宮内庁御用達だそうです、僕もそのうちやってみようかな! (・∀・)
http://www.moriniikou.jp/index.php?itemid=36&catid=19&blogid=11
市販の、パックで並んでいる鍋のつゆ(味噌鍋)を使いました。それなりに味が濃い方でした。
カモのお狩場焼き、チェックしてみます!
牛乳はニンニクの臭いさえ封じ込めてしまいますので(笑)
バーニャカウダーを作る時に重宝しました。
ただやはりコストが気になるところですので、現在臭み抜きのみには
豆乳(100円/L)を使っています。
豆乳に限らず豆腐も口直しには最適なので、大豆には足を向けては眠れません。
僕は牛乳は飲み物として大好きなので臭み抜きにはなんか使いにくいんですよねぇ。もったいない気が。orz
豆乳だとちょっと気分的に楽なので一度試してみます。(・∀・)
今度ジビエ料理しようと思っていたので大変参考になりました!
だいぶ昔のブログなのでもう知ってるかもしれませんが、ジップロックを使うと、お椀に入れるより少ない量で肉を牛乳で覆うことができますよ。
ありがとうございます!(・∀・)
僕も今ではジップロックを活用しています。おもに燻製を作る時、ピックル液に漬け込む過程でジップロックが大活躍です。
ジビエ料理はおいしく食べるまでの手間が畜産肉より大きいですが、そのへんも楽しんでみてください。
[…] https://www.boy-meets-meats.com/contents/blog/milk-vs-yogurt/ […]