梅雨時の除湿防錆。ガンロッカーに除湿剤を設置する際に注意すること
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最終更新日:2017/01/07
銃一般

梅雨まっさかりのこの時期。我らが南河内でもうっとおしい日が続いています。外出する機会が減ってせっかく買ったMTBが泣いています。(´;ω;`)
MTBも大事ですが、湿気と戦うという点では銃の管理も大切。湿度対策を誤ると、場合によっては廃銃にせざるを得ないような事態にもおちいるらしいのです!
高い湿度は鉄製品に悪い影響を与える。というのは多くの人が体験的に知っている知識かと思います。錆びが発生しやすいわけですね。
同じように塩分もよろしくない。海の近くは車のボディの腐食が早い、というのはよく知られた話です。融雪剤(=塩化カルシウム)を多用する雪国の車の下回りは錆びやすい、というのも同じような理屈。
銃の錆び対策はM870にはWD-40を、樹脂やゴムの部品を多用する空気銃にはWD-40を使わない方がいいので、レインにはシリコン系のTRI-FLOW(トリフロー) を塗布。加えて↑のような除湿剤をガンロッカーに入れています。ぐんぐん空気中の水分を吸ってタンクに貯めてくれる働き者です。
が、偶然に偶然がかさなった時、この除湿剤が激錆の原因になってしまうことをはたしてどれぐらいの人が知っているでしょうか!

僕のガンロッカー。左がM870、右がレインストーム。かっこいいですね!(・∀・)
ガンロッカーには樹脂などでできた銃身受けが内部に取り付けられていますが、僕のロッカーについていたものはそのまま銃身をあずけると高さが足りずにスコープやドットサイトが干渉してしまいます。
それを防ぐため画像のように銃身受けの上に釘を打った木材を設置して高さをかせぎ、そこへ銃身を立てかけるついでに除湿剤を画像のように置いていました。ええ、師匠の話を聞くまでは。
除湿剤の功罪
地元の師匠も似たような形で除湿剤を設置していたらしいのですが、ある時、大きめの地震に見舞われた際に除湿剤が落下破損、水と溶剤がロッカー内にまき散らされることになったそうです。
師匠はまさかそんなことになっているとは思わず、しばらくはそのままの状態が続き、久しぶりに射撃にでも行くか、とロッカーを開けると・・・
ボロボロに錆びた愛銃が横たわっていたのでした。orz
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除湿剤の材質、実は融雪剤と同じ塩化カルシウム。
平常時は便利である反面、こちらのサイトには除湿剤に不測の事態があった場合、どういったことになるかが詳しく記されています。
水がいっぱいにたまってしまった除湿剤の容器を放置しておくと、何かの拍子に倒れたり、あるいは容器上部の紙が破れたりして中の水がこぼれ、周囲が水浸しになってしまうことがよくあるようです。
(中略)
除湿剤の容器にたまる水はただの水ではなく、塩化カルシウムの溶液であるため、そのままでは水蒸気に戻りにくく自然には乾燥しないためです。
(中略)
そしてさらに厄介なことに、除湿剤の中にたまる水は、触れた金属を猛烈なスピードで腐食させます。
(中略)
押入れの中などでいつの間にか水がこぼれていて、金属製品などが溶液まみれになって数日気がつかなかったらもうサビサビでアウトです。
(;゚Д゚)
まさにこれと同じことが起こったわけです。wikiにも同じようなことが書いてありますね、おそるべし除湿剤!
大きな被害があったのは一挺だけだったそうですが、その一挺はもう廃墟の鉄骨ばりに錆び・・・というか腐食が進んでさわると穴が開くレベルで、その瞬間廃銃を覚悟したんだとか。

その話を聞いてから、除湿剤はこうやってガムテープで固定するようにしています。下にももうひとつ置いていますが、それも同様。
あとは満水になったものを放置しておくとこれまた漏れることがあるようなので、こまめにチェック。タンクには「水位ここまで」というラインがありますが、そういうのも伊達じゃなかったわけです。
人間関係がドライすぎるのは考えものですが、除湿剤を有効に使ってガンロッカーの中はドライにいきましょう!
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Comment
私は、仕事上でも湿気と戦っています。以前、ろくに点検されていなかった高圧設備の盤内に、湿気が充満し結露して、ある日突然ボンとなった事があります。
メーカーは、更新しかありませんと、3000万円を提示してきました。結局、そのまま更新せず放置していますが。
今は、他の設備に波及しない様に、冬場はスペースヒーターで盤内の温度を上げ、結露しない様にしていますが。
安全性で行くなら、シリカゲルか、官庁でも使用しているそうですが、古河電工のドライキーパーなんかどうでしょう。
ドライキーパーは、この夏から職場でテスト予定です。
どちらも、腐食する事無く再生可能です。ネックは、価格が少し高い事でしょうか。
ドライキーパー、ちょっと調べてみたら・・・モノタロウで48,900円! 買えませんでした! (≧▽≦;)
シリカゲルも効果あるのでしょうが、タンク型のものは水のたまり具合で仕事っぷりが一目瞭然なので、なんか効果がより高そうで今まで使ってました。
Twitterの方ではピアノ用防錆剤を使っているという意見もありまして、試してみたいなぁと思っている次第です。(・∀・)
ドライキーパーは、10枚入りでした。信号機の制御盤とかに使用している様です。また、展示会で見かけたら、もっと安くバラ売りする様に言っておきます。展示会では、お湯の蒸気をどんどん吸い上げていました。
シリカゲルは、湿気を含むと青色からピンク色に変わる物がありますので、それを使用すると使用期限が分かりやすいと思います。
ドライヤーで乾かすと、再利用可能です。高圧トランスなんかに使用されています。
いろいろと調べましたが、カメラ用の乾燥剤(保管剤)が安全で安上がりだと思います。
今の所、銃は銃砲店に預けていますが、そんなに気を使ってくれているのか、よく分かりません。
カメラ用乾燥剤ですか。いろいろあるものですね。また探してみます。
銃の依託保管は盗難の心配が減るところがうらやましい。管理は一般ユーザーよりはましだろうとは思いますが、どうでしょうね。( ̄∇ ̄;)
銃の委託保管は、警察からの指導です。とりあえず、1年間はと言われています。家にガンロッカーはあるのですが。保管料もバカにはなりませんし。でも、仕方ないですね。
一番下の「アサヒスーパードライ」にもっていくためのブログねたでしたか?プッ。それよりも「釘を打った板」が危ない!それこそ、地震で揺れたら銃身のブルーイングや塗装が傷つきませんか。
いやいや、スーパードライはなんとなく思いついただけでして。そろそろビールのうまい時期かな、と。(^∇^;)ゞ
釘自体はかなりヤワな釘なんでそれほど気にはしてませんでしたが、そう言われると気になってきた。なんかで被覆させときます。(´・ω・`)
初めまして、今期空気銃でハンターデビューする者です。
いつもブログ拝読してます。
湿気怖いですよねー。
銃砲店の店長に錆と湿気には気を付けるように何度も言われてますが、
ガンロッカーに除湿剤置く発想が抜けてました( ゚∀゚;)
つい今しがたガンロッカー開けて銃の無事を確認、
さっそく水とりぞうさん買いにいってきます。
あとビールはスーパードライが一番好きです(笑)
はじめまして!(・∀・)
今期デビューということで、おめでとうございます。11月がまちどおしいことかと思います。僕も今からすでにウズウズしています!
錆びるとまずいのは外側もそうですが、バレル内のライフリングがやられると着弾がばらけるので、これを防ぐのも大切かと。僕もオフシーズンにはレインのバレル内にトリフローを吹いて置いてます。
Twitterではピアノ用の気化性防錆剤を使っている、というベテランの方もおられました。ご参考までに。(・∀・)
湿気取りについて、こちらのブログの記事を参考にさせて頂きました。
http://hunt-memo.blogspot.jp/2016/07/blog-post_10.html
[…] 参考:梅雨時の除湿防錆。ガンロッカーに除湿剤を設置する際に注意すること […]