実銃を持つことのデメリットについてちょっと語る。

公開日： 2016/11/05 : 最終更新日：2017/01/07 銃一般

今猟期で5年目になるので、僕がハンターを志したのは今から7年ぐらい前、実際に動き出したのが6年ほど前の話になるのかな。

今でこそちょっとマシになってきましたが、その頃の狩猟といえば大人の趣味としてマイナーもマイナー、どマイナーな存在でした。

当時、情報が欲しくて「ハンター」や「狩り」というキーワードで検索をかけようものなら、ひっかかるのはオンラインゲームの「モンスターハンター」関連のものばかり、という状況だったのを覚えています。

最近は狩猟ブログもそう珍しいものでもなくなってきて情報収集の難易度も下がり、結構なことではあるのですが、猟銃というものが（以前よりは）身近に感じられるようになってきたからこそ、その存在がなんというか軽く扱われているというか、負の面までは目が向いていない所持志望者が多いような気がしないでもなかったり。

そこで今日は「実銃を持つことのデメリット」について、中堅にさしかかりつつあるナウいヤングなハンターがちょっと語ってみたいと思います。（･`ω･´)

その1.空き巣が今まで以上に恐ろしくなる

今僕が一番恐れているのがこれ。銃を盗まれること。

聞いた話によると、仮に複数の銃を複数のガンロッカーで保管していたとして、たとえ一挺でも盗難にあったら、「管理不行届」ということでその他の銃についても許可が取り消されるのだとか。すなわち、実質的に鉄砲撃ちとしての人生はそこで終了となるわけです。orz

そうならないためにもガンロッカーは破壊・運搬が困難なようにしてあるし、銃砲店や射場にあずけるという方法もあるんですけど、プロの盗っ人が本気出せば持って行く方法はあるだろうし、あずけるにしても猟期外ならまだしも、猟期だと僕のように毎週ほど出猟する人にとっては現実的ではありません。

もし空き巣に入られたら、どっちみちほとんど残高ないから通帳や印鑑は持っていってくれていい。でも銃だけは触らんといてくれ、と拝みたくなります。

費用と相談しながらちょっとずつ手を入れています、防犯。こんなのを装着したり。けっこう大きい音が出ます。

こういったガラスの破壊防止シートを貼ったり。

こんなふうに対策をしていても、外出中になんらかのきっかけでふと気になったりもしてしまうのが銃持ちのsaga。自分が外出すると家は無人になる独身者は心配も二重三重です。

その2.事なかれ主義が強くなる

ややっ、子供が泣いている！とても心細そうだ！よし、どうしたのか聞いてみよう！

…と、以前までなら思っていたシチュエーションでも、銃を所持した今となっては関わり合いにならない道を選ぶようになってしまいました。

うかつに声をかけて不審者と間違われたり、それどころか、親がすっとんできて僕が何かして泣かせたと決めつけられるのを防ぐためです。

こういった場合以外にも、仲裁に入ろうとしたり、また降りかかる火の粉を払おうとして挙げた手を別の意味で受け取られてえらい目にあった、ということもニュースやなんかで聞いたことがあります。経歴に傷が入りかねない話です。経歴に傷が入ると所持許可取り消しの可能性も大いにあります。

好奇心が猫を殺すように、ヒロイズムが許可証を殺すことにもなりかねません。こちらの主張が必ずしも通るとは限らない。頭を低く垂れて目立たないようにする。良くも悪くも。

残念ながら今の日本では、それが自分の銃を守るコツのひとつです。(-_-)

その3.賃貸不動産物件への対応が厄介

賃貸物件によっては火薬（≒装薬実包）の持ち込みについての言及であったり、またはそのものズバリ「銃」について契約書に制限事項が記載してある、という場合もあるようで、ハンターの悩みの種にもなっています。

ちなみにうちのぼろアパートも当然賃貸ですが、不動産屋を通さず直接家主さんに交渉して「問題起こさないならおｋ」と言ってもらっています。こういうところは田舎ならではのおおらかさで、ありがたいです。（・∀・）

その4.警察がうざい様が大変きめ細かくてあらせられる

所持まではもちろん、所持することになって以降も、猟銃所持者は何かと警察へ足を運ぶ必要があります。

空気銃オンリーでも銃検で最低年に一度は、装薬銃だとそれに加えて射撃用火薬・装弾の取扱いに必要な「猟銃用火薬類等譲受許可書」の申請で一回、交付でさらにもう一回は所轄の生安課へ。という人は多いでしょう。

僕は平日の日中に動けることも多いのでそれほどでもないのですが、お仕事などの都合でなかなか時間の取れない人も少なくないはず。毎度毎度、上司の白い目に耐えながら有給を申請して生安課へ、という猟友もいます。

もうちょっと融通が利くと助かるんですけどねぇ。まぁ警察もお役所ということですね。(´・ω・`)

その5.ご近所の視線が突き刺さる（かも）

実家にいた時、僕がハンターだというのはそう広い範囲ではないにしてもそこそこ知れ渡っていたようでして、その中に狩猟か銃のどちらか（あるいは両方）によくない印象を持っているであろう方がおられました。

学生時分の通学中に顔を合わせた時なんかには愛想よくあいさつしてくれた方だったのですが、ある時期を境になんというかこう、悪意のあるジト目とでも言えばいいのか、を食らうようになりまして。orz

お察しのとおり、ある時期というのは猟に出るようになった時期。わんこやにゃんこがたくさんいるおうちの方でした。わかってくれとは言わないがそんなに俺が悪いのか。(´；ω；｀)

まぁ、悪いんでしょうね。その人の正義に照らすと。こちらから言わせてもらうと逆恨みですが、そういったこともあるのです。

…と、あげつらってみるといろいろありますが、これを読んで「あ、じゃあやめとこ」という人もないでしょう。

僕自身もそうですが、やりたいことは誰に止められてもやる。やりたくないことは誰に勧められてもやらない。というような性質の人がハンターとその予備軍には多いんじゃないかと感じています。

頭のてっぺんまでずっぽりはまってしまえば、なんだかんだで上記のデメリットなどは些細な問題です。

興味がおありなら、何も気にせずこの世界へ飛び込んでみてください。それらが吹き飛んでしまうほどの達成感と充実感に出会えることでしょう！ (ﾟ∀ﾟ)

Comment

藤屋より:

2016/11/06 06:16

この、ハードルの適度な高さが事故防止には良いのでしょうが、もう少し高くしても良いと思ってます。２ちゃんを覗くと銃関係のスレに「本当に所持者？」と思う様な「精神異常者？」が登場してます。最低限でも、自動車運転免許の様な「性格判断テスト」が追加されるべきでしょう。

返信
- spinicker より:
  
  2016/11/06 20:27
  
  所持までの調査でしっかりとふるいにかけることができれば、以降はそこまでの厳しさは必要ないんでしょうけどね。有効な性格診断テストがあればいい、というのは同意です。
  
  某巨大掲示板は匿名のいいところと悪いところがモロに出てますね。最近はあんまり時間なくてのぞく機会がほとんどないですが。(´・ω・`)
182 より:

2016/11/06 09:06

初めまして、狩猟を始めたいと思ってるものです。
現在、自分は片田舎の社宅扱いの賃貸に住んでおり、大家に散弾銃置いていいか聞いたところ危ないからダメと言われました（泣）
今は空気銃で何とかならないか交渉中です。
まあ、それ以前に金がないので貯めなきゃですけど、３年ほど

返信
- spinicker より:
  
  2016/11/06 20:33
  
  はじめまして！（・∀・）
  
  銃犯罪で一番危険なのは銃そのものよりそれを起こした人間なんですけどねぇ。でも銃に携わらない人からすれば「銃さえなければ…」となるんでしょうか。
  話の持っていき方次第では空気銃ならなんとかなるかもですね。「散弾銃より格段に弱いですよ（←ウソは言っていない）」みたいな感じで。
  
  空気銃はまだランニングコストはかなり楽ですけど、本体が高いですねー。いざとなれば、ろ、ロ、ローン組むなんてのはどうですか！？ (；･`д･´)…ｺﾞｸﾘ
天之より:

2016/11/06 16:17

はじめまして、今年空気銃デビューする天之（あまの）と申します
ネットで色々調べていると頻繁にここがヒットするのでもうブックマークしましたｗ

私の県は沖縄に次いで全国で二番目に所持許可者数が少ない県なので、銃が身近に全くないせいか近所や職場の目は大変に厳しいものでした。クマとかよく出没してるのになー
でも銃を持つための試験や適性検査などはもっと厳しくしてもいいと思いますね
「銃で人を撃ってみたいと思いますか？/自殺を考えていますか？」なんて質問に意味があると考えているのか公安委員会は

返信
- spinicker より:
  
  2016/11/06 20:42
  
  はじめまして！（・∀・）
  
  目が厳しいのは、銃が身近にないのもそうでしょうが、山で起こってることに興味がないか時分には関係ないと思ってるか、というのもあるでしょうね。関心のある人の方が少数派ですから。
  
  適性検査をしっかりやればいい、というのは同意です。先日も、どこかの誰かが射場で単体弾を三連射してる動画をツイッターに上げてちょっとした騒ぎになってました。
  他のツイートを見ても、なかなか香ばしい人だったようです。ああいうのをきっちりふるい落として欲しいですねー。
うおっちより:

2016/11/06 22:08

こんばんは。
先週の土曜日に賃貸物件と契約しました～
正直、銃置いて良い物件見つからなくて、委託保管も考えていました。
ハウスメーカーの物件は特に厳しい・・・
今までは一軒家だったので、現実の厳しさ教えられました。
探し回って、何とか見つかって。今ホッとしています。
ただ、防犯意識は今まで以上に気を配らないといけませんね。
住居が近い分、こちら（銃所持者）を見ているものと思わなければ。

散弾銃／エアライフル所持を考えているけど、賃貸物件に住んでいて難しい人。
委託保管を考えてみてはいかがでしょう？
料金は、1丁に付き一ヶ月3000円が全国規格だったかな？
但し、ガンロッカー、装弾ロッカーの設置は必須ですけど・・・
早朝から出猟するには、前日まで出しておいて、自宅のロッカーに保管しときます。
取りに行く煩わしさはあると思いますが、所持のハードルは下がって、セキュリティーは自宅保管より上です。
がんばって！

返信
- spinicker より:
  
  2016/11/07 17:20
  
  賃貸住宅における銃保管は一筋縄ではいかない問題ですよね。うちは大家さんがその土地では有名な人だったので直接話をしに行けましたが、そんなケースはまれでしょう。(￣∇￣;)
  
  近所に銃砲店や射場があれば保管依託もいいですね。月3000円かぁ…。安くはないけど安心代としてなら納得できるかな！（・∀・）
monndou_n より:

2016/11/07 12:51

私の場合は、銃を所持する時に、近所の人に証言をお願いをしたら、断られて、それから仲がおかしくなった方もいています。
釣りで、釣った魚なら、喜んでもらうのに、猟で仕留めた鹿を持って行ったら、野蛮な人と、思われてるのかもと思ったりするので、近所にはまだ、肉は持って行ってません。罠の師匠も同じ事を言われてました。

銃の保管は、警察から、1年ぐらい(猟期を除く)は銃砲店に委託保管してね。と言われました。それでも、心配なので、ホームセキュリティは契約しましたが。

銃を所持する事は、常に責任が伴うので、大変ですね。

返信
- spinicker より:
  
  2016/11/07 17:28
  
  日本では「狩猟をする人＝変人」みたいな風潮が主流ですね。僕も近所では猟友会ベストやキャップは着用しないようにしています。まだまだ日本ではハンターは肩身が狭い。orz
  
  うちの所轄でも銃検時の面談で必ず「銃砲店への保管依託は検討されていますか？」という一文が入ります。警察としても自宅では保管してほしくないのかも。そこまで言うならせめて猟期外ぐらいは所轄で預かってくれればいいのに。(´・з・)