ハンターになってわかった猟犬と巻き狩りの危機
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最終更新日:2016/10/18
ハンターになってわかったこと

僕は自分がこの世界に入る前の状況はもちろん知りませんが、聞くところによると人の動きはやはり悲惨なものだったようです。
やめていく人>>>>>>>>>>>>>>>入ってくる人
といった形。
今でも人数増減の形勢は変わらないものの、各地での狩猟フォーラム等のおかげか新規参入者数はやや持ち直しているというのはこちらの記事でもちょっと扱いました。
僕もこんなブログをやっている縁で、そういった新規参入の人たちと会って話をしたりメールでやりとりすることもありますが、ひとつ気づいたことがあるのです。
誰一人として「猟犬を飼うつもりだ」と言った人がいない―
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若者の猟犬ばなれ!

当サイトにメールをくれた方の半分以上が「最初は空気銃から始めたい」とのことでした。
これは世に出ている中古空気銃の動きの早さから見ても、しばらく前から続いている状況であることはまちがいなさそうです。かく言う僕もそうだったぐらい。
で、狩猟の世界に魅せられて、そこから装薬銃を追加する人も(僕の周囲では)少なくないのですが、そういった人でもやはり猟犬を飼う意志のある人は0でした。飼いたい人はいても、実際に行動にまでは移せない。
普通のペットとしての犬を飼うのも決して楽なことじゃないのに、猟犬となると訓練やらなんやらでもうひと手間ふた手間かかります。
山へ入って獲物を追うとケガだって日常茶飯事。シシに切られると大ケガにもなるし、極端な話、二度と帰ってこないことすらあるのです。シシに殺されたり、野性に帰りすぎて主人のもとへ帰って来なかったり(洋犬に多そう)。
そんなことがあるぐらいだから、獲物を追っていった犬の回収も大変。
人間はヘトヘトになってるのに、そこからさらに2時間3時間それ以上、犬を追って山を歩かないといけないような事態におちいることもあります。
こういったことがあってベテランでも手を焼かされるぐらいなので新規参入者が二の足を踏むのは理解できますが、冷静に考えてみると・・・
今の犬や犬持ち猟師さんがリタイアしたら、どうやって巻き狩りをするんだ?
理想はみんなで負担分担???

今の流れだと10年するかしないかで、巻き狩りの体制が維持できなくて解散せざるをえない猟隊が出てくるはず。まずまちがいない。というかもうあってもおかしくない。
このままではまずい。人がいないのももちろん問題だけど、犬がいないのも大いに困る。どうすれば・・・ orz
犬持ちの人の負担を猟隊で分担する? 助成金をひっぱってくる? 犬なしで獲物を発見・追い出し・追跡できるようにハンターが鼻と足をきたえる? 巻き狩り自体をあきらめる? 大きなグループに移籍?
ううむ。いい考えが浮かばない。orz
これは巻き狩り・グループ猟を愛するすべてのハンターが知恵を出しあうべき問題ですね。しかももしかしたら、狩猟の魅力まるわかりフォーラムでも解決にはほど遠いとあって、ハンター数減少より厄介な問題かもしれません。
僕はいい知恵が浮かばないので、いろんなところでこの問題を話題にすることで貢献できればと思いますです。(´・ω・`)
・・・僕のうちで猟犬ですか? ぼろアパート住まいなんで・・・。大家さんを説得してくれたらワンチャンあるで!
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Comment
うちのグループでは会費制にしていて,特に額が大きくなる犬の治療費はそこから出すことになっています.会計報告をみんなが納得できるようにきちんとすることが前提ですが.私も犬は飼いたいけど,今の自宅では無理なので,その分猟場で遊んで(遊ばれて?)います.笑
こちらもシシ猟隊の方は会費制です。犬いっぱいいるし、やっぱりケガも多いし、設備は充実してるしで納得いく内容です。
犬はケガで済んでくれればまだマシですね。僕はその時は参加してなかったのですが、昨期のシシ猟隊で犬が一頭帰ってこなかったことがあったそうです・・・。(´;ω;`)
犬ですか。。。私は猫派なので、犬は飼えませぬ。。。
にしても、大問題ですね。狩猟がお金持ちの道楽と位置づけられるのは、銃の値段と犬の維持費と言ったところなのですね。
狩猟試験は、罠だけの人が毎回100人近くいて、1種は10名にも満たない状態です。そして私のような2種のみは。。。皆さん、犬の要らない罠にシフトしてきているのですね。
考えてみると、空気銃の単独鳥撃ちということで言うなら、初期費用はかかるけどランニングコストで考えれば大人の趣味としてはけっこうリーズナブルかもしれませんね。装薬で犬持ちとなると・・・僕にはいろいろと無理です。orz
僕もどちらかというと猫派です(猫アレルギーだけど)。猟猫がいたらいいんですけどね!(・∀・)
1年坊ですが、シシ犬を飼う人の減少問題は実感しています。
飼うためのハードルが高く、住宅地に住んでいる人はまず飼えないでしょう。
自分もその一人です。
犬の訓練の為に山の近くに住んでいたほうが良いでしょう。
犬は吠えるので近隣に民家が少ない所、やはり山の近くになりますね。
「仕事に就きながら、多数の犬を飼う」というのが最大の原因でしょうか。
訓練、犬小屋掃除とメンテ、餌やり、他にも色々・・・
飼っている方には本当に頭が下がります。
鳥猟犬はちょっとわかりません・・・
やはりエアライフル猟は魅力的ですよね。
漫画の影響も大きいですし。
自分もエアライフルから入ろうと思っていましたが、今はグループ猟から初めて良かったと思っています。
山のルール、猟のルール、銃のルール、人付き合いのルール、獲物の捌き方、色々教わりました。
それを知らないで山に入っていたら迷惑な人になっていたかもしれません。
私事ですが、この土曜日に罠取るために講習会に行って来ました!
罠取る人は多いですね。
おそらく農家さんが多いんでしょうね。
死活問題でしょうから・・・
序に・・・
もしここを見ている人で、罠だけ免許を取って趣味で始めてみようって人は、グループ猟が行われている山で掛けるのは止めておいた方がいいです。
どうしても其処でしか出来ない場合、そのグループの人に接触して掛けても良いか聞きましょう。
箱罠なら大丈夫でしょうが、ワイヤーを締め上げる物は、犬が掛かる可能性高いですし、掛かった場合最悪足の骨が折れてしまいます・・・
そうなると高額な治療費を請求されることも在るそうなので気を付けましょう。
猟師は気が強い方多いので、もしトラブルになった時色々ありますから・・・
長々とすみません。
僕も罠にあこがれはあるんでいずれ取りたいとは考えてますが、もうちょっと先になるかと。新しい班長さんが地元で罠をやっておられるので、将来は教えてもらえたらなと。
まったくの新人罠猟師だと、猟犬がかかるかもしれない、なんてのはまったく頭にないでしょうね。でも実際トラブルがあるというのは聞いたことがあります。そういう点を助言してこそ猟友会の値打ちだと思うのですが、そういった形でのサポートはやってるんでしょうかね猟友会。
詳細なコメントはありがたいかぎりです。僕の知識だけではわからないことを注釈してもらえるのは大変助かります。m(_ _)m
師匠と相談して、鹿追用にビーグルを飼うつもりで嫁を説得している最中だったのですが…。突如、7月1日に会社の設備の中から、生後2週間ほどの子猫を保護してしまい、家で飼うことになってしまいました。
なので、これ以上生き物を飼う事が出来ないので、猟犬は飼う事が出来なくなってしまいました。
(犬は、猛反対だったのに、猫なら、即答でOKて。)
猫に猟を躾けようと思ったのですが…。Gぐらいしか捕まえられないですよね。
今期は、どうやって猟をしようか悩み中です。(設備の中から、ビーグルがとか、無いですよね…。)
猟犬を飼いたい、と考える人は少なくないんですが、実際に飼えるかというとなかなか難しいですよね。猫ならOKという気持ちもわからないではないです、個人的には。中型犬より大きい犬はやや苦手です。
保健所やアニマルシェルターから素質のありそうな犬を、というのは考えたことはありますが、難しいでしょうね。ダメだったからといってまた引き取ってもらうというわけにもいきませんし。(´・ω・`)
巻き猟のネックですね。師匠は「犬は消耗品」と言ってますが、良い犬は200万はするので消耗品扱いできる人は僅かでしょう。故に私はエアライフルで括りです。罠に掛かった猟犬で保障問題が有るように聞きますが基本、犬は山でも離してはいけない筈で、離す場合も管理下におかねばなりません。よって、罠カンバンの有る括り罠は正当です。この事も巻き猟が衰退していく要因でしょう。保障を言ってくる人はゴネてるだけで、裁判にすれば良いでしょうね。
2 0 0 万 円 !
まじすか、そんなにするんですか。そりゃ盗まれるわけだ・・・。洋犬は人なつっこいの多いから簡単についていきそう。
放す場合も管理下に、というのは法的にはペットと同じような感じみたいですね。猟犬とペットで区別はないのかな。犬は犬でも役割はぜんぜんちがうんですけどね。( ̄∇ ̄;)
お話の流れ見ましたが、将来(これは結構先)に代われそうなのはボストンダイナミクスの4足歩行ロボット(音が相当うるさいらしい)。
とか、あとは比較的、近い将来だと補助に使えそうなのはドローンですかね。
ドローンは結構な音がしますし、位置情報の管理はもちろんリアルタイムの映像受信と音声送信(山だとドローン同士で中継させてアンテナを高くして受信とか必要そうですが)もできます。
大きな音や犬や人の声をスピーカーから遠隔で出すのも簡単ですし。ちょっとした激しい音と光を出すものを投下することもできますし・・・。お値段も1機あたり現状で10-20万円程度~(GPSで指定した通りの自立飛行が可能なもの)でも高性能なのが買えますし、餌代はバッテリーと電気代と部品の消耗品。
複数を統合的に動かして、複雑な飛行パターンも可能ですし・・・(複数機で輪を縮めるように追い込んだり)。
最近では、カメラで人の認識ができますから、仕組みとしては(赤外線カメラ等を平行利用で)猪や鹿等(人間がいる場合の注意喚起も)を認識して場所を発信したり、自分がいる方向に追い込む補助もできそうです。
ちょっとだけ補足ですが。現状ドローンの飛行時間はバッテリーで数十分ほどですが、すでに燃料電池を使ったタイプでテストされて現状でも連続数時間の飛行ができているようです(現行の市販品の技術情報のみを知ってて突っ込まれることが多いので・・・)。
犬でも数時間連続で走りつづけるのは不可能なので、その辺はかえって有利な部分も出てくるかもしれません。
単独での利用だけでなく、数が足りない猟犬の補助としての組み合わせもありかなと思いました(犬の発信する位置情報を上空から中継したり、飼い主の命令をドローンや首のスピーカーから出したりも可能かと)。
将来、燃料で動く4足歩行ロボット(こちらは元々、米軍のリアル戦争での山岳荒地を含めた150kgとかの荷物運搬用ですが)が安価に出てくるとお払い箱かもしれませんが・・。
はじめまして!
猟犬を使っての巻き狩りという昔ながらの猟芸を最新のテクノロジーに置き換えて、というのは非常に興味深いです。
・的確に獲物を発見・追跡できるか
・獲物がドローンを脅威と認定して逃げてくれるか
の二点をクリアできればそれ以外、位置の捕捉なんかは現状の技術でも問題なく運用できるはずなので、期待できそう。
猟犬のかわりを機械で、という発想はなかったので目からウロコです。これが実現すれば手間はかなり解消されますね。
古くからの猟師だと抵抗のある人がいそうですが、そんなこと言ってられないのが狩猟界の現状なので、ドローン技術の向上に期待しています。自律して全自動で追ってくれれば、というのは虫がよすぎるかな・・・ ( ̄∇ ̄;)
はじめまして。
静岡の猟師です。専門分野は情報科学です。
犬の訓練は大変です。時間もかかりますし、個体差もありますので、訓練すれば全部が猟犬になるかといえばそういうわけでもないです。私は猟のために、柴犬という偏屈な選択をしましたが、雉はしっかり追い出してくれます。しかし、そうなるまでに4年の歳月を費やしました。犬との共猟が好きでなければできないと思います。
犬が獲物を探す感覚というのは、未だ科学で十分説明できない不思議なものがあります。これは体験しないとわからないでしょうね。
はじめまして!(・∀・)
ドローンを犬代わり、というのは実現すれば素晴らしいのですが、実際は乗り越えるべきハードルが山ほどあってむずかしいんでしょうね。犬の感覚器官をどうデジタルに変換するか、とか・・・
柴をシカ猟に使うという話は聞いたことがありますが、キジも出してくれるとなると、案外猟犬としていい選択なのかもしれませんね。ただ実際はそううまくいかないから柴の猟犬はあまり見ない、ということなんでしょうけど。うまく訓練をされたということですね!