狩猟の質問「なぜ弾頭は鉄じゃなくて柔らかい鉛なの?」に答えます!

公開日: : 狩猟の質問答えます!

狩猟の質問「なぜ弾頭は鉄じゃなくて柔らかい鉛なの?」に答えます!

最近は開店休業状態のブログ宛てメール。久々に質問が届きました。

なぜ鉄砲の弾は鉛でできているのですか? 鉄の方が硬くていいんじゃないのですか?

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これは以前の僕と同じ疑問。僕も弾頭が鉛でできていると知った時、似たような不思議さを感じたものです。

釣りをするので、おもりに使われている鉛の性質はある程度はわかっていました。柔らかくて重い。なんでこんなものを弾にしたんだろう。もっと硬い鉄とかの方がいいんじゃないのか。
ははん、わかった。考えたやつはアホだったんだな。

なんて、そんなふうに考えていた時期が僕にもありました。

しかし後日、弾頭の働きに関する話を先輩から聞いて、やはりアホなのは僕の方であるということを教えてもらったのでした。

柔らかいことのメリット

狩猟の質問「なぜ弾頭は鉄じゃなくて柔らかい鉛なの?」に答えます!

どうも「柔らかい武器のメリット」というものがよくわかりませんでした、説明を聞くまでは。というか、想像すらしてませんでした。話を聞いて理解できましたが、それはものすごく恐ろしい理由だったのです! (((( ;゚Д゚))))

狩猟の質問「なぜ弾頭は鉄じゃなくて柔らかい鉛なの?」に答えます!

ざっくり言うとこういうことになります。

シカめがけて発砲したとします。右側から飛んでくるこの赤い弾頭が仮にとても硬度の高い物質でできているとします。

狩猟の質問「なぜ弾頭は鉄じゃなくて柔らかい鉛なの?」に答えます!

硬いので変形しません。きれいな形状を保ったままスッと貫通していきました。

狩猟の質問「なぜ弾頭は鉄じゃなくて柔らかい鉛なの?」に答えます!

同様にシカめがけて発砲したとします。しかし今度の青い弾頭は非常に柔らかい金属で形成されているとしましょう。

狩猟の質問「なぜ弾頭は鉄じゃなくて柔らかい鉛なの?」に答えます!

柔らかいので、体内を進む抵抗でぐにゃりと変形します。

しかし十分な射出エネルギーを得ているので、変形しながらも前進します。そして、変形することで表面積が増えて破壊できる範囲も増えることになるのです!

空気銃用ペレットのマッシュルーミング01

これは空気銃用のペレット。左が未使用品。右が獲物の体内から出てきたもの。柔らかいのでひしゃげています。弾丸のマッシュルーミングというやつです。

この状態で体内を進めば、きれいな形のままより大きいダメージになる、というのはイメージしていただけるかと。

狩猟の質問「なぜ弾頭は鉄じゃなくて柔らかい鉛なの?」に答えます!

30ft/lbほどの今となってはハイパワーとは言えない空気銃であれば「変形する」程度で話は終わります。しかし、もっと出力の高い装薬銃であれば変形では済まないことも。

こんなふうに、弾頭が体内で砕け散って四方八方に飛散、まっすぐの方向以外にもダメージを与えることだってあるのです。その先に重要な臓器や大動脈なんかがあれば、ひとたまりもありません。

戦争映画とかでもたまにありますね。「弾の破片が残ってる、摘出しないと!」とかって。ナイフ焼いてほじくり返して、っていう、あの見てるだけでタマが縮み上がるようなあれです。_:(´ཀ`」 ∠):_ …

このように、柔らかい=変形しやすい弾頭は、より大きなダメージを与えられるという点で硬い弾頭より狩猟には向いている。ということになります。ターゲットも頑強な物体である対物ライフルとかの弾だとまた別なんでしょうけどね。

重いことのメリット

狩猟の質問「なぜ弾頭は鉄じゃなくて柔らかい鉛なの?」に答えます!

これはまぁすぐにイメージできました。重い方が威力がある。重い物の方が慣性の法則によってそのまま進み続けようとする力が強く働きます。
重いとそれだけ分射出に高エネルギーが必要になりますが、そのへんは無煙火薬の量で調整しているわけです。

比重は鉄が7.8(1立方メートルで7.8トン)に対して鉛が11.4。1.5倍ぐらい重くなっています。

比重だけで見れば鉛より重い金属もあるんですけどね。金とかプラチナとか。

今日現在で金1gが4884円なんで、金で弾頭を作るとすると、重量が1oz(28g)として…。弾頭だけで1発あたり13万6752円になります。むりむりむりのかたつむり。(^q^)

重さと硬さ、そして原価。このあたりのバランスが優れているのが鉛、ということなんでしょう。

鉛のデメリット…

https://www.change.orgより

このように弾頭として優れた性質を持つ鉛ですが、一方でその有害性の高さもハンターであれば誰もが知っていること。

半矢で倒れた獲物の肉を猛禽類をはじめとした野生生物が弾頭ごと消化、鉛中毒で命を落としてしまうという問題が、特に北海道で目立っています。

対策として北海道では鉛弾頭の使用禁止が法で定められているのですが、未だに使用をやめない違法ハンターが後を絶ちません。

そういえば、鉛の対極として鉄を引き合いに出していますが、代替物質として硬さ控えめの鉄「軟鉄」もあると聞いたことがあります。今では銅弾が主流になっているみたいですけど。

ゆくゆくは本州でも同様の決定がなされるでしょうが、北海道ほど被害が目立たないこと、弾頭としての鉛の優秀さから、話はあまり進んでいないようです。

僕は猛禽類の死骸を当地で見つけたことはないんですけど、池で浮いているカモなら過去に二度ほど発見しています。

当時は誰かの半矢かな、と思っていただけでしたが、今から思えば散弾の粒を消化用の小石として飲み込んでいたとかかもしれませんね…。次見たら外傷があるかどうか調べてみよう。(´・ω・`)

そんなこんなで色々ありますが、弾頭に鉄ではなくて鉛を使用する理由として主だったところはこういった点である。

と締めくくって、答えとさせていただきます。m(_ _)m

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Comment

  1. LtcHughes より:

     銃が発明されたばかりの頃、平筒に鉛の弾を入れて棒で突ついて、銃身の内側にしっかりと密着させるのに都合が良かったのでしょうね。

     また、初めてライフリングが出始めて丸い玉から砲弾型になった頃も、砲弾のお尻はえぐられていて、火薬爆発のガス圧でお尻が広がって、ライフリングに密着できたり。

    ちなみに、鉛むき出しの弾で戦争をやっていた頃は、骨に被弾した場合など、手足を切断していたんですよ。弾の破片を完全に除去するのは不可能だったので、鉛の破片を骨の中に残して大変なことになるよりも、命を救うために切断することを選んだんですね。

    • spinicker より:

      確か今は鉛のコアの周りを銅で覆ってるんでしたっけ。FMJ弾ですね。銃器にはそれほど興味なかったんですけど、銃猟やってるとそれでもちょっとずつ知識ついてきますね。(´ー`)

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