WWFのコラム「クマの保護管理を考える」の読み応えがすごい件

公開日: : 狩猟よもやま話

ツキノワグマ

個人的には、日本国内の狩猟の最高峰は「ヒグマの単独忍び猟」なんじゃないかと思っています。大口径ライフル背負って、雪の上に残った足跡を場合によっては何日も追って・・・。まぁこれはイメージで実際にこの通りかはわかりませんが。

ヒグマは北海道にしかいないので、本州だとツキノワグマということになりますね。

ツキノワは地域によって生息数に大きく隔たりがあるようで、おおむね西へ行くほど個体数が少ない様子。九州では残念ながら絶滅した公算が高く、四国では残り十数頭~数十頭だとか。反面、東北では増加傾向でもともとの生息数も多いと聞いています。

そういった日本のクマに関する情報が数多く記載されているのが、WWF(世界自然保護基金)ジャパンのウェブサイトのコラム「シリーズ:クマの保護管理を考える」と、それに関連した活動記事です。このコラムがすごくいい出来!

まずテキスト文字数。これが1コラムあたりざっと5000~8000字強。このブログが1記事1000~1800字ぐらいであることが多いので、ざっくり計算で5倍ほどのテキスト量。しかもキッチリした取材に基づいてる分、内容のレベルもとても高い! 僕のブログとはえらい違いだ! (゚∀゚;)

そして内容もさることながら、タイトルのつけ方がいちいちうまい。とても読んでみたくなるタイトル! これ企画した人は広告の仕事をやってたか、もしくはやってるかじゃないかなぁ。

四国ツキノワグマの調査画像

画像はWWFジャパンより

生息数の少ない四国のクマたちの画像もあります。貴重な調査画像なんだから、クリックで大きいのが見れたら興味を持つ人も増えるかもしれないのに。これはちょっともったいない。(´・ω・`)

こんなブログに来るような人には是非一度目を通してもらいたい出色の出来ばえなので、該当コラムへのリンクつきインデックスを作ってみました。WWFのサイトをググるのが面倒なズボラさんもこれで安心ですね! (・∀・)

このシリーズはどれも読み応え抜群なんですが、なかでも特に共感できたのが「クマの保護管理を考える(12)ヒグマと人間 その境界の最前線から」の記事の見出し”過酷なパトロールの現場”と”熟練ハンターがいなくなる”のところ。

ここには、我々ハンターにはなじみの深い「ハンターの後継者不足」問題と、それにからんだ熟練ハンターからの金言が載っています。

「鉄砲を持っているからといって、クマの行動が読めるかというと、決してそんなことはない」という青山さんは、こうしたクマの害を最前線で防ぐためには、何よりもクマを、そして山を知る必要があるといいます。

「私にクマの撃ち方を教えてくれたマタギの爺さんは、クマ撃ちとして生計を立てていた最後のマタギの一人でした。うちに寝泊まりして、いろいろなことを教わったけど、その先輩がこんなことを言っていました。

まずは山を知りなさい。その次にクマの行動を知りなさい。鉄砲はその次、三番目だと。山は知らない、クマの習性も知らないで鉄砲を撃って、弾が当たらなかったらどうなります?

クマが山に逃げてくれればいいけど、町に逃げるかもしれない。山を知り尽くし、山にいるはずのクマがなぜこんな人里にまで出てくるのか、十分に考えなくちゃならない。

でも、クマの行動の先の先まで読めるハンターなんて何人もいないし、今それができるハンターもあと何年続けられるか分からない。それまでに若手を育てられればいいけど…」

僕のターゲットはクマではないですが、うーむ。確かに。もっと猟期外でも猟場の山を歩いて周囲の様子を観察しておくべきだよなぁ、ハンターとして。耳が痛いっす。orz

僕がシカ撃ちで入っているその猟場の山ってのは奈良県にあるんですが、そこへ行くまでの集落で「クマ目撃有り注意」の看板を見たことがあります。

紀伊半島のツキノワグマはこのページによると「絶滅のおそれのある地域個体群(LP)」で、推定生息数は180頭だとか(もちろん紀伊半島のツキノワグマは捕獲禁止)。

加えて、上の資料では、紀伊半島は特に植林地域が多くて生息地の質が低い。とあります。吉野杉みたいなブランド杉があるってことは、そのぶん自然林が少ないってことだろうし。(´・ω・`)

人間って良くも悪くもすごい、あれだけの面積をほぼ手作業で植林したってことなんだから。ある意味緑化による環境破壊、みたいなもんか。植え替えて広葉樹林にできればいいんだろうけど、簡単にはいかないんだろうなぁ。

ちょっと脱線しかけましたが、WWFのコラムは日本の生物多様性と生態系を語る上で外すことのできないクマと人間の関係を詳細に記した佳作。

じっくり読むと数時間はかかる内容ですが、それだけのことはあるので、休みの日にでもぜひ!

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