見つけないと撃てない。僕がシカを発見する時に見ているのはここだ!
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狩猟よもやま話
2023年度の猟期が始まって二十日あまり。早いようなそうでもないような。皆様、獲物には恵まれておいででしょうか。(・∀・)
僕は今期は調子よくて、現時点ですでにシカ7つほど転がしています。移住してきて3年たってぼちぼち獲物の居所もわかってきた。というのもありますが、やましろちほーはシカに関して言えばだいぶ増えてるように思います。そのおかげが大きいかな。出猟すればほぼほぼ鳴らしています今のところは。よく見かけるんだもの。
もうひとつ言及するなら、ハンター始めて11年目。獲物を発見する目がだいぶ養われてきた。てのを最近ちょっと自覚している自分がいます。我ながらよく見つけたな、ぺーぺーの頃なら素通りしてただろうな。そんなシチュエーションで気づいたシカもあって、やはり成長するものですね人間!
そういうちょっとしたコツのようなものがおぼろげに見えてきた気がするので、シカ限定になりますが、今日はそのへんを軽く取り上げてみることにしましょう。
居そうな場所には居そうな雰囲気がある
たとえば、はじめて入った山でも、なんとなく「このへんは怪しいな」と勘がはたらくことがあります。
”勘”とは「言語化できていない経験則」だという意見がありますが、おおむね同意できます。
僕の場合は、その場所にシカがいることを鮮明にイメージできる場所。なぜイメージが鮮明かといえば、そんな感じの場所で過去に繰り返し繰り返し遭遇しているから。少し開けた感じの日当たりいい雑木の疎林。冬場なら近くに笹があればなおよし。
薄そうな場所に神経割いても効率よくない、濃そうなところにリソースを集中!
まず前提として、そういうところに差し掛かると、アンテナをMAXにして進入します。
広がった耳
図にしてみました。下手です。だがそれがいい。なまじ上手いよりは下手な方が、伝わった時にめっちゃ言ってることがわかってもらえるはず。
まず、一番目を引く、足が止まるのが左右に広がった耳。同じぐらいの大きさの耳が斜め上方に、左右対称に展開されている形状ってのは、山の中では案外目立つものです。他にそんな形状のものってあんまりないから。
シカがこの状態の時ってのはこっちに気づいて注意しているんだけど、それでも射程距離内で様子をうかがってることも少なくないので、射獲できる目も十分あります。
倒木っぽいけどよく見るとしっとり質感の胴体
次。胴体。頭とかケツとかが木々に隠れて胴体だけ見えてるってケースもよくある。
遠目だと、うーん。岩かな、倒木かな? と、双眼鏡をのぞいてみると、岩や木にしてはなんかテクスチャの質感が違う…。…ん、毛皮! シカ! ( ゚Д゚)
縦のラインが多い疎林において、それっぽい横のラインとして目に入ってくるのも違和感たりえます。
独特な間隔で並んでる四本の脚
これは同じぐらいの太さの灌木が集まってるエリアでは難しいけど、たとえば下草のとぼしい植林帯の中であれば、
ヒノキ ヒノキ ヒノキ ヒノキ
ヒノキ ヒノキ ヒノキみたいに見えたりして、これもやはり違和感としてアンテナにひっかかる一因です。
黒く縁どられた白い尻毛
確かに山中においてあの白い毛はよく目立つけど、その周囲が黒々とした毛で縁どられていることによって、さらにシカの尻としてこっちの認知センサーが反応します。
これがポンポン跳ねて行ってる時は気づかれて逃げて行ってる時なので、その状態でいちかばちか撃つよりは、射程距離内で立ち止まってくれることを期待した方がましかな。まあでもそうなると8割方逃げられる印象。
では、これらをひとつにまとめてみると。
どうでしょう。下手なくせになかなか特徴つかんでないですか? まあまあ説得力あるでしょう? (´_ゝ`)
以前から言ってることですが、最重要猟具はガソリン。山へ行かないと始まらない。何度も何度も、足しげくフィールドに通ってれば嫌でもなんか気づきます。
で、山へ着いたら、自分の目を補ってくれる双眼鏡の出番。視野が広くて明るい防水のやつがいいでしょう。気になったところ、違和感の正体をクリアなレンズで確認。歩く。確認。その繰り返しです。
たいていのところでシカの増加傾向は続いていくと思うので、ハンター目線ではチャンスといえばチャンス。発見できる目を養って猟果へとつなげていきましょう。
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Comment
いろいろと参考になる情報をありがとうございます。初猟期だと言うのに、ゼミとレポートはかりで射撃練習しかできていませんが……
そっちの方が大事ですよ。猟はいずれ存分にできる時が来ることでしょう。その日までは学業優先してください。(・∀・)