狩猟関連失敗談その8 獲物が複数いる時に考えるべきこと

公開日: : 狩猟関連失敗談

狩猟関連失敗談その8 近距離にシカの群れがいる時は…

キャリアが何年あっても、初めてのシチュエーションとか、めったにない状況に遭遇した時には、すぱっとベストな行動をチョイスするってのは簡単なことではありません。そうありたいんですけどね、これがなかなか。(´・ω・`)

僕のキャリアは来期で空気銃7年目、装薬銃5年目。そろそろひよこ卒業かな、尻にくっついた卵の殻とれるかな。といったところ。経験豊富とは逆立ちしても言えません。

なので、以前あったチャンスでも、選択したのはこういう行動でした。

スポンサーリンク

近くに一頭、遠くに一頭+α

以前、巻き狩りにて待ちについていた時のこと。

犬がいる方向に目と耳を向けて警戒を厳にしていると、その反対側、背後からカサカサという小さな音が。

膝射の姿勢でゆ~~~~~っくり振り返ってみたところ…そこにいたのはメス鹿の群れ。犬とは関係のない方角なので、単に通りがかっただけのようです。

狩猟関連失敗談その8 近距離にシカの群れがいる時は…

オレンジが僕で緑が木。

まず①の近い方、30~40mほどのところに一頭。そして少し離れたところ、②の方向50mほど先にもう一頭。
さらに向こうにまだチラチラ動くものが見えるのでもう数頭いるようですが、とりあえず射程内で捕捉できるのはその二頭。

地形はこちらが山側、群れが谷側。けっこうな撃ち下ろしになります。どの個体も僕にはまったく気づいていません。のんびりゆったり、右から左へ移動しています。

…さて、この局面。麻雀の「どれ切る?」みたいになりますけど、どちらを撃ちましょうか?

答えはこれもまた麻雀と共通点があります。前提条件がわからないと正着がどうとは言いにくいですね。

結論から言うと、僕はこの時近い方の①を撃ってしまいました。(´・ω・`)

条件次第では正解だろうけど…

これが単独猟であれば、二頭同時に倒したとしても解体が大変でやってられないので、近い方を確実に。ということで、まぁそれはそれでよかったのかもしれません。

しかし、この時は巻き狩り。人手はたくさんあります。二頭が三頭でもそれほど手間じゃありません。加えて、何度か連続で獲物にあぶれていて、ぼちぼちドカンと肉欲しいなぁ。なんて思っていた矢先の出来事だったのです。二頭獲りたかった。(´・ω・`)

複数頭をゲットしたいのであれば、この状況ではやはり遠い方から撃つべきでした。近い方から撃ったので、遠い方の個体はその発砲音で走り出し、二の矢をかける頃にはさらに遠くなってしまっていたのです。

これが逆であれば、遠いといっても膝射50mなら勝算は十分にあります。しかももう一頭はもともと近いので、走ったところで二の矢のチャンスはこれまた十分。少なくとも、近い方から撃った場合より可能性は高かったのは明らかです。

この時の結果も、やはり遠い方の一頭には矢をかけられませんでした。

狩猟関連失敗談その8 近距離にシカの群れがいる時は…

ハンターって案外こういうところがあります。獲物を目の当たりにすると融通が利かなくなるというか、視野が狭くなってしまうというか。

この時は「膝射30mならネックショットでトンコロいける、もらった!」と先走ってしまったのが原因かな。大物猟やってるとトンコロってある意味ステータスだしなぁ。先に遠い方から撃てばよかった、と思い至ったのは一頭目を転がしてからでした。

「発射した弾丸が公道上を横切る形での発砲禁止」という規定は、ハンターのそうした習性を見越して設定したものなんだろうなと思っています。目の前に獲物がいると、射線を横切る形で車が走ってきても目に入らない。実際、過去にそういった事故があったんだろうなぁ。

今回はシカだったけど、空気銃でのカモ撃ちでも似たことはよくあります。

車で池を流している→なんか浮かんでる、なんや!?→コガモやんけ、撃ったろ!→スパーン→あかん、外してしもた!→パタパタパタパタ(奥の茂みからカルが飛び去る)→そんなとこにおったんかい!Σ(゚д゚;)

というのを何度やったことか。形は違えど、獲物を前にして視野が狭くなった結果という点で根っこにあるものは同じです。

カモ撃ち歴の方が長いので最近はかなりましになってきたけど、それでもたまにやらかします。修行が足りない。orz

狩猟関連失敗談その8 近距離にシカの群れがいる時は…

というわけで。

ここに失敗した男がいて、恥を忍んで体験談を書き散らかしたわけです。

同じような状況になった時、この話を思い出して、ベストな行動をチョイスできるよう、視野を広げるための予備知識としてもらえたら僕も失敗した値打ちがあります。俺の屍を越えて行け!( ゚Д゚)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

書類記載ミス

僕の狩猟関連失敗談その4 銃の所持許可遅延につながる確認ミス

銃の所持許可を申請する際、大量の書類提出を求められます。それ以外にも平日の昼間しか生安課が受け付けし

記事を読む

山の神様

狩猟関連失敗談その7 山に消えた装備品―神様は供え物がお好き?

神とか仏とか、ほぼ信じていないspinicker。 神に祈る状況といえば、満員電車内で

記事を読む

剣鉈01

僕の狩猟関連失敗談その1 大が小を兼ねなかった猟具

僕は形から入る人間なので、実際の使い勝手はともかく「ハンターといえばこう、使う道具はこれこれ

記事を読む

高揚感

狩猟関連失敗談その6 ハンターズハイ、再び

「獲物をしとめた後は高揚感から普段ならやらかさないようなミスをしてしまうことがある」

記事を読む

ちくしょう!

僕の狩猟関連失敗談その2 二輪駆動車の限界

僕の住まいは大阪の南河内。気候は比較的温暖で、積雪はもちろん降雪もあまり見られず住みよい地域

記事を読む

狩猟関連失敗談その9 獲物の解体シーンをハイカーに見られた結果。

狩猟というアクティビティは賛否両論、何かと議論を巻き起こしがちな趣味と言えます。 最近

記事を読む

どくろ

狩猟関連失敗談その5 絶対に使ってはいけない防錆潤滑剤 (空気銃)

何につけても形から入るタイプなspinicker。 狩猟に関しても誰にも相談することな

記事を読む

高揚感

僕の狩猟関連失敗談その3 ハンターズハイと忘れもの

ランナーズハイという言葉があります。長距離走中にエンドルフィンやらなんやらの脳内麻薬が分泌さ

記事を読む

Comment

  1. LtcHughes より:

     私は装薬をしないので環境が違いますが、、、私なら直近の1頭を確実に落としたいところです。プア様が反省されたような、「まずは遠くのを落として、逃げようとしている近くのも第2弾で落とす」事は狙わないタイプです。

     私は「二兎追う者は一兎も得ず」を教訓に、とにかく1頭で良いから確実に捕獲したいと考える性格でして。私的には、近くにいた1頭を確実に仕留められたプア様の選択が正解です。もっとも、それは私が単独だからであって、複数で行動する場合は1頭でも多く欲しいと感じるのでしょうね。

     獲物を前にすると視野が狭くなる点。罠の止め差しで時間的に余裕のある状況でも、周囲が見えづらくなります。巻き狩りとか走りなら、なおさらでしょうね。気をつけます!!

    • spinicker より:

      >私なら直近の1頭を確実に落としたいところ

      こういうのは状況次第ですよね。僕も単騎の場合とグループ猟の場合で考えが変わるけど、今回はグループ猟なのに獲物を見た瞬間に単独猟のように動いてしまった、というのが反省点です。
      年数を重ねてきて、うまくいった! とガッツポーズする機会も徐々に増えてきてるけど、うまくいかずガックリすることはそれ以上に残っています。(´・ω・`)

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

もうかりまっかPC01

PAGE TOP ↑