狩猟関連失敗談その9 獲物の解体シーンをハイカーに見られた結果。
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狩猟関連失敗談
狩猟というアクティビティは賛否両論、何かと議論を巻き起こしがちな趣味と言えます。
最近では時々各種メディアに登場するようになって5年前、10年前と比べるとやや風当たりは緩やかになってきたように感じられますが、それは平均化してみた場合ということであって、個々人の反応となるとやはりピンキリであるようです。
以前に”獲物を狙っているところ”を見とがめられたケースを記事にしました。あの時の農家さんは農家は農家でも、おそらく贈答用の花をハウスで栽培している家であるせいか、あまり獣害とは縁がないのかな。だからあんな反応だったのかも。
関連記事:動物愛護な人の口撃!職務質問!猟場でそんな事態に出くわしたら?
しかし、以前には”まさに獲物を処理しているところ”を、通りすがりのハイカーさんに見つかったことがありまして。
ロケーションは葉物畑と果樹園が入り混じる広い耕作地。キジの好猟場です。
その間を縫うように続いている農耕用の道路は、近くに有名な歴史的遺構物があることから、休日には時々歴史好きのハイカーさんが通ることがある。とは頭に入れていたけど、その時は早朝だったのであまり警戒していませんでした。
その時、僕は胸元に5.5ミリ空気銃弾を受けて絶命したキジをぶら下げて、どこで処理しようか考えていました。
早朝とはいえ、さすがに開けたところでやるのはちょっと気が引ける。近くにススキのボサがあるから、そこでやるか…
過去のちょっとしたトラブルを経て、今では銃を構える時、引き金を引こうとする時、特に里山が舞台になることが多い空気銃猟時には特に、決定的シーンを見られないように、見せてしまわないように、人の気配のあるなしを確認してから行動するようにしています。
しかし、この時はまだ今ほどの経験もなく、しかも、事が起こったのは撃つ前ではなく解体を終えた後。いつも以上に対人センサーの反応が落ちていて、ハイカーが農道を歩いていることに気づかず、血を滴らせたキジをぶら下げたまま、彼らの前に躍り出てしまいました。
こちらが二人のハイカーに気づいた時にはすでに向こうがこちらを凝視して固まっているところでした。僕より少々年上ぐらいかと思われるご夫婦。しまった、やらかした! (; ゚Д゚)
こっちもまた動きが止まり、しばらく思考停止に陥りました。が。
「それって、キジですか?」
一番に口を開いたのは旦那さん。語調に非難の色はまったくなく、純粋な好奇心があるだけのように聞こえました。話の分かる人っぽい…!
そこで僕の金縛りも解け、もうこうなった以上は隠しだてする方がややこしくなりそうだったので、ハンターであること、先ほどしとめたキジをそこの藪で処理していたこと、などなどを、なるべく穏やかな感じ(※個人の感想です)で話すことにしました。
僕の話に旦那さんの方は興味を持ってくれた様子でした。今から思えば、奥さんの方はやはりというかなんというか、ちょっと引き気味であったような。相槌ぐらいの反応しかなかった気がする…
最期には、このへんは時々歩くけど初めての経験です、貴重な体験をさせていただきました。みたいな言葉をもらって別れました。
この時は幸いこれで済んだけど、まあ失敗といえば失敗です。てか、どうみても失敗だなこれ。orz
今ではキジでもカモでも、しとめたらまず人が通りがかることなどない森まで運んで行って、そこで解体することにしています。もう獲れる場所もだいたい決まってきているので、そういう場所も二か所か三か所、こちらもほぼ決まった場所で処理するようになってきました。本当はすぐその場でやってしまいたいんですけどね。肉のことを考えると。
でも僕が一番に考えるのはトラブル回避。何事もなく無事に帰ってくることです。
ちょっとしたトラブルが発展して、せっかくのライセンスを失うことになった話を聞いたのも一度や二度ではありません。
忍び猟という言葉は、獲物だけでなく、人の目からも忍ぶものである。と考えて猟に臨むべきだと考えて僕は出猟するようにしています。
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Comment
こんにちは。少々ご無沙汰しております。
貴重な経験談をありがとうございます。
私も昨猟期(2018~19)に、猟隊での巻狩りの獲物(ニホンジカ)を山の中の道路脇で解体中、
ロードバイクの団体さんが通過しまして、「おわぁ~っ!」とか言われましたが、
そのまま通過していっただけで何もなかったのですが、
逆に、何でこんなとこ走ってんの?という感じでした。
何せトラブルは避けたいものです。
それは団体さんもびっくりしたことでしょうね。何事もなくなによりでした。
当地でも、待ち場で立ってたら、眼下からエンジン音が聞こえてきて、しばらくしてから林道をオフロードバイクが上がってきたことがあります。こっちに気づいてたかは不明ですが。
バイクはまだエンジン音があるからわかるけど、無音に近い自転車は気づきにくい点も注意ですね。