狩りバカ日誌 2019年3月11,12,13日(散弾銃・単独?忍び猟)

公開日: : 最終更新日:2019/08/26 狩りバカ日誌2018

3月11日

曇り 10℃0℃

今猟期最後の出猟は車中泊二連泊での二泊三日ハンティングの旅である。ここまで今期は四頭のシシを獲らせてもらったが、なんとか最後にあと一頭獲って帰りたい…!

…と、勇んで臨んだが、初日は都合により昼過ぎからの入山。日没まで粘るも何も見ず。(´・ω・`)

ここの猟場は車から1時間ほど歩く必要のある奥山なので、今までほとんど日没までいることはなかった。しかし高輝度のヘッドライトがあれば歩くのはもちろん、夜中でも問題なく獲物の解体も可能であると猟友から聞いた。

実際に明るいヘッドライトを装着して真っ暗な山を歩いてみると、なるほど問題ない。これで来期は行動の選択肢が増えた。

狩りバカ日誌 2019年3月11,12,13日(散弾銃・単独?忍び猟)

車中泊は寝るまでの時間が楽しい。今日は読書して過ごす。

本が読みたければ読んで、眠くなれば寝る。自分のしたいことに、何も足さない。何も引かない。それほどお金はかかってないけど、贅沢なひとときである。(*´ω`*)

3月12日

曇り時々晴れ 12℃-3℃

朝から猟友と合流。今日明日は同じ猟場で猟をするが、行動域をかぶらないようにして互いに単独猟に臨む。何かあった時のために無線は携帯済みだ。

分かれ道でいったん解散、僕はシシの寝屋撃ちに向かう。

忍び歩いて第一寝屋群の近くまで来たところで、目の前30mほどの斜面から大きなガサガサ音! はずむようにして逃げていく大きなメス鹿がかろうじて視界に入った。

…寝屋撃ちとはいっても、このあたりでは無数の寝屋を渡り歩いているようで、一つの寝屋にシシが入っている確率はごく低い。対して今眼前でこっちを凝視しているシカは獲れる確率が高い。
最終日なので手ぶらで帰りたくない、撃ってしまおう!

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すぐに挙銃するも、視界がおかしい!? 樹上から落ちてきた水滴がスコープのレンズに無数の水滴を作っているようだ!

それでもかろうじて中央のドットに補足、トリガーを絞る!

バーン!

30m先の斜面をずり落ちていくのが見えた。っしゃー!
よし、しとめたし今のうちにレンズの水滴をふき取っておこう。

スコープをきれいにしてからシカの回収に向かうと…。シカがいない。あれ? なんで?? ずり落ちたところは確実に見たぞ??? (; ゚Д゚)

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かなりの量の血痕が広がっている。深手を負わせたのはまちがいない。ずり落ちた痕も残ってるけど、そこにいない。

ってことは…スコープ拭いてる間に立ち上がって逃げたのか!

獲物が力尽きたかどうかはわかりやすい時とそうでない時がある。「わからないとわかっている時」は警戒しているので問題ないが、困るのが今回のような「力尽きたように見えたが実はそうではない時」だ。甘かった、判断が。orz

幸いにも血痕は大量に残っている。最初の判断ミスはあったけど、これなら見失うことはないだろう。余裕しゃくしゃくでトラッキングを開始する。

しかし、20mほど追ったところで早くも足が止まった。急速に出血が治まっているのだ。あれだけあった血痕がたった20mで目立たなくなってきた。マジか!

鷹の目で地面を凝視しながら行きつ戻りつ探索していると、小さなカサッという音とともに少し先の小尾根からシカの首が生えて、こちらと目が合った。そこにいるのか!

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シカは想像以上のスピードで走っていく。

へたりこんでいた地点には立ち木に大きめの血痕が。ただ、ここで10分以上休んでいたおかげか、これ以降の血痕がさらに減少、ほとんど見つけられなくなってきた。

胴体の上半分に当たっていればたいてい血痕の中に肺の白い組織片が混じる。上半身における肺の面積は広い。
下半分に当たっていれば消化器の損傷はまぬかれず、ほとんどの場合特有の青臭いにおいと緑がかった体液が残る。

今回はそのどちらもない。当たったのは胴体じゃなさそうだ。足を一本破壊したってとこか。野生動物は三本足でも人間など追いつけないほどのスピードで山を走ることができる。以前しとめたシシも三本足だった。解放骨折を負いながら生きながらえていたシカも見た。

関連記事:狩りバカ日誌 2019年1月27日(散弾銃・グループ猟)

関連記事:狩りバカ日誌 2019年2月16,17日(散弾銃・単独忍び猟)後編

狩りバカ日誌 2019年3月11,12,13日(散弾銃・単独?忍び猟)

さらに数十メートル進んだところで見つけたこの血痕を最後に、以降はほぼ検出できなくなった。信じられないことに、あれだけの出血が100mほどで止まるらしい。
そして悪いことに、このあたりで真新しい複数のダッシュ跡が入り混じって、どれが何やらまったくわからなくなっている。

もともとこの一帯はシシの寝屋近く。この複数の足跡を見ると、どうやら寝屋にシシが何頭かいたようだ。それが銃声で起きて走り、こちらへ逃げてきたシカの足跡と入り乱れて追跡を困難にした、と。

結局、この後半矢のシカは発見できなかった。スコープに注意を奪われなければ。しっかりと状態を見抜いて止め矢を入れていれば。この苦い経験は今後に活かすしかない。orz

撃っておいてなんだが、俺に倒されないのであれば…生き延びてくれ。我ながら勝手な言い分だとはわかっているけど。

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狩りバカ日誌 2019年3月11,12,13日(散弾銃・単独?忍び猟)

失意のうちにすする山ラーメン。いつもなら生き返るはずのご褒美も、先ほどの無念さで胸が重い。

その後丸一日歩いたが、シシともシカとも出会いなし。

特にシシはこの猟場に通い始めた1月からすると、目撃回数が格段に減った。これがシシが学習したせいか、はたまた偶然なのかはわからないが、猟友も同様の印象を持っているようだった。シカの頻度は変わらず。これについても同意見だった。

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車中泊場所でキャンプしつつ、お互いに今日あったこと、見たものなどの情報交換。ひととおり狩猟談義で盛り上がり、最終日に備えて休むことにする。

【本日の猟果(忍び猟)】

  • 発砲 1
  • 半矢 1
  • 時間 8:30ごろ
  • 地勢 南向き雑木林

3月13日

雨のち晴れ 12℃5℃

最終日ということで気合を入れて早起きしたが…あいにくの空模様。

しかしなんといっても最終日である。猟友とともにずぶ濡れになりながら出猟したが、狩猟時には雨具を携帯せず、濡れネズミの僕は午前中の段階で心が折れた。ポッキリと。
今期は初めてシシも獲れたし、もういいや。無理せずに帰ろう。三日も有給取ってこのうえ「風邪引いたので休みます」など言えない。(´・ω・`)

下山中にすっかり雨が上がっていい天気になってきた。このへんがなんとも間の悪い僕らしい。

今期の狩猟はこれで終わり。最後は振られて終わったが、シシも獲れたし無事故無違反、いいシーズンになった。

半矢・回収不能なしでいけるかなーと思ったけど、シーズン終盤に立て続けに二つも出してしまったのが悔やまれる。

獲物は獲りたいけど、それと同じぐらい半矢や回収不能は出したくない。来期、だけじゃないけど、このへんはこれからも追及していきたいと思う。

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Comment

  1. バラクーダ より:

    ご無沙汰しております。無事故無違反無怪我で終えられましたでしょうか?お疲れ様でした。

    新米猟師の私は当然今期が初出猟でしたが、仕事で全然出られず、ほんの僅かしか出来ませんでした。猟隊は方々の分会の方々の集合体なのですが、経験の無い私は当然言われるがままの場所でタツマです。獲物に出会うことは出来ませんでしたが、地元の山なのに知らない道ばかりで迷子になること多数。慣れてる人ばかりなので別れ道でどっちに行ったか分からなくなってしまいました。でも面白かったです。隊ではシカやシシを獲ってくれたのでお裾分けをいただきました。このオフシーズン、どうやって猟場を調べようか?と考えています。分会長に聞いてみようかな?

    最後は残念でしたが、それも狩猟ですね。私も最後は隊でボウズでした。でも事故も怪我も違反も無く終えられて良かったです。今期は県公安委員会から事故防止の会合もあったりして、相変わらずウッカリミスの事故が発生しています。今後も気をつけて楽しみましょう。自分のことばかり書いてすみませんでした。

    そうそう、自分のことついでで、ヤマハのXTZ125というオフロードバイク買いました。クロスカブと散々悩んだんですが。それではまたお邪魔します。

    • spinicker より:

      お疲れさまでした。お互いに大過なく猟期を終えられたようで、何よりです。今期は最後はともかく、初物を含み単騎でシシを四頭獲れていいシーズンになりました。

      初年度は右も左もわからないのは誰でもかと。来期に向けて今のうち、ゴールデンウィークぐらいまでの気温も虫もたいしたことないうちに猟場の山を歩いてみると、いろいろ見えてくるものがあると思います。山に入るのが猟期だけだと、なかなかつかめないものです。

      XTZは僕も検討したバイクです。最後には操作の簡単なカブにしましたけど。こちらもお互いに安全運転でいきましょう!(・∀・)

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