どちらが美味いのか?豚とイノシシを食べ比べてみた。
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ジビエ・ワイルド料理

過去にもシシを食べたことはあるんだけど、それらは言わばすべてもらい物。今年の1月2日に撃ち止めたのが自前で初めてのシシだったので、myシシを食べたのもその日が初でした。
メスのドンコかフルコの小さいやつかと思うんだけど、いやはや、やはりシシは美味いと思いましたね。しみじみと。大きくはなかったけど、肉は柔らかくて、脂もよく乗ってて。( *´艸`)
そうなってくると、気になるのが「シシと豚の味はどう違うのか」という点。手元にいいシシ肉がある今なら食べ比べができる!

ということで、畜産肉をスーパーで買ってきました。100g278円の国産豚。
豚肉を買う時はいつも100g100円~150円ぐらいの安いやつなんだけど、今回の相手はいいシシ肉なので豚もちょっと普段よりは張り込んでみました。20%引きですが。
はてさて、うまいのはどっちか。まったく予想がつきません、個人的にも非常に楽しみです!(・∀・)
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使用するシシ肉は1月21日の単独忍び猟でしとめた個体。可食部のどこにも被弾していないヘッドショット、内臓もすぐに抜いて沢で冷却も行った、山中での解体だから完璧じゃなくてもできるだけのことはやれた。と言えるシシです。

これらの豚&シシ肉を塩胡椒でいただきます。塩はヒマラヤの岩塩、ピンクソルトをミルで引いたものを用い…

胡椒もホールのブラックペッパーを調理時にミル引きしたもの。いつ砕いたかわからない、香りの飛んだような粉末ものではありません。

こちらは豚肉。

こちらはシシ肉。豚の方が肩ロースということだったので、こちらも同じ部位を使っています。
見た目としては、シシ肉の方が赤みが濃いですね。豚はピンクっぽい。脂の乗り具合はいい勝負、もしくはちょっと勝ってるぐらい!(・∀・)
画像は先に豚、次にシシを出していますが、実際には二枚のフライパンで同時に焼いています。先に焼いた方が冷めてしまうのも、後で焼く方に先に焼いた方の脂が付着してしまうのも避けたかったのです。

焼きあがりました。
シシの方が小さかったので二枚焼いたんですけど、豚の方はかなり縮んでしまいましたねぇ…。実際には豚の方がちょっと大きいのは大きいんだけど、写り方のせいでシシの切り身の方がでかく見えています。(;・_・)
しかし問題は味です!! 同じ部位を使って同じように味付け、同じように焼いた豚肉とシシ肉、いざ実食!
豚肉とイノシシ肉 食べ比べ後の感想
食べ比べながらとったメモがあります。互いを対比する形の箇条書きみたいになってますが、下手に文章にするよりこっちのがわかりよいかもしれません。そのまま挙げてみましょう。
豚肉
- やわらかい、というか筋張ってはいない
- 脂と肉の間の筋が柔らかい
- 肉質はややパサついている。言い方を変えればザクザクしているともいえる
- 脂の食感はシシに比べるとベタッとしている
- 全体的に噛み切りやすい
イノシシ肉
- 脂と肉の間の筋がなかなかしぶとい
- 肉質はジューシーだが食感はどこまでいってもクニクニしている
- でも脂の食感はシャキッとして豚のようなベタベタ感はない
- 火を通せば通すほど脂のコクが出るように思う
- 全体的に噛み切りにくい
といった感じになりました。
シシ肉は肉と肉の間に脂のサシが入っているように見えるけど、あれは筋みたいなもので食感としてはクニクニしています。あの食感を嫌う人は少なくないでしょうね。豚の方にはあれが少ないのは、品種改良の成果なのかもしれません。
純粋な肉の味としてはいい勝負かな。
脂はシシのが甘みと深みを感じて好み。
食感は豚がザックリしていて、シシがクニクニしてる(でも脂はシャキッとしてる)。
言い方が難しいけど、三行でまとめるとこんなところになりました。

細かいところを見ていくと相違はあります。が、全体的な風味としてはやはりよく似ています。生物学的には同じ生き物なので当たり前なのかもしれないけど。
豚肉好きな方であればシシ肉もおいしく食べられるであろうとは思います。僕もそういう一人です。
が、やはりハンターなので、どっちか優劣をつけろと言われれば、「自分で獲ってきた思い出補正」のあるシシ肉を選びたくなります。

でも畜産肉のいいところは味だけじゃなくて、品質を一定に近いレベルに保てるという点。これが一番なんでしょうね。
今回のシシ肉は自分で言うのもなんだけど、かなりいいやつです。でも狩猟ではこれがいつも獲れるとは限りません。おいしくない繁殖期のオス、いわゆる「くっさオス」しか獲れないこともあるでしょう。
味だけで比較すると今回はシシ肉の方がよかったけどそれも好みの問題で、畜産肉には畜産肉の良さがたくさんある。
というところが現実なんだろうなということで、今回のまとめとしておきたいと思います。m(_ _)m
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