「料理人のためのジビエガイド」書評!

公開日: : 最終更新日:2015/01/22 書評

もうすぐ猟期、というのは口が酸っぱくなるほど言ってることですが、実はもうすぐ僕の誕生日でもあるのです。あーやだやだ、またひとつ年をとってしまう。最近はおっさんへの階段を二段飛ばしで上がってるような気がします!

そんなこんなで、自分へのプレゼントとしてぽちったのがこの本。

料理人のためのジビエガイド01

「料理人のためのジビエガイド(柴田書店)」です。ちなみにお値段3456円! たっけぇ! けど、年に一度のことだ、よしとしよう(震え声)。

さて、3456円もしたこの本。胸を張っておすすめします!

・・・と、言いたいところだったのですが、微妙です。 (´・ω・`)

というよりは、僕は料理人というよりはまずハンターなんで、ハンター視点で見るからなんでしょうかね。

確かに鴨や鹿なんかの解体や熟成方法、それらジビエを使った本格フレンチ・イタリアンのレシピは見応えがあります。写真もきれいです。が、その対価が3456円というのはいささか高すぎです!

そしてなにより気になるのが、書籍前半部分の、各狩猟鳥獣の特徴や捕獲法が掲載されているところ。よく調べたな、というところもあれば、「えっ、マジすか ( ;゚Д゚) 」てなこと書いてるところもあります!

たとえば28ページの「◎熟成方法」のところには

マガモに限らず鳥類にはノミが寄生しているため

とあります。それ以降にも何度も出てくる記述ですが・・・そんなの見たことありません。もしかして見落としてるだけかな、僕が。

いやー、ハトやらなんやらを含めると今まで獲った鳥は10や20どころじゃないしなぁ。ことごとく見落としてるってのは考えにくいように思うんだけど。よっぽど小さいのかな?

これだけならまだしも、他にもいろいろ挙げられます。おもだったところでは、64ページ「ホンシュウジカの狩猟方法」の

一つの山で30~50ヵ所にわなを仕掛けて

とか。違法ですねこれ。鳥獣保護法の法第十二条第一項第三号において、30ヵ所までと定められています。

あとは日本雉を扱った47ページ「熟成が向く肉」では、

食用にするならメスがいいだろう。

とあります。メスキジの捕獲は違法! ・・・と言いたいところですが、これはきわどいですね。実はメスキジの捕獲は放鳥獣猟区でならOKなのです。一般的でないのは確かですけどね。

・・・などなど、細かいところは他にもありますが、ハンターがこの本に書いてあることを鵜呑みにして狩猟をするのはどうかな、ってとこがちらほら。

まぁ、ちゃんと狩猟免許を取得してきっちりやってる人は大丈夫でしょうけどね。でもこの本を読んだのがきっかけで狩猟に興味を持って、なんて人は気をつけた方がいいかも。ってとこです。

前半の狩猟に関するパートはちょっと雑で、後半の解体法&ジビエ料理メニューはいい出来。良くも悪くも「料理人のための」本ですね。

反面、ハンターが3456円も出して買い求める値打ちがあるかどうかといえば・・・うーん。その人がどれだけお金持ちか次第でしょうか。

個人的評価 ★★★★★☆☆☆☆☆(5/10点)

この本を買う前に戻れるとしたら、僕なら買いません!

以上、「料理人のためのジビエガイド」書評でした! m(_ _)m

・・・それはそうと、本当にカモにはノミがついてるのかな。気になって仕方がない。(´・ω・`)

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