おいしく食べるために。しとめた鴨を冷凍保存する時に心がけている事
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ジビエ・ワイルド料理

(ハンターの務めだと思って撃っている)カラスやカワウとはちがって、カモとくるとこれはもう100%おいしくいただくための対象。空気銃猟でのメインターゲットでもあります。
次はキジ、その次はヒヨドリかキジバトかな。味いいし。 ^ ^
さてこの空気銃猟メインターゲットのカモという狩猟鳥。ターゲットとして2位以下のキジやヒヨドリやキジバトとは決定的にちがう点があります。
それは、カモは水鳥であるということ。
実はこの点が後々食味にも関わってくるのです。
回収に手間取る≒血抜きイマイチ
地上性のキジなら倒れたところへ、樹上性のヒヨドリやキジバトなら落ちてきたところへ歩み寄ってむんずとつかめば回収完了。なにも難しいことはありません。数十秒あれば終了する作業で、その後すぐに放血、下処理に入れます。
が、カモだとそうはいかないケースがほとんど。水辺で休んでいるところを撃つ機会もなくはないですが、空気銃猟だと9割方はやはり水上にいるところを狙うことになります。ということは、陸の鳥にくらべると回収がかなり厄介なのです。
岸から近い場合はこういった柄の長いタモ網の出番。これで6.3m。それでも届かなければ
こいつが7.5m。もっと長いやつだと
8.2mのものなんかがあって回収には有利になりますが、あまり長いと扱いにくい上に値段も高いので、そのへんは体力と財布に相談になります。

ロングタモ網が使えないシチュエーションではこんな感じの自作カモキャッチャーを投げ釣りの要領で投げてひっかけて回収。といったところが主な回収法になってきます。
しかし、どちらの方法も、猟場のコンディションによってはかなり時間を取られてしまうことがあります。
タモ網を使うケースでは比較的近いので案外すんなりと回収できることがほとんどですが、カモキャッチャーは
- 投げても投げてもカモが針にかからない
- 方向バッチリ! と思いきやギリッッギリで届かず、届きそうな池の反対側までダッシュ
- 猟期に入ってすぐの頃だと、ことごとくヒシなどの水草を引っかけて帰ってくる
- 仕留めた時には余裕で届く範囲だったのに、風のいたずらで流される
- 仕留めた時には余裕で届く範囲だったのに、川のいたずらで流される
- 仕留めた時には余裕で届く範囲だったのに、河童のいたずらで流される
などなど、いろんな要素が影響して、最悪は回収不能になったり、回収できたとしても1時間以上かかるようなことも。
その場合、血液の凝固、血液の劣化(腐敗ではなく劣化です)がかなり進行してしまっています。
こうなると血抜きがうまくいかず、基本渡り鳥であるカモは、ヘモグロビンを多く含むむね肉がことさら「(劣化した)血の味」に。orz
点数をつけておこう
さぁ、ようやく本題に近づいてきました。思ったより長くなった。(´・ω・`)
僕の場合、カモを仕留めたらなるはやで回収、すぐに放血。加えて、腸のみといわず内臓をすべて出して腹腔内をきれいな水で洗浄、仕上げにコンビニのロックアイスを詰め込む(ここまで30~40分以内が目安)。
という手段をとっていますが、猟期を通じるとそれなりの数のカモを獲ることになるので、どの個体がどんな状態だったのかを覚えきれなくなってしまいます。

そこで、鴨を真空パックする際は、シーリング部の上に、パックした鴨の情報を書いておくことにしています。
- 捕獲年月日
- 入っている鴨の種類
- 性別
- 脂=脂の乗り具合(5点満点)
- 羽=筆毛の少なさ(5点満点)
- 血=放血成功度(5点満点)
といった具合。なのでこの個体は(ちょっと見切れてるけど)2015年2月7日に獲ったマガモのオスで脂乗り2点(あまり良くない)、筆毛4点(かなり良い)、放血2点(あまり良くない)。であったということがわかります。
陸の鳥だとすぐに回収、放血&下処理にかかれるので、この採点はそのあたりがまちまちになりがちなカモの保存に重宝します。友人にカモ鍋を振る舞うような場合はいいのを出したいですしね!
キジとかハトは個体差&処理の差がカモほどは影響しない場合が多いですが、キジの場合は肉の固さに個体差が出るように思います。蹴爪の長い奴は固いな、とか。

僕の場合は獲ってきた獲物を猟期内に食べることはそれほどありません。猟期だと獲物を獲ってこようと思えば獲ってこれるので、食べたいという気はそれほど強くないんですよねぇ。(・ω・)
逆に猟期が終わってしばらくすると、獲物を獲りたくても獲れないフラストレーションと来期への期待から、獲物への食欲がむくむくと湧いてきて、冷凍しておいた獲物を食い散らかす。という構図が毎年の恒例になっています。
秋は一雨ごとに涼しくなるといいますが、今年は特に雨が多いように思います。
涼しくなってきたら、猟期はもうすぐ。準備を万端にととのえてXデーにのぞみましょう。(・∀・)
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spinicker氏は猟師なんでジビエは常に食べていますが、東南アジアを放浪していたこともあ
Comment
なるほど!点数化して評価を分かりやすくしておけば、下ごしらえの際にちょっと一工夫できる訳ですね。参考になります!!
ってまだ捕獲どころか、カモが良そうな場所探しから始めなければなりませんが。。。
こういうシンプルなアイディアほど、思考の死角というかエアポケットというか、そういったものにはまりこんでしまって思いつかない、ってことが結構ありますよね。参考になったのであれば幸いです。 ^ ^
9月も下旬にさしかかってさらに涼しくなってきました。地域にもよりますがそろそろコガモあたりが渡ってくるはず。そろそろ猟場の選定を! ^ ^
当方はspinickerさんと違い大雑把なもので枝肉をスーパー等のレジ袋に入れて冷凍庫に突っ込んでます。
先日、先月仕留めた猪(有害駆除)をシチューにでもすべえかと取り出した所、袋の表面に大きく「KFC」のロゴ。(笑)
自分でも予期せぬブラックジョークに一人冷蔵庫の前で大笑いでした。( ̄▽ ̄;)
「デブじゃねえ!ポッチャリ系だ!」ケンチキで倍加の術!なKI。
やはり猟師になったきっかけが「うまいカモ鍋が食べたい!」だったからでしょうか、カモの味に関してはちょっとこだわりがあります。
僕も元来は「大体こんなもん」で生きてるのですが、なんかたまに変なこだわりが顔を出す時がありまして。。。( ̄∇ ̄;)
シシシチューうまそう! 僕も今シーズンはシシを獲りたいものです。しかしその袋は・・・想像するとなかなかシュール。
食べ過ぎは
肥えふくよ化への一歩ですが・・・カプサイシンで燃焼力UP、ということでトンガラシ丸いっときますかwよ~し、鴨の前にまずは河童から退治してくれよう!
ここだけの話、僕の回っているカモの猟場は河童だらけです。悪さばっかりします。(´・ω・`)
河童にやられた人のために、その地域のコンビニでは尻子玉が500円で売られています。
にわかには信じられないでしょうが、まるで嘘のような、、、ウソの話です。どっとはらい。(・∀・)
ブログ記事とは関係ありませんが、私の地元では河童は悪者ではありません。
その昔、川で怪我をした河童の子を助けてあげたところ、後日、川が氾濫する前兆を知らせてくれて、村人全員が避難して助かりました。
以後、毎年8月には感謝を込めて川祭りがあります。
関係なくてごめんなさい。
日本むかし話に出てきそうな内容ですね。
だいたい妖怪の正体はおちぶれた神様だったりもするので、そういった寓話が残っていることもありそう。
これからはやみくもに河童を撃たないことにします。(・∀・)