狩猟用空気銃ペレットのマッシュルーミング(潰れ方)と鉛の特性
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最終更新日:2016/10/17
猟具・猟装
![マッシュルーム](https://i1.wp.com/www.boy-meets-meats.com/contents/blog/wp-content/uploads/2014/12/00.jpg?resize=600%2C400&ssl=1)
2014年12月14日の狩りバカ日誌で捕獲した美肌カルガモ。ペレットが貫通した形跡がないので体内から発見できそうだ、としましたが、やはり見つかりました。
僕が使っているのはペレットは「JSB EXACT JUMBO HEAVY(18gr)」。あまり遠射をしないならいいペレットですよ。よく当たるしよく効きます。
あとはAAフィールドとかFXプレミアムとかですね、知り合いハンターがよく使ってる狩猟用空気銃のペレットは。ちなみにAAフィールドもFXプレミアムも、製造はJSBに委託しているそうです。OEMですね。そりゃ同じような評価になるわけです。
![空気銃用ペレットのマッシュルーミング01](https://i2.wp.com/www.boy-meets-meats.com/contents/blog/wp-content/uploads/2014/12/016.jpg?resize=600%2C400&ssl=1)
話がそれました。ややピントが甘いですが、左が使用前のペレット。で、右が今回のカルガモの手羽から出てきた使用済みペレット。見事に変形しています。
![使用前ペレット01](https://i2.wp.com/www.boy-meets-meats.com/contents/blog/wp-content/uploads/2014/12/025.jpg?w=640&ssl=1)
横から見ると正常なペレットはこんな形。このページに来るような方ならご存じですね! ^ ^;
![使用後ペレット01](https://i2.wp.com/www.boy-meets-meats.com/contents/blog/wp-content/uploads/2014/12/033.jpg?resize=600%2C400&ssl=1)
で、使用後はこんな感じ。いい感じのマッシュルーミングです。タ○マンのシンボルみたいな形になってます!
![使用前ペレット02](https://i0.wp.com/www.boy-meets-meats.com/contents/blog/wp-content/uploads/2014/12/041.jpg?resize=600%2C400&ssl=1)
高圧のエアを受けるスカート部分。こちらは使用前。きれいな円形です。
![使用後ペレット02](https://i0.wp.com/www.boy-meets-meats.com/contents/blog/wp-content/uploads/2014/12/051.jpg?resize=600%2C400&ssl=1)
使用後。このあたりも見事に変形しています。
ペレットは変形することによって弾頭部分の断面積が広くなり、獲物の体内を通過する際に運動エネルギーを効果的に破壊エネルギーに変換してより大きなダメージを与えられるようになる、らしいです。えらい人がそう言ってました!
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なので、弾頭の材質はあまり硬すぎてもよくないわけですね。ほどよく変形しないと、形を保ったままだとひっかかり抵抗が少ないもんだからそのままスカッと抜けてしまって、破壊エネルギーに変換することなく、運動エネルギーとして保ったまま体外へ出てしまう、と。
このように、鉛のほどよい柔らかさは適度なマッシュルーミングをもたらしてくれるうえに、比重の重い金属なので同体積ならより重い=威力の高いペレットを作ることができ、ハンターからすると重宝な材質です。
しかし、好事魔多し。鉛という金属は中毒を引き起こす性質を持っているため、昨今、鉛の使用に関する規制が取りざたされています。以下はウィキペディアからの抜粋です。
鉛散弾は環境中に鉛の粒をばらまくものであり、土壌汚染を引きこしたり(クレー射撃の場合)、鉛散弾を打ち込まれて死んだ上で放置された動物や鳥の死体を食べた鳥獣が鉛中毒を引き起こすなどしたため(狩猟の場合)、威力は劣るが汚染の少ない鉄、銅散弾への切り替えが進められている。
たしかこの問題は、北海道で鉛弾をくらって死んだエゾシカの死骸を希少なワシが食べて鉛中毒になってバタバタ死んでいった。というところから端を発したと記憶しています。事実、北海道ではほとんどの鉛弾が使用禁止だったと思います。
その動きは本州にも伝播しつつあり、狩猟用空気銃のペレットについても、非鉛性のものがすでに登場しています。現状、鉛製ペレットの使用は禁止されていませんが、環境保護の流れとしてはそういった方向に進みつつあります。
エアライフル猟では散弾銃での鳥撃ちのように一度に数十~数百の鉛玉をばらまくことはないですが、鉛弾を発射しているのは事実。
スニーキング、射撃、回収の技術向上をはかり、鉛のかたまりを体内に保持したままの半矢固体を出さないようにすることは、道徳的な問題だけでなく、環境的な観点からも大切なこと。ケースによっては非鉛弾の使用を検討するのも我々空気銃猟ハンターの責務だと思います。
そういった北海道から始まった活動、対策が全国的に結実し、いつかすべてのハンターが「自分はハンターです!」と、世間様に対して胸を張って言える日が来ることを願っています。(今はいろいろと肩身が狭すぎますorz)
※参考サイト「鉛以外の金属材料で作られた無毒性の散弾等の使用」(大日本猟友会)
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