静かだけどうるさい。山で聞こえるあんな音こんな音・ふしぎな音。
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最終更新日:2020/02/17
狩猟よもやま話
獲物の生活音を拾おうとそばだてる耳。名もわからぬ鳥のさえずり。何かが枝を踏む音。踏まれた枯葉のしわがれ声。イノシシのフッフッという息遣いまで聞こえたこともあるぐらい。
真冬の森ってのは静かなもんです。じーーーっと聴覚に神経を集中してる時に頭上を飛行機が飛んだり、風が吹いてきて梢がサワサワと鳴ったりすると思わず舌打ちをしてしまうことも。そういった街中では些細な音すらうるさく感じてしまうぐらい、猟場の山は静謐さに支配されています。
それぐらいいろんな音が流れ込んでくる場所なので、時には「…なんの音これ???」なんて判別に困る、後から考えてもわからないようなものだってあります。
猟場に響く音・レア度<低~中>
レア度はまあ参考程度でお願いしますw 場所によっている動植物とか変わってくるはずなので!
ギーーーッ! ギャーーーッ!
当地では時々とまれにの間ぐらいの頻度で聞こえてくるこの声。正体はカケスという鳥。
野鳥の声って基本そろほど気にならないんだけど、こいつの声はかなりデカい! すぐ頭上で鳴かれたりするとビックリすることがあります。カケスなんてものの存在を知らなかった頃は、人の悲鳴みたいに聞こえて不気味だったのを思い出しましたw
声と同様、風切り羽もよく目立ちます。この美しい青と黒をたまに見かけると家に持って帰ったり。うちにもどこかにあったはず。
サーーー…ザーーー…ボトボトボトボト
聞こえてくるのはだいたい初冬ぐらいまで。これは枝についていたどんぐりが風にあおられて地面に落ちてくる音。なのでこの時期にはもうほとんど聞こえてきません。
最初は何かわからなかったけど、この音とともに目の前にどんぐりが大量に降ってきてやっと理解できました。動物たちの冬の間の大切な栄養源になります。
どんぐり以外にも枯れ葉やら細かい木の枝なんかも落ちてきて、やはり音に変わります。風が吹くと何かしらが落下する音が聞こえてきます。
orガサガサ orバキバキ
これ、音自体はよく耳にします。問題はどんな生物がその源なのかってこと。ちなみに
とガサガサは枯葉を踏む音、 とバキバキは枯れ枝を踏む音です。ざっくりいうと、当地の森でこの音を出す生き物は「小鳥(シロハラ)」「小動物(リス)」「大物(シカ・シシ)」のどれか。
重量感あふれるガサガサとバキバキは大物にしか出せないのでこれはまず間違えません。もっともテンションの上がる音の一つでもあります。
問題は
。これは小鳥も小動物も大物も関わりのあるボリュームゾーンなのです。すべてが出しうる。体の小さな生き物は動きも小刻みで音と音の間隔もいそがしいことが多く、判断の一助にはなります。せわしない感じだったら鳥かリスだと考えます。大物はこちらに気づいていない限り動きも音もゆっくりです。あと鳥の場合だと音源の位置があっちゃこっちゃへ急にワープしますね。飛べるので。
今では初めの頃よりは見抜ける率は上がってきました。とはいっても、今でもよく騙されてますけどね。(´・ω・`)
猟場に響く音・レア度<中~高>
カカカカカカ… ココココココ…
地元の奈良県では出会ったことないけど、遠征先で去年初めて聞いた謎サウンドがこちら。実際に猟場で録ってきた音です。携帯での録音なのでボリュームを上げてお聞きください。12秒あたりからマイクが拾います。
木でも擦れてるのかな? でも風もないしなあ。カエルの鳴き声? 冬場でもヤマアカガエルは活動してるし。でもその割には音大きいよなあ。じゃあシシの歯ぎしりかなんかか? なんじゃこりゃ???
正解はツイッターランドで教えてもらいました。キツツキのドラミングだそうです! 中が腐って空洞になってる木の幹をつつくと、反響でこういった音になるんだとか。遠征先ではコゲラとアカゲラをぼちぼち見かけるので、どっちかでしょうね。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…
どこから聞こえてくるのか、空からのようにも地面からのようにも感じられる、不気味な鳴動。まだ日の高い間のことだったからよかったけど、陽が落ちて下山してる最中なんかだとビビり散らかしてたかも。たぶんあれを山鳴りというんでしょうね。
地震でも来るのかと身構えましたが、結局は音だけで何も起こらず。過去に一度だけの貴重な体験です。
ドタンッ!(人体が着地するような音)
これも遠征先のみでの体験。この音には二度遭遇しました。それも同じ場所。とある地点に差し掛かった時、小尾根の向こうからこの音が聞こえてきました。かなり大きな音です。聞き間違えなどではありません。
反射的に足を止め、しばし逡巡しました。今のはなんだったのか。モロに人が倒れたか、あるいはちょっと高い所から飛び降りたかのような、重くて柔らかいものが地面に着地したようなとでもいえばいいのか。
こちらの気配に気づいたシシがダッシュする際に足を滑らせでもしたのか、と尾根の先へ様子を見に行くも、これといって変わったものは発見できず。
音源とおぼしき一帯は下草が少なくて見晴らし良好、しかもけっこう近くで鳴った(ように感じた)ので、もしシシか何かが転げ落ちたのであれば痕跡とか落ちた後に走っていく音ぐらいは気づきそうなものだけど…そういったものもなく、結局はわからずじまい。
何だったんだあれは。天狗の仕業か。(; ・`д・´)
天狗といえば、上方落語の「天狗さし」という演題で、夜になると鞍馬山で烏天狗が木剣を打ち鳴らす「カチーン!カチーン!」という音が聞こえてくる。なんて一節があったけど、風が吹いて木の幹同士がぶつかると、それに近い音がすることがあります。妖怪の正体なんでしょうね、そういうのが。
うーん、もっと他にもあったように思うんだけどなあ。意外と少ないなあ。また思い出したら追加していこう。
こういう不思議な話は大好物なので、似たような経験をした方がいればぜひ聞かせてください!(・∀・)
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Comment
山に入ると研ぎ澄まされるのか、本当にいろんな音聞こえてきますよね~
僕は軽トラの荷台にシートかけて(本当に普通の緑の荷台シート)中で銀マットと寝袋で猟場キャンプとかしますが、夜中はいろいろ聞こえます(^_^;)
夜中にシートの隙間から誰か覗いていたらたぶんショック死します
一回だけ、夜中に ドサッって猫でも落ちた?みたいな音は有りましたが、同じく痕跡ナシでしたね~雪も無いし、何なんでしょうね(@_@;)
山鳴りというか、阪神大震災の時、地面の奥底から何かが湧き上がって来るような不思議な感じがして目が覚めてなんとなく部屋の中央に移動した途端
どっかーんでしたね・・・
人間の聴覚も意外にバカにできない性能なのかも?
なんかもっと色々あったんだけどなあ、忘れてしまった。今度面白い音聞いたらメモしとかないとw
阪神大震災の時は下宿生活してまして、就寝中の揺れでなんか部屋の物があれこれ散乱したのを覚えています。京都だったのでそこまでの被害ではなかったです。山鳴りではそういうの思い出したりしました。(´・ω・`)