射撃雑学。クレー射撃のクレーは「クレー○○○○」の略称だった!
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最終更新日:2016/09/21
射撃
リオデジャネイロオリンピックが閉幕して2週間あまりになります。
正直なところ、関心を持つ前に閉幕していた印象。いつのまにか始まっていつのまにか終わってた感じですが、でも400mリレーはすごかった! ニュースで見ても鳥肌立ったけど、あれだけはリアルタイムで見たかった・・・ orz
オリンピックといえば、我々ハンターにも関係のありそうな競技がクレー射撃。冬季五輪にはバイアスロン(クロスカントリースキー×ライフル射撃)がありますが、夏季五輪だとクレー射撃がもっとも狩猟と縁がある競技かもしれません。
日本代表の中山由起枝選手と石原奈央子選手は残念な結果に終わりましたが、中山選手のすごさは去年の初心者射撃研修会(無料)時の座学で見たビデオで知っていたので、世界のレベルの高さを改めて思い知りました。あの人らが予選敗退とは。(´・ω・`)
クレー射撃のクレーは「clay」。日本語では泥とか粘土といった意味です。泥射撃。
なんでこんな名前なんだ、と思ったことはないでしょうか? 僕はあります。そして調べてみました。
ハト受難の歴史
クレー射撃の前身とも言える射撃競技は、1900年(当時にそんな単語はなかったでしょうが)のパリオリンピックでの射撃競技で大きな転換期を迎えたようです。
JOC(公益財団法人日本オリンピック委員会)ウェブサイトのクレー射撃のページには、
トラップ射撃は1750年頃のイギリスで始まりました。トラップとは罠のことで、トラップ射撃では生きた鳥を罠のような箱に入れ、号令と同時に開けて鳥を飛び立たせ射撃しました。競技が盛んになるにつれ標的となる鳥が不足し
(中略)
1880年代に英国のマッカスキーが石灰にピッチを混入して焼き固める現在のクレー標的を考案しました。トラップ射撃がオリンピック競技になったのは1900年第2回パリ大会からです。
とあります。怖いですねえ、恐ろしいですねえ。(((( ;゚Д゚)))
ちなみにこちらのサイトによると、その1900年パリオリンピックでは、
現在のクレー射撃は素焼きの皿を打ち落とすが、オリンピックで、生きたハトを的にしてたことがあったとは驚きだ。優勝者は21羽のハトを打ち落とし、トータルで300羽以上のハトが犠牲になったそうだ。
となっています。そりゃハト足りんようにもなるわ。(´・ω・`)
そんなこんなで、残酷だとクレームが入ったり、ハトが足りなくなったりという問題に対応するために発案されたのが
「ハトに見立てた素焼きの皿を放出、射撃する」
という方式。現在のクレー射撃はこうやって誕生しました。クレーは素焼き用の粘土だったわけです。今でもその名残で、画像右のように射撃用クレーの裏側にはハトの模様がついているものもあるのです。
そういったわけで、射撃用クレーの正式名称は「クレーピジョン」。本家本元の英語版wikipediaでも、クレー射撃のことは「Clay pigeon shooting」となっています。
余談ですが、今からオリンピックに出場したいという人は、クレー射撃は比較的有望な競技であると言われています。
いくら有望とはいっても現状すでにうまい人、練習を重ねている人もいるのでもちろんイージーなわけではないでしょうが、日本の射撃人口は多くないので、他のもっとメジャーな競技に比べると有望ではあるのでしょうね。
もしこのブログを見てから射撃を始めて、東京オリンピックでメダルを取った方がいたら表彰式のインタビューでそのことをおっしゃってください。お祝いとしてあまり脂の乗ってない在庫のマガモかカルガモを一羽進呈いたします! (・∀・)
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Comment
装薬ピストル(けん銃)が50人、エアピストルが500人定員です。どちらも、3段以上2回を毎年継続しなければ成らないので、常に定員割れですね。エアピストル選手が五輪に一番近いでしょう。シューティングジャケットも不要でジャージでOKですから、プア向きですヨ。
ピストルは定員制だというのは聞いてたように思いますが、猟に使えない銃はあまり興味がないので今コメントを見て思い出しました。国民皆兵のスイスとかはやっぱり射撃うまい人多かったりするんでしょうかね?
猟友会の射撃会でもシューティングベスト着用の人が多くてびびります。あれ1万以上するんですよね? 買えるわけないので僕は射撃会でも猟友会ベストで参加です。orz
勉強になります。もし、今でも鳩で射撃だったなら、コール一回で1000円ぐらいになるのではないでしょうか。サラリーマンシューターには、とても無理です。
フィールド10mで満足している私は、オリンピックどころか、国体さえ無縁でしょう。銃も自動銃ですし。次はボルト式の予定ですし。
この前の大会でも、B面では全然当たりませんでしたし。
射撃は、楽しいなと思えるぐらいにしておきます。
時代が違うとはいえ、にわかには信じられんというか。撃ったあとのハトはどうしたんだろう。食べたのかな? なんとなくそのまま廃棄のような気がするんですが。。。(´;ω;`)
ボルトでスキートする人の話も聞いたことありますが、手動式の銃で皿割りがうまいとかっこいいんですけどねぇ。そういや大阪のどこかの支部ではM870で猟友会のフィールド射撃大会に出ていい成績をあげている人がいるそうで。あやかりたい。(´・ω・`)