セミキャブ車vsフルキャブ車。狩猟車としてはどっちがおすすめ?
公開日:
:
狩猟車・猟用車

二代目狩猟車をスバル製最終型サンバーパートタイム四駆モデルにしてから約1年が過ぎました。
先代の狩猟車エブリイとの乗り比べインプレッションについては去年の11月にこちらの記事で紹介していていますが、印象そのものについては当時とほぼ変わらず。だいたいあんな感じです。
両車をもう少しよく見てみると、エブリイはセミキャブ。で、サンバーはフルキャブ。となっています。
セミキャブとフルキャブ。よほどの車好きでなければまず意識しないような単語。しかしこのスタイルのちがいは乗り心地や機動性、つまりは狩猟車としての性能において若干の差違となって現れるのです。
スポンサーリンク
セミキャブとフルキャブ

こちらの画像は以前のスズキ公式サイトにあったもの。同社の軽トラ、キャリイです。先代モデル。
同じモデルでもよく見ると少し形が違います。上のKCは前タイヤがより前に出たセミキャブ、下のFCはドアの真下あたりにあるフルキャブ。と、ふた通りのラインナップがあったようです。
一般的にホイールベース(前輪の中心から後輪の中心までの軸間距離)が長いほど直進性が安定して乗り心地がいい、反面小回りが利きにくい。というのが通説。セミキャブはそういう形ですね。
一方でホイールベースが短いと直進安定性と乗り心地が悪いけれどもそれと引き替えに小回りはよく利く。ということになっています。フルキャブはこっち。
あとはまぁ、セミキャブは前に出たタイヤの上の空間がペダルのあるあたりということで足元が狭い、ということも言われていますが、僕の場合あまり気にはなりませんでした。慣れりゃどってことないです。
が、狩猟車としてみた場合、ホイールベースの差はもうちょっとだけ、大きな意味合いを持ってくるのです。
狩猟をしているとよくお世話になる農道や林道は、基本軽トラでの走行を想定して設計されています。そう頻繁に車が行き来するわけでもないので片側二車線、なんて農林道は存在しません。対向やUターンは待避所ですることになります。
ところが場合によっては待避所まで超遠かったり、またあまり使われていないところだと待避所が荒れていたりで、十分なスペースのないところでターンせざるをえない場合も。

この図は右手が山で左手が谷の林道だと脳内補完してください。その狭いスペースでフルキャブの軽トラがUターンしようとがんばっているシーンを横から見たところです。
差がわかりやすいように極端に描いたのでなんとも窮屈ですが、前タイヤが後ろに引っ込んでる分、セミキャブ車とくらべるとまだなんとかなります。

しかしこのように、フルキャブ車とくらべると前輪の位置が数十センチ前に出ているセミキャブ車の場合、それが仇となってターンできるだけのスペースを稼げないことも考えられるわけです。(´・ω・`)

そういった要望があったものか、以前はフルキャブとセミキャブの両方が設定されていたスズキのキャリイも、現行モデルではフルキャブに一本化されています。最小回転半径3.6m。狩猟車として優秀な数字です!
…と、こんなふうに言っておいてなんですが、狩猟車に軽も四駆も絶対に必要ではない、と以前に言ったように、フルキャブも別にそこまで気にしなくていいと思います。(´・ω・`)
もし絶対にフルキャブでしか方向転換できないようなタイトな林道や農道があったとしたら、そんなところにはそもそも踏み入るべきではないと考えます。ちょっとリスクでかすぎる。。。
実際問題、狩猟車としては優秀なフルキャブのサンバーですが、高速道路の横風にとても弱く、風の強い日には恐怖を感じることがあるほど。
一台で日常生活も猟も、という人にはセミキャブの方が使い勝手がいいかもしれません。
「セミキャブの軽トラとフルキャブの軽トラで迷ってるんだけど…」といったような状況にあるのならこの話をちらっと思い出してください。そうでなければ好みでいいんじゃないかと。
まあ、車や銃や猟具のことで迷ってる時間も楽しいものですけどね!(・∀・)
関連記事
-
-
王道狩猟車、ジムニーの新型キタ━━(゚∀゚)━━!!!!!
ついに来ました。スズキが世界に誇る高性能クロカン、猟師も大好きな高性能狩猟車、ジムニーの新型
-
-
総額770円(税込み)!車中泊猟向けに100均の品で棚を作ってみた。
猟場が遠いと往復の時間も交通費も馬鹿にならない。 ということで僕などはよく山に止めた車
-
-
サンバーに乗って1ヶ月。エブリイとの違いが見えてきた!
二代目猟用車・サンバーがうちに来てはや1ヶ月。早いものです。 その間、普段の足として街
-
-
年中これでOK?オールシーズンタイヤの積雪路・凍結路性能とは
冬来たりなば春遠からじ。ということは、秋来たりなば冬遠からじ。もうすぐ冬です。 冬
-
-
【遅報】最強の猟用車ジムニー、2018年にいよいよフルモデルチェンジへ!
特にブログのネタに困っているわけではないので最近はすっかりごぶさたになっていた、日刊工業新聞
-
-
出猟中に林道で通算5回目のパンクをしたので原因と対策を考える。
こないだ、またぞろ出猟中にパンクしましてね。たぶん5回目ぐらい。何年か前には同時に右の前後輪
-
-
spinickerの予想、若干当たる。デッキバン特装車、2018年1月登場!
猟師に人気の狩猟車、ハイゼットデッキバン。この車に猟師向けの特装車がラインアップされるかもし
-
-
リアルな狩猟車事情を、猟期直前の射撃場で観察してみた。
以前、僕はこちらの記事やこちらの記事などで「狩猟車は軽の四駆があればいいけど必ずしも必要では
-
-
悪路林道ばっちこい。車高を5cm上げるFAFの軽バン用スプリングキット
今はPT四駆のサンバーを相棒としていますが、先代の狩猟車は2WDエブリイ。ちょっと道の荒れた
-
-
中古車購入検討中!ハンターにぴったりなベストオブ猟用車は?
本サイトの車中泊ページでもあげているように、今の愛車は車中泊仕様のエブリイ。猟師になることが
Comment
いやぁ、そんな違いがあるって、知りませんでした!
両親が軽のバンと軽トラを持っていますが、そこまで考えて見た事がありませんでした。今度チェックしてみます!!って、田んぼと養蜂で使っているだけなので、そこまでの小回りは必要無いのですが。
でも、農地の立地や農道の幅などを考えた場合、フルキャブの必要性は無くてもjフルキャブの方が安心して曲がれるから、、、という選択肢もありかもですね。ありがとうございます!!
まあそこまで気にしてる人の方が少数派でしょうねえ。でも確かに小回りはフルキャブの方が利くけど、僕としてはサンバーのホイールベースはもう少し長ければいいのに。と思ったりします。横風こわい。(´;ω;`)
フルキャブになれている人がセミキャブに買い替えるとかなりの確率で脱輪させて車を壊すそうです。体に染みついた運転間隔は簡単に抜けないようです。
僕などは腕に自信がないので、林道とかではフルキャブ車でありながらセミキャブ車でもいけるぐらいスペースに余裕をもって走ってます。やはり次はデッキバンかな…( ・ω・)